バグダッドと情報戦(後編) 戦争被害の隠蔽方等/アラビアニュース

2006-09-11 22:39:03 | イラク
マルコム・ラゴーシュ Ukurnet.info経由 2006年8月25-26日
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本インタビュー第一部で、元アメリカ陸軍諜報将校のエリック・メイ大尉は、最も正道を
外れた史上空前の隠蔽工作の一つだと見なしているものについて洞察を説明してくれた。
つまりはバグダッドの戦い、主として空港を巡る戦いだ。私たちが、最終的には主要メデ
ィアがアメリカ政府によって操作される姿を変えるであろう情報戦の遂行途上にあるとい
うことも彼は指摘した。今日の記事では、メイ大尉がインタビューの第一部で話題にした
項目のさらなる詳細に触れる。

ML: 何を情報戦と考えておられるのか詳しく説明してください。どのような戦場で、情
報戦が戦われているのでしょう。

CM: 我々が情報戦状態にあることは確かです。アイゼンハワーが軍産複合体について警告
した時、彼はオーウェル風の言い方で、軍産マスコミ複合体という言い方もできていたは
ずです。

情報戦は、サダムの捕獲の情報操作の様な具合に、でっちあげられています。アメリカ政
府が提供する話題は、いわば破綻しているといって、様々なメディアの現場がぼやいてい
たのを覚えています。

我々が論じるあらゆる話題で、情報は操作されています。ラムズフェルドの話を聞くと、
いつもこう言っています。「我々はプロパガンダ戦争に勝たねばならず、情報戦争にも勝
たねばならない。」情報戦争というのは情報戦に過ぎません。しかし、情報戦が進行中で
あることを、誰も認めようとはしません。それを認めれば、現状が国家反逆的な形勢にあ
ることが明らかになってしまうからです。

ML: バグダッドの戦いで亡くなったアメリカ人の人数をどうやって隠しおおせるのでしょ
うか? どのようにすれば、四百、五百人の兵士を消せるのでしょうか?

CM: それが私がバグダッドの戦いを調査した時の、第一段階でした。2003年4月4日
にCNNを見てから、私は数週間テレビの分析をして過ごしました。そしてジョージアのス
チュワート駐屯地に行くことにしました。そこが第三歩兵隊と3/7機甲部隊の本拠地な
のです。

現地に到着してすぐ、軍隊付き牧師からバグダッドの戦いがあったことを確認しました。
牧師は状況は最悪だったとも語ってくれました。連中は好きなように隠蔽工作をしている
のです。連中が大衆の感じかた、見かた、行動を支配しているのです。

本拠地で隠蔽工作が進められているのに気がつきました。晩夏に、本拠地にいる夫人達が
脅迫されていることが分かりました。夫人達は向精神薬カクテルを処方されていたのです
。報道管制がされていました。第三歩兵師団がようやく帰還する際には、まるで深夜列車
のようにして戻ったのです。

病院が収容できるよりずっと多数の人が負傷していました。彼らは屋外で眠りました。バ
グダッドの戦いに参戦していた兵士全員を一つの駐屯地箇所にまとめておいて、あらゆる
情報を支配できるようにしたかったのがその理由だろうと思います。

生存者とその扶養家族の間で、沈黙を強いるような試みがなされていました。彼らは脅さ
れ、麻薬漬けにされたと言いたい思いです。

2004年一月、ニューヨーク州北部のフリー・ジャーナリストを雇い、彼女は話を解明
しようと私と仕事を始めました。彼女はおよそ100件の秘密訪問があったことを見つけ
出しました。つまり死亡連絡担当将校がやってきて、未亡人に死亡を知らせるのです。連
中は夫人達を連れ出し、駐屯地から離し、町の外に行かせたのです。

彼女は約100人の戦争未亡人がいたことを見つけ出したのです。兵士のおよそ三人に一
人が結婚していました。これは私の考えていたことと、ぴったり一致します。およそ30
0人から500人が交戦中に死んだのです。調査を始めてすぐ彼女は殺しの脅迫を受けま
した。

亡くなったのは500人かも知れません。膨大な山のように思えます。起きたことは、棺
桶を500手配し、500の違う終着駅や500の様々な都市や小さな町に送り出したの
です。他に499人もいたという通知など誰も発送したりしません。そういう通知を受け
た人は、それぞれ、一人の米兵が死んだと思うのです。けれども、死んだ米兵が大規模戦
闘の一員だったとは誰も考えません。「群盲象を撫でる」という話です。それぞれの盲人
が、象の一部に触れます。全員が象の体の一部に触れているのに、そこに巨大な獣がいる
ことには気づかないのです。

死体の数をごまかすのは決して難しいことではありません。大規模な戦闘があったことを
伺わせるようなまとまった形で報告することを避けさえすれば良いのです。ファルージャ
の戦いでも連中は同じことをやりました。二つの戦いは隠蔽されたのです。

ファルージャで何が起きたのかを理解するのは容易です。バグダッドの戦いと同じです。
大衆が知らされるのは、大虐殺が行われているというのとはほど遠いことです。アメリカ
人戦死者数は低く抑えられています。私たちが、通り毎に市街戦を分析して、一日にわず
か二人が殺されているというように知る方法はないのです。そういうことにはなりません
。ファルージャでは連隊による軍事行動をしたのです。

ML: ジョージ・ブッシュが2003年5月1日に勝利宣言をしたのに、なぜいまだにバグ
ダッドで戦闘が続いているのでしょう?

CM: 私たちが理解すべきことは、現在もバグダッドの戦いが続いているということです。
戦いは隠蔽され続けているのです。レバノンに対するイスラエル人の戦争というより大き
な物語の基底として、ずっと隠され続けているのです。

歴史ではなくプロパガンダを放映したらどうなるかという例でいえば、真実は消されてし
まうのです。 実際にそうであったよりもずっと簡単にアメリカはバグダッド
を占領したのだとアメリカ大衆は吹き込まれ、事実そうでないのに、順風満帆ということ
になっているのです。今アメリカ大衆は欺かれているのです。手品のようなものです。一
度奇術師を信じてしまったら、もう負けです。奇術師があなたを支配してしまうのです。
マスコミは手品なのです。つまり、テレビは箱で、その箱から出てくる手品が、バグダッ
ド周辺のわが軍を強化しているから、バグダッドは奪還できる、とささやくのです。鋭い
叫びで尋ねられるべき質問は、「何てこった? 俺たちはバグダッドで負け
たのか?」でしょう。アメリカ軍は、バグダッドに到着して以来負け続けているのです。

ML: 誰かバグダッドの戦いに参加したイラク人とは話をされましたか?

CM: 在バグダッドの何人かのジャーナリストが戦闘から帰ってきた人々と話しています。
バグダッドの戦いについて、私が調べたことで最も甚だしいのは、アメリカ軍が圧倒され
、空港で始まったということです。狭い区域における6時間の銃撃戦となったのですが、
私の憶測では、アメリカ軍側の弾薬が尽きかけて、誰かが核の使用を決めたのです。これ
が、アメリカ人を除きあらゆる側の誰もが共通して認めていることのようです。

明らかに、そこで起きたのは、アメリカ兵が具足のボタンをしっかり留め、放射能汚染を
低減するようにして、ある種の核兵器がバグダッド空港で使われたのです。以来、アメリ
カの戦闘原則は、情報源から私がバグダッド空港で行われたと推測しているのと全く同じ
事を、指揮官がすることを認めるように変更されました。言い換えれば、軍は原則を遡及
的に変更したのです。

ともあれこの戦争では、核のしきい値というものは、きわめて曖昧模糊としています。米
軍はすでに劣化ウランを使っています。そのおかげで、おそらく間違いなしに、これは核
戦争となりました。もちろん、バグダッドの戦いがなぜ隠蔽されなければならないのかは
お分かりでしょう。相手が大量破壊兵器を持っているから、ある邪悪な狂人を追い出す戦
争に行くのだといいながら、自分は大量破壊兵器を携えて行ったとは、まさか言えないで
しょう?

ML: サダム・フセインと彼の政府を除去することで、アメリカは何か前向きのことをした
と思われますか?

CM: 戦争一年目を覚えておられるでしょう。解説者たちは、反対する人々に言っていまし
た。「おい、どういうつもりだ? もしもサダムが権力を握っていたら、イラク人の生活
はもっと楽だったと言いたいのか?」あの文句で皆は口をつぐみました。一年たっても皆
、イラク国民を自由にしたという神話を依然として信じていたのです。あの時点で、サダ
ムが権力を握っていたらイラク人の生活はもっと楽だったかどうかとは誰も聞かなかった
理由は、共和党員のクローン以外にとって、サダムが権力を握っていたほうが、イラク人
の生活はもっと楽だったことがあまりにも明白だったからです。

ML: バグダッドの戦いについて大手メディアで真実が明らかにされる時が来るとお考えで
すか?

CM: 大手メディアは今日的な意味を持っていないと思います。彼らは自ら自分達を見放し
てしまったのです。石油とイスラエルの為の戦争に、後からついて行くことにした際に、
ファウスト的な契約を結んでしまったことに気がついたのです。連中はとりこまれて、協
力要員になることに合意したのです。とりこまれる以上に恥ずかしいことがあるでしょう
か? 連中は、意味
ある情報を提供するメディアではありません。連中は、都合のよい正当化の理屈付けを提
供するプロパガンダ作戦部隊です。

ここで「情報戦」という言葉が残っています。今や意味ある重要な情報は、皆が「アンダ
ーグラウンド・メディア」とでも呼びそうなところから流れます。非体制的メディアとで
も、何と呼んでいただいてもかまいません。その意味する所は、二人が、例えばあなたを
私のように、テレビ番組のどれにでも出られるような十分な専門知識を持った二人が、今
お話したようなことについて語るのです。私たちはテレビ放送局には出演できませんから
、こうした非体制的メディアを通して行うわけです。私たちができる最高のインタビュー
は、大手メディアの外でこそ入手可能なのです。大手メディア体制に取り込まれていない
人々の能力で質の高い仕事ができるということになれば、既存メディア体制は必ずや崩壊
するのです。

私はこれを、印刷機が発明された後のカトリックの聖職位階にたとえています。インター
ネットは、私たちにとって情報戦のための印刷機になっています。情報を完全に支配する
ことなど出来ません。仮に「俺は門番で、この巨大な古い扉を塞いでいるのだぞ」と言っ
ても、インターネットは、情報が扉の割れ目からしみ出るようにしてしまいます。

メディアをどう呼ぶかといえば、協力者です。全ての協力者達は、あらゆる歴史で同じ運
命にあっています。正しい側が勝利した後、協力者は全ての名声も権威も失うのです。

イラク戦争の本当の歴史が書かれた時、初めてメディアの仮面が剥がされるでしょう。皆
さんも今その一つを書いておられるわけです。最終的には、バグダッドの戦いとファルー
ジャの戦いは認められるようになるでしょう。非常に脆弱な二流ブッシュ・リーグが依然
として同じように脆弱な従軍メディアを支配しているので、こうした事は今のところ包み
隠されています。長く持つはずはありません。

http://www.malcomlagauche.com/id1.html

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前編は
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/1cb9414a89187441e3ab6060f6c49b42

【アラビア・ニュース】  齊藤力二朗  会員以外の転載希望者は個メールで受付
http://groups.yahoo.co.jp/group/arabianews/

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1 コメント

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やっぱり!!! (バクダッド空港!2発のモアブ使用!)
2006-09-12 21:04:15
だろうと思った!!!

モアブは電磁波爆弾と言われているけど、空自の米軍兵站部隊は、被爆調査なんてして貰えるのか?疑問な気がするのは、私だけではない筈。

日本も決して他人事ではなく、イスラム圏のインドネシア辺りでは「自衛隊に死者が数人出た」と言われるのに、自衛隊員は緘口令で「何も言えません」と返事すると決められてるようだし。

メディアは、何処も同じだ~~!!
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