※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■
■注:検索からこのページに飛んでくる方が多いのですが、わりと古い記事です(Ep4当時)。まずは目次か、トップページへジャンプすることをお勧めします。
魔女が鏡に弱い理由
筆者-初出●Townmemory -(2009/05/18(Mon) 01:09:05)
http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25222&no=3 (ミラー)
[Ep4当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
冒頭の挨拶部分を削除してありますが、そこになんとなく書き付けた、
「私がたしかに存在するとは私自身には証明できない」
というフレーズが、これ以降の発想のキーワードになっていきます。
総論的なことを2個書いて、謎を解き終えた気になったので、細かい謎を詰めていこうかな、くらいの軽い気持ちで書き始めたのですが、まだ他にもみるみる発見が出てきてしまい、この後止まらなくなります。ブレザーベアトリーチェとドレスベアトリーチェの違いを確定できたのは大収穫でした。
[注:Ep4時の推理です!]
発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。
以下が本文です。
☆
きれいな弾幕は先にぶっぱなしてしまったので、それほどでもない通常攻撃で間をつなごうかと思います。
わきにのけてあるいくつかの謎について。
●『EP3』の連鎖密室が芸術品である理由
http://news.dengeki.com/elem/000/000/147/147660/index-2.html (ミラー)
このインタビューで竜騎士07さんは、第一の晩の連鎖密室を芸術的であるとおっしゃってますね。
その理由は、この密室形式が、「うみねこのなく頃に」という作品それ自体の謎の縮図になっているから、かな。そう思います。
ひとつの鍵をあけて室内に入ったら、そこには次の部屋の鍵があった。そのくりかえしですね。
この作品ってきっと、ひとつ謎をとくと、それを鍵にして、別の謎が解ける。その謎を鍵にして次の謎が解ける、そのくりかえしになっているのでしょう。
だから、一個がとけたら、判明している鍵穴に総当たりで差し込めば良い。
あれ、死体に次々と杭を打っていくのって、鍵穴に鍵を差すことのメタファーか?
●鎮守の社の鏡を割る
重要アイテムとして、鏡が2回出てきますね。紗音が割った、鎮守の社のご神体の鏡。それと、夏妃が持っていたお守りの鏡。
夏妃の鏡のとき、ベアトリーチェが「一手遅かったな」と言いますね。
たぶん、鏡をベアトリーチェに向けていたら、ベアトリーチェは撃退できていただろうということです。ていうかそう仮定します。何でもいいから式に代入してみることで、わりとミステリーの謎って解けます。
魔女は鏡に弱い。
なぜか。
幻想があばかれるから。
この物語の殺人者は、魔女ベアトリーチェを気取っています。
ベアトリーチェになりきって人を殺しているわけです。
いわゆる「ブレザーベアト」は、殺人者の主観的な姿なんです。
「私って、金髪編み込みで、碧眼で、こういう可愛いブレザーを着た女の子なのよ」
というなりきり状態で館に現れ、なりきり状態で殺人を続けてます。
そういう人に、鏡を向けたらどうなるか。
なりきりという幻想が解けます。
鏡に本来の姿が映ってしまう。
鏡に映った自分の姿を見てしまう。
鏡に映るのは、当然、ブレザーベアトではありません。日本人顔をしたなんのへんてつもない人間が映ります。
つまり魔法が解ける。ベアトリーチェはベアトリーチェでいられなくなり正体を現してしまう。
「なりきりチャットをやっていたら、ふと机に立てといた鏡と目が合ってしまった。チャットでは超絶美形のキャラを演じていたのに、自分のブッサイクな顔を見て我に返ってしまった」
そんな状態が発生するんですね。
それを一言で表すと、「魔女は鏡に弱い」。
さあ、たったいま、「魔女は鏡に弱い」という「幻想」が生まれてしまいました。
自分で生み出した「幻想」には、魔女本人もさからえないのです。
さからったら、幻想を否定してしまうからです。
これが、「魔女はルールには従う」の正体です。
ちなみに、「ブレザーベアトの肖像画」は、現実には存在しません。
あれは幻想です。
館のホールには、ドレス姿のベアトリーチェがかけられているはずです。
1.私はベアトリーチェである。
2.私の姿は、私が主観的にこうだと決めた姿である。
3.ホールには、ベアトリーチェの肖像画がかけられている。
4.肖像画に書かれているのはベアトリーチェ本人である。
5.よって肖像画には私が主観的に決定したブレザーベアトの姿が書かれているべきである。
以上の最適化が行われ、「肖像画にはブレザーベアトが書かれている」という幻想が上書きされました。
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
■関連記事
●犯人特定
「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
サソリのお守りが効いた理由
ep4は親チームのドッキリではないか?
魔女が鏡に弱い理由
留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
「魔女の手紙」の取り出し方
●盤面解析
駒の動きその1・南條(大爆発説)
駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音
ルールXYZを指さそう
駒の動きその3・銃(とわたしはだあれ)
駒の動きその4・盤面(I)
駒の動きその5・盤面(II)
駒の動きその6・盤面(III)
チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷
■注:検索からこのページに飛んでくる方が多いのですが、わりと古い記事です(Ep4当時)。まずは目次か、トップページへジャンプすることをお勧めします。
魔女が鏡に弱い理由
筆者-初出●Townmemory -(2009/05/18(Mon) 01:09:05)
http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25222&no=3 (ミラー)
[Ep4当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
冒頭の挨拶部分を削除してありますが、そこになんとなく書き付けた、
「私がたしかに存在するとは私自身には証明できない」
というフレーズが、これ以降の発想のキーワードになっていきます。
総論的なことを2個書いて、謎を解き終えた気になったので、細かい謎を詰めていこうかな、くらいの軽い気持ちで書き始めたのですが、まだ他にもみるみる発見が出てきてしまい、この後止まらなくなります。ブレザーベアトリーチェとドレスベアトリーチェの違いを確定できたのは大収穫でした。
[注:Ep4時の推理です!]
発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。
以下が本文です。
☆
きれいな弾幕は先にぶっぱなしてしまったので、それほどでもない通常攻撃で間をつなごうかと思います。
わきにのけてあるいくつかの謎について。
●『EP3』の連鎖密室が芸術品である理由
http://news.dengeki.com/elem/000/000/147/147660/index-2.html (ミラー)
このインタビューで竜騎士07さんは、第一の晩の連鎖密室を芸術的であるとおっしゃってますね。
その理由は、この密室形式が、「うみねこのなく頃に」という作品それ自体の謎の縮図になっているから、かな。そう思います。
ひとつの鍵をあけて室内に入ったら、そこには次の部屋の鍵があった。そのくりかえしですね。
この作品ってきっと、ひとつ謎をとくと、それを鍵にして、別の謎が解ける。その謎を鍵にして次の謎が解ける、そのくりかえしになっているのでしょう。
だから、一個がとけたら、判明している鍵穴に総当たりで差し込めば良い。
あれ、死体に次々と杭を打っていくのって、鍵穴に鍵を差すことのメタファーか?
●鎮守の社の鏡を割る
重要アイテムとして、鏡が2回出てきますね。紗音が割った、鎮守の社のご神体の鏡。それと、夏妃が持っていたお守りの鏡。
夏妃の鏡のとき、ベアトリーチェが「一手遅かったな」と言いますね。
たぶん、鏡をベアトリーチェに向けていたら、ベアトリーチェは撃退できていただろうということです。ていうかそう仮定します。何でもいいから式に代入してみることで、わりとミステリーの謎って解けます。
魔女は鏡に弱い。
なぜか。
幻想があばかれるから。
この物語の殺人者は、魔女ベアトリーチェを気取っています。
ベアトリーチェになりきって人を殺しているわけです。
いわゆる「ブレザーベアト」は、殺人者の主観的な姿なんです。
「私って、金髪編み込みで、碧眼で、こういう可愛いブレザーを着た女の子なのよ」
というなりきり状態で館に現れ、なりきり状態で殺人を続けてます。
そういう人に、鏡を向けたらどうなるか。
なりきりという幻想が解けます。
鏡に本来の姿が映ってしまう。
鏡に映った自分の姿を見てしまう。
鏡に映るのは、当然、ブレザーベアトではありません。日本人顔をしたなんのへんてつもない人間が映ります。
つまり魔法が解ける。ベアトリーチェはベアトリーチェでいられなくなり正体を現してしまう。
「なりきりチャットをやっていたら、ふと机に立てといた鏡と目が合ってしまった。チャットでは超絶美形のキャラを演じていたのに、自分のブッサイクな顔を見て我に返ってしまった」
そんな状態が発生するんですね。
それを一言で表すと、「魔女は鏡に弱い」。
さあ、たったいま、「魔女は鏡に弱い」という「幻想」が生まれてしまいました。
自分で生み出した「幻想」には、魔女本人もさからえないのです。
さからったら、幻想を否定してしまうからです。
これが、「魔女はルールには従う」の正体です。
ちなみに、「ブレザーベアトの肖像画」は、現実には存在しません。
あれは幻想です。
館のホールには、ドレス姿のベアトリーチェがかけられているはずです。
1.私はベアトリーチェである。
2.私の姿は、私が主観的にこうだと決めた姿である。
3.ホールには、ベアトリーチェの肖像画がかけられている。
4.肖像画に書かれているのはベアトリーチェ本人である。
5.よって肖像画には私が主観的に決定したブレザーベアトの姿が書かれているべきである。
以上の最適化が行われ、「肖像画にはブレザーベアトが書かれている」という幻想が上書きされました。
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
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●犯人特定
「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
サソリのお守りが効いた理由
ep4は親チームのドッキリではないか?
魔女が鏡に弱い理由
留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
「魔女の手紙」の取り出し方
●盤面解析
駒の動きその1・南條(大爆発説)
駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音
ルールXYZを指さそう
駒の動きその3・銃(とわたしはだあれ)
駒の動きその4・盤面(I)
駒の動きその5・盤面(II)
駒の動きその6・盤面(III)
チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷
EP5発売後も公式で出される見解にふむふむと
興味深くうなずいて記事読ませていただいています。
ふとこの記事と、うみねこウィキの新記事を読んでいて
思ったことがあったので、既出だと思いますが書きます。
私は作中の区切りで「パリーン」と割れるのはガラスだと
当然のように思っていましたが、実はガラスじゃなくて
「鏡」が割れているんじゃないか?と思いました。
まるで「真実を映さないで!」と拒否する魔女(朱志香)が
鏡を割っているような感じがしてきました。
…って、激しく既出だったら恥ずかしいんですが、
ふとそんな風に思いました。
Townmemoryさんはあのエフェクト、どう感じていましたか?
アイキャッチのガラスぱりーんエフェクト、既出じゃないような気がします。少なくともわたしには目新しい話題です。
わたしがどう感じてたかというと、何も考えてなかったっていうか、あまり考えないようにしていました。だってあのパリーン怖いんだもん! どきーっとして、心臓に悪いんですもん。TIPSの切替えの、パリーン!ぐにょーん、とか、もう最悪です。泣きそうです。
推理としては、endomameさんの解釈が超ナイスで、賛成票一票です。それ正解なような気がします。
魔女キャラ的に言ったら、
「ホラホーラ、現実的な場所は、時間を追うごとにどんどん減っていって、魔女の闇がどーんどん増えていくよぉ~」
みたいなことかもですね。
TIPSを現実側ページから魔女側ページに切り替えるときにパリーンが鳴るのも、そんな意味かもしれないですね。だってあれ、魔女側から現実側に戻るときには鳴らないですもんね。
>TIPSを現実側ページから魔女側ページに切り替えるときにパリーンが鳴るのも、
>そんな意味かもしれないですね。だってあれ、魔女側から現実側に戻るときには鳴らないですもんね。
ええ、そうなんですか?今度注目して読んでみます。
そんなこと気づきませんでした・・・。
パリーンは「カケラの分岐」みたいに言っている方もいて、
すごく納得していましたが、そういう風にも捉えられるのかと思いました。
確かに、割れる時はボリュームが小さくてもドキッとしますね。
どうもありがとうございました。