ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

オプティマスとマナスル

2023年02月27日 | 便利な道具 山川海旅編
きょうは山ツアーが休みなので、
道具の整備。
 
ツアーでお茶などを出すときに使うことがある火器。
お湯を沸かしたり、焼き肉したり、団欒の中心になったり、
まるで囲炉裏みたいな役割を果たします。
 
なんだか急に古いモノを使いたくなって
学生時代の山旅や放浪旅で使っていた
現代から見ればアンティークな道具を引っ張り出して点検してみました。

オプティマス8R
レギュラーガソリンで使ってました。


マナスルのラジウス。二代目。
高校山岳部時代からの愛用品。
灯油なのでテントの中でも使えます。
 
8Rのタンクの蓋を開けると、ガソリンが腐った匂いが、モワモワと。
うっ、臭っ!
 
構造上、ひっくり返してもガソリンが溢れにくいようになっているせいで、ガソリンがわずかに残ったままで30年以上放置したみたい。
腐敗してジェル化した古いガソリンの残滓が悪さをしているようで、正常に燃焼せず。
後日、分解掃除決定。
 
マナスルはポンプ部をグリスアップしただけで、まもなく青くて正常な炎をゴーゴーと、
音を立てて吠え始める。
完全に正常。いつでも出動可。
 
ツアーのお茶時間に使うかどうかはさておき、
なんだか昔の旅を思い出して、しんみりしました。
 
炎を眺めながら
ひとりぼっちの時間って、いいねえ。
 
 
 

難破船

2023年02月26日 | バックカントリーとパウダースノー
きょうは荒れ模様の天気かと予測。
 
まあいいや。
とりあえず登っていく。
 
そこそこ登って雪洞に転がり込んで、
洞のなかで天候回復待ちという名目の
昼飯&おしゃべり大会。
 
昼過ぎに、ひょいと表に顔を出してみたら、
意外と良い雪で、さらっさら。
綿毛が積もったみたいに、しゅわしゅわ。
 
深いけど、ほとんど無重力?くらい軽い。
羽毛かよ。
 
シーズン最後の羽毛パウダーかも。
 

しかし、よく降った。
下山したらクルマが難破船みたいなことに。
もちろん帰路はホワイトアウト。
 
それなのに下界に戻ってきたら
美瑛の丘は晴れてました。
 
終わってみたら
最高に楽しい1日でした。
 
やっぱ北海道の冬が好き。
 

冬山にも春の兆し

2023年02月22日 | バックカントリーとパウダースノー
風景は冬山ですが、
厳冬期のような尖った空気感が薄くなり、
何やら穏やかな肌触りを感じます。
 
一歩一歩、踏みしめて歩くと、
足の裏に雪の反響※を感じるのですが、
確かな「踏む感覚」があって、その下にある大地の存在をわずかに感じます。
(2mくらい下ですけどね)
 
厳冬期にはなかった感覚。
春の兆しです。


※長くこの仕事をしていると「きょうはおかしい」「いつもと違う」という、わずかな違いを感じ取れるようになります。
こういう動物的な感覚は、
「危機回避」に役立っていると確かな実感があり、
まったく科学的ではない「アウトドアマンの勘」ですが大切にしたいと思っています。

きょうは十勝岳へ

2023年02月19日 | バックカントリーとパウダースノー
毎週水曜日と木曜日、土曜日と日曜日、
十勝岳連峰の各地で初級バックカントリーツアーをやってます。

気がつけばシーズン折り返して
冬もあと僅か。
きょうは春を思わせるような暖かい1日でした。
冬が名残惜しい…

山で食べるおにぎり、最高!

積極的には宣伝を行わず、こっそりwebだけでお知らせしていましたが、
意外や意外、
参加者なし不成立の日はほとんどなく、3月までびっしり日程が詰まっていますが、
定員は5名に絞っていますのでプライベートツアーのように楽な気持ちで出かけることが出来て毎日楽しい!
古いお客さんもみんな戻ってきて、学生時代の友人との再会みたいで楽しい!

こんな感じで来年も続けて行けたらいいなと思っています。

ebikeのレンタル予約が入り始めました。
いつまでも冬の気分でもいられなくなってきました。
春からは忙しくなりそうです。



天然の雪洞

2023年02月12日 | バックカントリーとパウダースノー
きょうはヤマでは雪がやや激しく降るような気がしたので、
「天候急変!ビバーク決定!」
という想定でバックカントリースキーツアー。

原生林の奥深くにあるヒミツの天然雪洞を
目指しました。

今シーズン2回目の利用。
10年くらい前に偶然見つけた天然雪洞です。
原生林のなかにあるので、自分でもなかなか見つけるのが大変だったりします。
 
外から見ても地下空間の存在はわかりません。
 
地形とエゾマツと積雪が偶然作り出した半地下構造の雪洞の中は思いのほか広くて、
ほぼ円形。
3〜4人用のテントが張れるくらいの広さがあり、ドーム状の天井なので竪穴式住居かイグルーのような雰囲気。
詰めて座れば10人程度収容可能かと思います。
緊急時には本当にビバークが可能な天然の雪洞です。
 
ただ、本日の山小屋天気予測はハズレ。
 
曇り空ながら視界も良く雪も上々、
後半はビバークどころか大きく遠回りして森歩きをでっかく楽しむこととなりました。
 
ただ、ヤマからの帰り道は予想通りのボタ雪吹雪になってしまいましたが、下界に降りてきたら嘘のように美瑛は晴れていました。
 
まあ、よくあることですね。