「どうして特許が必要か」という問いに対するもう1つの回答として、「粗利率(売上総利益率)」を考えるという視点について説明したいと思います。
粗利率とは、
(売上高-売上原価)÷売上高
により計算される利益率のことです。
経営指標の中で特に注視する利益というと、銀行時代であれば営業利益か経常利益、VC時代には1株利益のベースになる純利益を第一に考えていました。
しかしながら、知財の仕事に関わるようになってから、
「実は、粗利(&粗利率)が、とても重要な指標なのだ。」
と考えるようになっています。
粗利率というのは、平たく言うと、いくらで作った商品をいくらで売れたかという、
「商品のそのものの力」
をシンプルに示す指標です。わかり易く言えば、「粗利率が高いほど、言い値に近い値段で商品が売れている」ということで、さらに言い換えると、粗利率の高い商品は、
「価格決定力を備えている」
商品であると言えると思います。勿論、企業経営において最終的に重視されるのは経常利益や純利益ですが、粗利率が低い場合、いくら販売の効率化や財務体質の改善を進めたところで、増やせる利益の程度には限界があります。これに対して、粗利率の違いは、リストラ等による増益に比べて相当に大きな金額として効いてくるのが通常です。
「商品そのものの力」「価格決定力」が粗利率を決定する要因であるとすると、特許権というのは、実はこの要因に深く関与してくるものなのです。特許戦略が効果的に機能した場合に本来現れるべき事象は、競合や顧客に対する立場が有利になり、価格決定力が強化されるということです。その結果は、粗利率に現れてくるはずです。特許権によって得られる利益というと、ライセンス収入云々が言われることが一般的ですが、普通の事業会社にとってライセンスによる利益は付帯的な利益に過ぎず、本業において特許権が有効に機能した場合、それが現れる指標は「粗利率」なのではないか、と思うのです。
この考え方は、私の知財業務に対する考え方のベースとなっているものなので、今後の記事においても随時触れていきたいと思います。
粗利率とは、
(売上高-売上原価)÷売上高
により計算される利益率のことです。
経営指標の中で特に注視する利益というと、銀行時代であれば営業利益か経常利益、VC時代には1株利益のベースになる純利益を第一に考えていました。
しかしながら、知財の仕事に関わるようになってから、
「実は、粗利(&粗利率)が、とても重要な指標なのだ。」
と考えるようになっています。
粗利率というのは、平たく言うと、いくらで作った商品をいくらで売れたかという、
「商品のそのものの力」
をシンプルに示す指標です。わかり易く言えば、「粗利率が高いほど、言い値に近い値段で商品が売れている」ということで、さらに言い換えると、粗利率の高い商品は、
「価格決定力を備えている」
商品であると言えると思います。勿論、企業経営において最終的に重視されるのは経常利益や純利益ですが、粗利率が低い場合、いくら販売の効率化や財務体質の改善を進めたところで、増やせる利益の程度には限界があります。これに対して、粗利率の違いは、リストラ等による増益に比べて相当に大きな金額として効いてくるのが通常です。
「商品そのものの力」「価格決定力」が粗利率を決定する要因であるとすると、特許権というのは、実はこの要因に深く関与してくるものなのです。特許戦略が効果的に機能した場合に本来現れるべき事象は、競合や顧客に対する立場が有利になり、価格決定力が強化されるということです。その結果は、粗利率に現れてくるはずです。特許権によって得られる利益というと、ライセンス収入云々が言われることが一般的ですが、普通の事業会社にとってライセンスによる利益は付帯的な利益に過ぎず、本業において特許権が有効に機能した場合、それが現れる指標は「粗利率」なのではないか、と思うのです。
この考え方は、私の知財業務に対する考え方のベースとなっているものなので、今後の記事においても随時触れていきたいと思います。