嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

土ボタル

2014年10月08日 22時58分56秒 | 駄文(詩とは呼べない)
土ボタルの成虫には口がない
ただ産むために生まれ、瞬くような数日の淡い光の中で死んでいく
ただ交尾をするために生まれ、静かな光の中で洞窟と共に死んでいく。

土ボタルの幼虫には攻撃力がない
ただ、静かな時の中で 淡い光を放って大人になる
満月に勝てない光 蛍にもなれない光
だけど君たちは大人になれる ただ、大人になる為だけのことわりの中で光る。

土ボタルの名前には清潔さがない
ヒカリキノコバエ
光茸蝿
光るのは排泄物
粘液を長く垂らして捕食する
生きるための光
洞窟の中で暗闇に生きるための光
ただ、罠を張るためだけに美しく光る
天満の影絵で 宇宙を作って死んでゆく。


土ボタルの命には時間がない。
地球が数回廻っただけで 命の光で死んでゆく
性行為と捕食のうんこまみれで死んでいく。

人間には時間がある
人間には時間があり過ぎる
SEXをしてもまだ生きている
子供を産んでもまだ生きている
大人になってるのにまだ生きている
老人になってもまだ生きていこうとする。

そんな生き様に、尊厳なんてあるのか
ほんとうに 尊厳なんてものが あるのか?

土ボタルは白い洞窟の暗闇で
静かに不潔な時を過ごし
地下の宇宙を作って消えていく
食べない未来
遊ばない未来
生きない未来
ただ、暗闇に宇宙を残して、
何万年もの白いつららの中で生きた化石になる。

だから彼らは、ときを刻んでいる
いきることと死ぬことが同義であるように
短いときと 長いときは同義である。
短い命と長い命は同義である