さいごのかぎ / Quest for grandmaster key

「TYPE-MOON」「うみねこのなく頃に」その他フィクションの読解です。
まずは記事冒頭の目次などからどうぞ。

駒の動きその5・盤面(II)

2009年05月27日 05時31分18秒 | 盤面解析
※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■


駒の動きその5・盤面(II)
 筆者-初出●Townmemory -(2009/05/23(Sat) 22:17:31)

 http://naderika.com/Cgi/mxisxi_index/link.cgi?bbs=u_No&mode=red&namber=25564&no=0 (ミラー
 Ep4当時に執筆されました]


●再掲にあたっての筆者注
 本文中に目次があったのですが、削除しました。

 じつはep2は、まだ詰め切れていません。碑文の解き方と、ep2の詰めが、現在私に残っている謎です。
 キーはなんとなくわかっているんですけどね。たぶん、本来「寄り添う2人」で「譲治」を取ろうとして失敗したんだろう……というような。

(注:その後、詰めました。→ 「犯人」がループ存在だとしたら?

 以下が本文です。


     ☆


 みなさん、こんにちは。

 この書き込みは、ルールと駒の動きについて考えるシリーズです。
 今回は、ep2の感想戦です。


●ep2、ベアトリーチェの棋譜

 難易度は極上。
(ベルン曰く「ワンサイドゲーム」)
(ラムダ曰く「やりすぎ、スキだらけ」)

   *

 第1の晩。「鍵の選びし6人」で取ったのは、蔵臼、夏妃、絵羽、秀吉、留弗夫、霧江。
(「銃」候補を6人削除。これで「銃」に成れる駒は「楼座」だけに)

 この時点の生存者は、
 楼座、真里亞、戦人、譲治、朱志香/紗音、嘉音、源次、南條、熊沢、郷田。

 第2の晩。「寄り添う2人」で取ったのは、朱志香と嘉音。
(「2人」に対応するのは「楼座&真里亞」か「譲治&紗音」か「朱志香&嘉音」か「紗音&嘉音」。「譲治&紗音」は反乱イベント発生のため不可。真里亞温存か)

 楼座が、「楼座(銃)」に成る。

 金蔵の死亡は発覚しない。

「楼座(銃)」、使用人チームに退出を命じる。

 この時点での生存者は、
 客間:楼座(銃)、真里亞、戦人、譲治。
 厨房:紗音、源次、南條、熊沢、郷田。
(ベアトはあと5駒を取り、そのうちの1人は南條でなければならない)

 南條と熊沢の駒を取る。あと3駒。
(死体は行方不明に)

 譲治が使用人チームへ移動する。
 客間:楼座(銃)、真里亞、戦人。
 厨房:譲治、紗音、源次、郷田。

 譲治、紗音、郷田が、「鏡」入手のために夏妃の部屋へ。
 ベアトはこの3駒を取る。13人で儀式成立。

 南條と熊沢の死体が発見される。杭の位置は膝と足。

 楼座(銃)、真里亞、戦人、源次、(金蔵)が生存し、第10の晩にてゲームエンド。


●ep2、感想戦

 棋譜をならべてみたら、かなりのことがわかりました。

 今回のゲームのポイントは、「客間チーム」と「厨房チーム」に分かれてからにあります。

 チーム分けが行われた段階で、ベアトが取らねばならない駒は5駒。
 そして厨房チームの人数は5人。
 つまり、この5人を取ってしまえばチェックメイトなのです。

 なのに、それをしない。2駒取っただけにとどめている。
 ラムダデルタはこう言ってます。「ベアトはあと数手でチェックメイトできる局面を作りつつ、わざと詰めない。勝ちが見えると遊びだすクセがある」
 この打ち方は確実に、ベアトリーチェの「遊び」です。

 言い換えると、
「犯人は5人を一気に殺そうとしたが、何か事情があって、2人しか殺せなかった」
 のです。
 その事情とは何か。それがたぶん、南條・熊沢殺しのトリックの核です。


 そして次の局面。
 取るべき駒は残り3個。
 厨房チームは、譲治、紗音、源次、郷田の4駒。

 この局面における、ラムダデルタ的「最善手」は、4駒ぜんぶを取ってしまうことです。
 一室に4人いて、うち3人だけ殺すのは難しいです。残った1人には顔バレしてしまうでしょうし。
 けれど、ベアトリーチェはなぜかそれをしない。
 取るべき駒は残り3駒だから、4人を1対3に分けて、3のほうだけを取る。

 これも遊びの一種なのか。
 べつに、杭のささった死体が5つと、杭のささってない死体が1つ転がっていてもかまわないんじゃないか。
 じっさい、ep1では、14人めを殺してるわけだし。
 どうしてもいやなら、よぶんな死体を1個、どっかに隠しちゃえばいい……。

 え?
 あっ。

 わかった。

 それで、南條・熊沢の死体を隠したんですね。

 つまり犯人は、厨房チームの4人を、1対3に分離できるかどうか、自信がなかった。
 もし、1対3分離に成功した場合。
 3人のほうだけを殺し、頭、胸、腹に杭を打つ。
 そして、南條と熊沢の死体に膝と足の杭を打って、生存者に発見させる。

 分離に成功しなかった場合。
 4人をまとめて殺し、頭、胸、腹、膝に杭を打つ。
 そして南條の足に杭を打って生存者に発見させ、熊沢の死体をどこかに隠蔽する。

 犯人/ベアトリーチェは、そんなことまでしてでも、碑文の13人殺しをきっちり成立させたいのだ。

 あー。そういえば、ラムダデルタがなんかそれっぽいことを言っていましたよ。
「ベアトリーチェはときどき手段と目的を間違える。その結果、自分で弱点をさらしてしまう」

 コレですよ。
 六軒島の人間を全滅させることが目的(推定)で、碑文になぞらえるのはその手段なのに、いつのまにか、碑文どおりにすることが目的であるかのように行動してしまう。
 可能なかぎり、6-2-5で13人ぴったり駒を取ろうとする。

 これは、ベアトリーチェ特有の「打ちグセ」とみていいでしょう。

 このクセを覚えておけば、特定の条件下で、ベアトリーチェがどんな駒の取り方をするか、読めるかもしれません。


 さて、この「打ちグセ」が判明したことは、我々にとって、大きなアドバンテージです。
 でも、ちょっとひっかかる。
 ラムダは「弱点」と言っていました。
 この程度のことが、「弱点」というほどのものかな?

 というか、あの、「鏡」が気になってしょうがないんです。

 鏡さえあれば……というのは、幻想シーンかもしれません。
 でも、幻想に見せかけておいて実は本当、のような気がして、しょうがないんです。
 たとえばこう考えてみましょう。
「ベアトリーチェは、どうしても13人ぴったりの見立て殺人を成立させたかった。そこで、自分の弱点をわざとさらし、餌としておびきだすことで、1対3の分離を成功させた」

 どうなのか、わかりません。
 何しろデータが少ない。4回中、1回しか出現していないレアイベントですから。
 こんなイベントが実在するのかもさだかでない。ましてや出現条件なんてしぼりこめやしない。

 けど、しぼりこめないからといって放置していたら、絶対に解けません。
 想像でも妄想でもいいから、とにかく何か仮定してみる。
 仮定したら、それを「正しい」と思い込む。
 思い込んだ状態で、他の事件とか、他の局面について考える。
 もし、矛盾につきあたったら、仮定したものをちょっと修正してみる。
 そうして、矛盾がない状態を作れたら、ほんとに採用する。

 これ、いちばんめんどくさいけど、いちばん確実な、パズルの解き方です。
「チェス盤をひっくりかえす」みたいな、一言で言えるナイスな表現があるとかっこいいんだけどなあ。
「境界条件ずらし」?
「数独思考」?

 で、とりあえず今は、特殊イベント「鏡」があると仮定して、その発生条件を、こんなふうに想像してみました。

・?「紗音」と「譲治」が両方生存した状態で第5の晩が終了すると、特殊イベント「鏡」が起動する?

(注:「鏡」についてはその後、別の説を思いついています→ 朱志香の喘息・鎮守の祠と鏡・ep5死体移動


●今回見つかったベアトリーチェの打ちグセ
・ベアトリーチェは、必要もないのに、碑文どおり13人ピッタリを殺してみせようとする。

●今回見つかった真相(らしきもの)
・ep2で犯人が南條と熊沢の死体を隠したのは、碑文どおり13人ぴったり殺したように見せかけるため。

●今回見つかった鍵穴
・ep2の厨房。5人の使用人のうち、犯人が南條と熊沢だけを殺した(他は殺さなかった)理由とは?

●今回推定した(?)駒の動き
・?「紗音」と「譲治」が両方生存した状態で第5の晩が終了すると、特殊イベント「鏡」が起動する?


 続き→ 駒の動きその6・盤面(III



■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■


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●盤面解析

 駒の動きその1・南條(大爆発説)
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 チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷
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