芭屋框組(はなや かまちぐみ)

残しておきたい情報や、知っておきたい事

刃の歪み直し

2013-01-01 14:42:53 | ねじれ直し
新年おめでとうございます。

自分が見聞きしてきた事を、メモがわりにまとめるつもりだったこのブログも

いつの間にか大勢の方が見て下さる様になり、声をかけて頂ける事もちょくちょく

ある様になって来ました。

文字入力も出来んおっさんが、嫁はんの機嫌の良い時にだけ入力してもらって

はじめて成立しているので、気長にお付き合い下さい。

さて今回は、積層台に入れるべく鉋身もこの際、きちんとしておきたくなり

裏出しも兼ねて相談しに鍛冶屋さんを訪ねて来た。

先ず各部の呼び方:今まで表と思っていたのが「甲(こう)」裏すきの上が表。




1)ねじれのチェック:平らな盤の上で、裏側を下にしてかたつかないか?



上盤に浅く掛けたり、深く掛けたりして全体的にかたつきが無いかチェックする。




2)裏側に定規を縦横にあてて、裏すきの深さやこごみ具合を細かくチェック







かたつきのある刃は、まず両脇の縦裏=はかま部分のこごみ具合が左右で違っていないか

こごみ過ぎていないか?







中古の刃で刃の横から叩いた所が、まくれ上がってそこが段差になっていないか?

等々、刃の現状把握とこれからどこを直して行くかの作戦をたてる。

3)ねじれが有る場合、ねじれ直す前に両脇の縦裏のこごみ方をまず揃える。

かつ、なるべく真っ直ぐになる様に直す。

4)刃が付いている状態で叩くと割ってしまう危険が非常に高いので、刃先を止める。

(=すり下ろす)


 

5)安全に叩く為には、画像のように刃の厚みの半分以上は止めておいた方が良いとの事

叩く量がわずかの場合も、1分位は刃先を止めていた。






刃先を止めるもう1つの意味合いとして、叩いた時に厚みの薄い方へより力が加わって

しまい、薄い部分がより多く曲がってしまう事を挙げられていた。

刃先を少ししか止めない場合は、先を台から外して尚且つ、思った所より頭側の

厚い箇所を叩くなど別の配慮が必要になって来る。

6)グラインダーで刃先を止めた後、ひずみ直し専用の台で刃を叩いて行く。



1番左がひずみ直し用槌 右の2本は裏出し用 頭の長さ3寸8分程で重さ不明、
おそらく200匁近辺



因みにこの直し台は、樫の丸太を地面に打ったコンクリートに羽子板ボルトで固定

されていた。



7)頭の下側にアルミの薄板を敷き、甲側は傷防止の為に銅の薄板

結構な力で(3寸釘打ち込む位)叩く。近くに小さな差し金があって、叩く度に

状態を確認する。縦裏をそろえるだけで、ねじれも直ってしまう場合も多いらしい。

8)上盤でのかたつき具合プラス定規でのチェックで、どこを叩くか見極める。





仮に1が浮いていると4の方も浮いているので、2-3の対角線を軸に1-4を

下に下げてやるイメージ。

見せてもらった時は、頭側の角の下にかいものをして、大体甲側から叩いて

たまに叩き過ぎたのか、裏側から叩かれていた。

目の前で何度も実演して頂いたのだが、早すぎて正直ついていけなかった。

これはもう自分で練習を積み重ねるしかない。

9)ひずみが直り、かたつかなくなって初めて刃角をグラインダーで成型していく。

この後裏出し作業につづく・・・







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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (とっちゃん)
2013-01-04 23:36:19
大分遅くなりましたがおめでとうございます。今年も引き続き勉強させてください。よろしくおねがいします。
Unknown (管理人)
2013-01-05 20:42:18
とっちゃんさん、あけましておめでとうございます。

こちらこそ今年も宜しくお願いします。

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