舛添はサラリーマンの敵か…残業代ゼロ法案再提出波紋 /産経ZAKZAK

2007-09-12 23:02:17 | 労働運動
舛添はサラリーマンの敵か…残業代ゼロ法案再提出波紋
「横領」告発断念で批判も出始め
 舛添要一厚労相から、サラリーマンには黙っていられない発言が11日、飛び出した。舛添氏は会見で、安倍内閣が一度は断念した「残業代ゼロ法案」の提出に意欲を示したのだ。年収500万円月間残業80時間なら、176万円の残業代が消える試算もある。会社員には「地獄の法案」。年金横領問題でも、舛添氏は刑事告訴の見送りを余儀なくされた。舛添さんは、サラリーマンの敵になってしまったのか。

 「残業代が出なければ、早く帰る動機付けになる。横文字を使うからマスコミに『残業代ゼロ法案』と書かれて一発で終わり。『パパ早く帰ろう法案』とか『バカ課長の下で働くのはやめよう法案』という名なら通る。名前を『家庭だんらん法案』にしろと(事務方に)言ってある」

 舛添氏は11日の会見で、「残業代ゼロ法」と呼ばれる「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度(WE)」について、こう述べた。

 さらに、「私はずっと海外で生活してきたが、日本は労働生産性がむちゃくちゃ低い」と、持論を展開した。

 舛添氏の発言は「残業代ゼロ法」を「家庭だんらん法」とマイルドなプラスイメージにし、法案提出に意欲を示したもので、永田町の内外で早くも批判が噴出した。

経済アナリストの森永卓郎氏は「厚労省は『残業代ゼロ』のイメージだけ取ればいいと考えている。中身は何も反省していない。この法案がサラリーマンにとって地獄の法律なのは変わらない」と切って捨てる。

 参院厚労委員会で法案を追及した民主党の桜井充氏も「名前だけ変え、法案を通してしまおうという意図が見える。言語道断だ」と批判した。

 そもそも、労働基準法は、1日の労働時間を8時間と定め、残業や休日出勤させる場合、割増賃金を払うよう規定。WEは、事務系の会社員「ホワイトカラー」のうち一定額以上の収入があり、自分の裁量で労働時間を決められる労働者や管理職について、この制度の適用を除外、残業代を払わなくてよいとする米国発の制度だ。日本経団連が05年に提言し、厚労省は今年1月の通常国会で法制化を目指していた。

 前出の森永氏は「経団連の意図は人件費の削減だ。導入されれば、サービス残業や過労死が増える」と解説する。

 当然、サラリーマン家庭の財布を直撃する。

 全労連系の労働運動総合研究所の試算によれば、年収500万円で月間残業80時間のホワイトカラーは年間で約176万円の残業代が吹っ飛び、年収600万円なら同70時間で185万円の残業代が消える。

 厚労省側は内外の批判を受け、「(適用者は)年収900万円以上」(柳沢伯夫前厚労相)と説明し、通常国会への法案提出にこだわった。だが、政府・与党は参院選などへの影響を配慮し、法案提出を見送った。

 それでも、舛添氏が提出に意欲を示したことに、森永氏は「年収900万円以上に適用されても、上司が残業代ももらえず働いて、部下が残業代をもらえるはずがない。道連れになる。舛添さんは、年金などでいっぱい、いっぱいで労働まで手が回らないのではないか。役人の言うことに乗っかった印象で残念だ。考え直してほしい」と訴える。

 舛添氏の言動をめぐっては、社会保険庁の職員らによる年金約3億4200万円横領問題でも、批判が出始めている。

 舛添氏は4日の会見で「盗人は牢屋に入ってもらう」と過去にさかのぼって刑事告発する姿勢を見せ、サラリーマンの喝采を浴びた。だが、11日には一転、「時効の壁があり…」と、わずか1週間で断念。これには、与党内から「できるかどうか調べてから発言すべきだ。パフォーマンスと取られ、大臣発言が軽くなった」との批判が出ている。

 先月末の内閣改造後、報道各社の内閣支持率は7~13ポイント軒並み上昇した。“ご祝儀”とはいえ、首相批判を繰り返し、国民感覚に近い舛添氏の入閣が評価された。遠藤武彦前農水相が辞任し、再び支持率が下落基調に陥った首相には舛添氏の存在は貴重だった。

 だが、舛添氏は注目されるだけに、首相にとっても両刃の刃になりかねない。

 政治評論家の有馬晴海氏は「あれだけ批判された政策を内閣支持率が下落したここで、出すのはタイミングが悪い。告発発言も不用意。結局、評論家で外にいるときはいいが、責任ある立場にくると不安分子に見えてくる。今は舛添氏の存在はプラスだが、今後の動き次第では内閣支持率が下がる要因になる可能性がある」と話す。

ZAKZAK 2007/09/12
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_09/t2007091228_all.html

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「残業代出なかったら、さっさと帰る」舛添厚労相が持論/朝日新聞
2007年09月11日19時44分

 「残業代が出なかったら、あほらしくてさっさと家に帰るインセンティブ(誘因)になる」。舛添厚生労働相は11日の閣議後の記者会見で、一定条件を満たした会社員を労働時間規制から外すホワイトカラー・エグゼンプション(WE)についての持論を展開した。

 政府は、さきの通常国会に提出した労働基準法改正案にWEを盛り込むことを目指したが、労働組合などが「サービス残業を助長し、過労死が増える」と反発。「残業代ゼロ法案」との批判を浴び、断念に追い込まれた経緯がある。

 舛添氏は、WEの真意は「パパもママも早く帰って、うちでご飯を食べましょうということだ」と説明し、「家族だんらん法案」「早く帰ろう法案」などの名前にすべきだったとした。

 一方、「私はずっと海外で生活してきたが、日本は労働生産性がむちゃくちゃ低い」とも指摘。ホワイトカラーの賃金は労働時間ではなく、アイデアの対価との考え方を示し、「働き方の革命をやりたい」と述べた。

 だが、「さっさと家に帰れるぐらいなら過労死は起きないはずだ」と質問されると、「時間ではかれる仕事について残業代を払わないのはもってのほかだ」と釈明した。

 実際の導入については「WEの問題はプラスマイナスある。今後とも審議し、検討していくのは(従来方針と)全く変わらない」と述べた。
http://www.asahi.com/politics/update/0911/TKY200709110426.html


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2 コメント

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ぷぷぷのぷ (だからあ!)
2007-09-13 12:46:24
年金横領が実に都合よく「時効」が成立する時までだけで止まってて、事もあろうに以降は一件も横領なんて起きてません!っつう説明を、何処の誰が信じられるっちゅうの!
幾ら何でも、ソレは無いだろ!嘘を吐くにしても、余りにも国民を舐め過ぎている!
どんなに「国民は馬鹿なので職員のモラル低下の宣伝工作で、簡単に社保庁民営化に誘導できる」と思っていたにせよ、せめてソレらしい嘘を吐く位の努力はしろよ。
ま、一件でイイから「時効」未成立の分を出しとけ!と命令しなかったマスゾエが、割を喰うのは自己責任でしょ(官僚に舐められたのも)。
自作自演でイイ気になってる厚労官僚をも、国民は見てるって事なんけどね。
盗人は誰だ! (邪論)
2007-09-15 21:17:27
>全労連系の労働運動総合研究所の試算によれば、
これって国家と企業による全労働者に対する「盗人」行為だよね。
以前サービス残業根絶の通達を出したのに、全く逆のことをやろうとしている!やっぱりサービス残業根絶はホンキではなかった!

また、時効になっていた社会保険庁労働者=「盗人」問題を、ここにきて大騒ぎし、「草の根を分けても探し出し、牢屋に入ってもらう」などと、感情的で、物騒な物言いをメディアに流させ、安倍内閣と舛添厚労相の人気とりに利用しようとしたけど、こっちの方が犯罪的だよ。「お前こそ牢屋に入れよな」って言いたいよね。メディアにも「こっちを流せよ」って言いたいね。全くどうしようもないよ、ニッポンは…。

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