公園で少年の父親はある光景を見ました。
回るジャングルジムのような遊具に男の子が3人乗っており、彼の小4の息子が一人で、彼らのために、走ってそれを回していました。
遊具に乗っている少年たちは、回している少年に、「もっと回せ!早く回せ!」と大きな声で怒鳴っていました。
少年が「もう、代わってよ」といっても、知らんぷり。
父親は、しばらくこの光景を見ていましたが、その後も誰も交代することなく、息子だけがぐるぐると走らされていました。
父親は、突然子どもたちのそばに行き、大きな声で息子の名を呼びました。
そして、「こんなところで遊ばなくてもいい、うちに帰っていろ」と、息子をその場から離れさせました。
遊具に乗っていた少年たちは、父親の存在に気づきびっくりしたようです。
父は、少年たちに向かって、
「そこに並べ」と横一列に並ばせ、一言言いました。
「お前たち、いつもこんな遊び方をしているのか」
「・・・・」
「いいかい、一回しか言わないからよく聞きなさい。
・・・
みんな 平 等 だ !」
そういい残して、父も公園から立ち去りました。
しばらくして、少年の家に公園にいた同級生のA君が尋ねてきました。
父親は敢えて出て行きませんでしたが、A君はすぐに、
「○○君、さっきはごめんね」と謝って、帰っていきました。
翌日、朝一番、学校に着いた少年の目の前に、昨日いっしょにいたB君がやってきて、
「○○君、昨日はごめんね」と、謝ったそうです。
その後、詳しい話を聞くと、A君とB君は、4年生になってはじめて学校のサッカークラブに入って朝早くから練習をしているのだけれど、同じ学年なのに、地元の少年サッカーチームに入っている子達が、とても威張っていて、ボールをけったりできるのは彼らばかり、A君やB君たちは、雑用のようなことしかさせてもらえないとのこと。
そして、A君はそのことを母親に訴えて、
「お母さん、みんな平等だよね」と、言ったそうです。
おそらく、地元の少年サッカーチームに入っている子達は、同様に上級生に雑用をさせられているのでしょう。
今、いじめは子どもの世界で深刻な影を落としています。
しかしいじめの根本原因は、ずっと上にあって、それが下へ下へと押し寄せられて、一番弱いものが犠牲になっているんじゃないかと私は思うのです。
勝つためなら何をやってもいい、お金が儲かるなら、法律さえ違反しなければ何をしても許される、弱いものは弱きがゆえに悪いのだ、そんな社会のあり方が、家庭の中や子どもたちの世界にも投影されて、ゆがんだ人間関係が構築されてきてしまったのじゃあないでしょうか。
トップの写真は、誰が作ったかは知りませんが、フラクタルな?ミステリーサークルです。(全長235m409個のサークルがあるそうですよ、これはもうひとつの芸術作品ですね!)
この真ん中の丸を、愛や慈しみの気持ちで満たすことができるなら、私たちの社会はもっと幸福になるでしょう。そして、真ん中の丸は、私たち自身の心に中にあるのですよね。
金木犀さんが言われるように、お金万能の社会、勝つためなら何をしてもよいという世の中が、人の心を狂わせていると私も思います。
金木犀さん、いつも、参考になるHPを教えてくださってありがとう!
「フラクタル」も知らなかったです。かなり納得できました。この図形の真ん中に、「愛と慈しみ」があれば、というのには同感ですよ。
最大の環境破壊は戦争です。
最大のイジメは戦争です。
>すぐにこんなにうまくいくことはないかもしれないけれど
チャンスに後ろ髪はないといいますが、このタイミングを逃さず話せた父親は、よかったと思います。見て見ぬふりが問題を深刻化してしまいますよね。
3人の中でA君は直接罵声を浴びせたわけではなく、A君、B君共に基本的にはいい子だったからよかった話です。
もう一人の子は(実は主犯格?)、結局最後まで謝りませんでした。成績は優秀な子であったといいますが・・・。
フラクタルのサイトは私も参考になりました。
ましまさん
>最大の環境破壊は戦争です。
最大のイジメは戦争です。
本当にそうですね。人類がそれに気がつくために、どれだけ犠牲を払ったのでしょうか・・・。
真ん中の丸の中に戦争を入れてはいけませんよね。