※初めての方はこちらもどうぞ→ ■うみねこ推理 目次■ ■トピック別 目次■
朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
筆者-初出●Townmemory -(2009/05/17(Sun) 23:41:05)
http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25209&no=3 (ミラー)
[Ep4当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
「ep4は親チームのドッキリではないか?」のあとに書かれたものですが、意味的に「総論2」なので、この位置に置くことにしました。
「譲治と紗音の黄金郷」という発想は、その後、すべてのイベントを説明するキーワードとなりました。
[注:Ep4時の推理です!]
発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。
以下が本文です。
☆
●家具の正体から
シエスタの姉妹兵がうさぎの楽団だということには、かなりの方が気づいてらっしゃると思います。
けど、謎というのは、その先にあるんだと私は思います。
縁寿は真里亞の魔道書のイラストをもとにしてさくたろやマモンを呼び出しました。
外見を知っているから、そういう外見のキャラクターを呼び出せるわけです。
では、
「うさぎ楽団をモデルにしてシエスタ姉妹を呼び出せるのは誰か」
すなわち、真里亞本人か、真里亞にうさぎの楽団を見せてもらったことがある人物、それがベアトリーチェの正体です。
いや、正確には、その人物が「ボトルメール」の作者ですね。
かなり限られると思います。
ロノウェの正体は源治、ワルギリアの正体はチヨ、という説も、有力になって久しいと思うのですが、正確には、「ロノウェのモデルが源治」「ワルギリアのモデルがチヨ」なのだろうと想像しました。
この作品のセリフに出てくる「家具」って、2とおりの意味があって、セリフだけではどちらの意味かわからないようになっているんですよね。それが一種の叙述トリックになっています。
・意味1:源次が言う「家具」。使用人の心得として、目立たず、粛々と、家具のように主に仕えるべし、という教えのこと。あるいは、その教えを忠実に守るよき使用人のこと。
・意味2:魔女が生み出した使い魔のこと。真里亞にとってのさくたろ(ぬいぐるみではなく幻想のほう)。
源治「我々は家具だ」
紗音「私は……家具だから」
嘉音「どうして僕は家具なんだ!」
ロノウェ「私はベアトリーチェさまの家具頭でございます」
と彼らが言うとき、「自分は忠実な使用人である」なのか、「自分はマジカルクリーチャーである」なのか、わからないようにしてあるのですね。
でも、我々はすでに、ぬいぐるみさくたろから、家具さくたろが生まれる課程を目の当たりにしています。
それをマリア卿や縁寿は「魔法」と呼んでいますが、「人間心理のはたらき」としてじゅうぶん説明できることです。
ならば、魔法生物としての「家具」は、人間心理のはたらきが生んだ架空の存在ということになります。
たとえば、まるで家具のように忠実に、主人に仕える源次の姿を見た誰かが、
「あーあ、私にもあんな忠実な執事がいたらなあ……」
と思った、その心のはたらきが、忠実なる執事ロノウェを生んだ。
そういうことだと考えるとしっくりきます。
熊沢チヨさんは魔女だ。おばあさんのフリをしているけれど、ほんとうはこんなかんじの銀髪の美女なんだ。
そう思いこんだ心のはたらきが、魔法の師匠ワルギリアになった。
(このへんは先の発言を参考にして下さい)
さて、ガァプ。
これは紗音をモデルにしたものでよろしいでしょう。
似ても似つかないですけど、紗音でいいんです。そう思います。説明できます。
ガァプは、ベアトリーチェの友達の悪魔だ、ということになっていますが、実質はベアトリーチェの家具なのでしょう。
ガァプはep4から突然登場しました。ep3まではいませんでした。
ep3終了までの間に、何か事件があって、ガァプというキャラが必要になったので、ベアトリーチェが魔法で急遽作り出したのだ、という仮定をしましょう。
そう考えると、ぴったり一致する事件があるんです。
ep2の貴賓室。まだ事件前でした。
紗音が、ベアトリーチェに言うのですよね。
「あなたなんか、知らない」
先の発言を参照して下さい。
これは、魔女が最も言われたくない言葉なんです。
私は、「私がここに存在する」と知っている。
あなたも、「私がここに存在する」と認めている。
だから私は存在できる。
私という魔女はここに存在できる。
「あなたなんか知らない」と言われたら、「私」は存在できなくなってしまうのです。
魔法なんてあるわけない。
おまえなんかいない。
おまえなんか実在しない。
そう言われてしまったら魔法は存在できない。魔女は存在できない。
私を否定したな!
私の魔法を否定したな!
あんたなんかいらない。
あんたなんかもう友達じゃない。
私にふさわしい友達は、紗音みたいに地味じゃないし、紗音みたいにひかえめじゃないし、紗音みたいに清らかじゃないし、紗音みたいに真面目じゃなくて、紗音みたいに退屈な女じゃないんだ!
そういう女を私は友達にする!
こうしてガァプが錬成されました。ガァプは、古い友達という「設定」で、ep3のゲームの「後に」生まれてきたものと考えるのが妥当です。
*
以上のような想像をベースにすると、「あなたなんか知らない」シーンって、思い出してみると、深いんです。
紗音と譲治は愛し合っている。それをハッキリと確かめられたから、ここで殺されてもさほどの悔いはない。そのようなことを言っていましたよね。
二人、とは、世界を構成する最小単位だ、というのは、どこに書いてあったのでしたっけ。
譲治が指輪を渡し、紗音が左薬指にそれを通した瞬間、二人は魔女になったのです。別の魔女同盟が成立したんです。
ベアトリーチェが「い」ると認め、マリアが「い」ると認めれば、さくたろが存在できます。
それと同じです。
譲治が紗音に愛してると言い、紗音がそれを認める。
紗音が譲治に愛してると言い、譲治がそれを認める。
この瞬間、視えもせず、さわれもしない「愛」というものが、たしかに存在するといえるのです!
譲治と紗音は、黄金郷を創造し、そこにたどりついたのです。
彼と彼女は、二人だけの世界で、二人だけの魔法を、好きなだけ使えるのです。
そんな紗音が、ベアトリーチェに向かって、
「あなたなんか知らない」
と言います。
それは、「私と彼の世界に、あなたなんて“い”ない」ということ。
あなたがいくら、自分はここにいる、と叫ぼうとも、私たちの世界はそれとは何の関係もなく続いていくわ。
魔女はこれにダメージを受けます。
紗音が主催する世界において、ベアトリーチェは魔女ではいられない。それどころか存在すらできない。
だから怒り、殺します。
ベアトリーチェとマリアの黄金郷に、さくたろは存在できません。
けれど縁寿とマリアが作り出す黄金郷には、さくたろは存在できるのです。
縁寿とマリアの黄金郷では、ベアトリーチェは魔法を使えない。
縁寿とマリアの黄金郷においては、ベアトリーチェはニセモノの魔女です。
*
そう、ベアトリーチェは紗音と譲治の黄金郷から追放された。
黄金郷は1人では創造できない。二人以上いないと作り出せない。
ベアトリーチェひとりでは、黄金郷にはたどりつけないということ。
黄金郷の創造方法は、すでに紗音と譲治が示しました。
ベアトリーチェが黄金郷に住まうためには、誰かがベアトリーチェを深く愛し、ベアトリーチェもその人を深く愛することが必要です。
言い換えれば、ベアトリーチェの思い人が、ベアトリーチェを好きになってくれること。
これが、「ベアトリーチェが黄金郷に連れて行ってくれる」の意味です。
そう、黄金郷では、失った愛すらも蘇らせる。そして魔女は永遠に眠るだろう。
ベアトリーチェがかつて失った愛は、黄金郷にて再び存在を認められるものとなり、そしてベアトリーチェは、「魔女ベアトリーチェ」ではなく本来の人間に戻る。
そう、「嘉音」だとか「ベアトリーチェ」だとかいう仮の名前ではなく、本当の名前を取り戻し、本当の自分として、愛する人と、愛し合うことになるだろう。私は私自身に戻る。安らかに眠れ最愛の魔女ベアトリーチェ。
*
さて、長々と書いて参りました。
いろんな事象を、きれいに説明できていると思います。
この説明において、島で魔女ベアトリーチェのように振る舞っている人物はいったい誰なのか。あてはまるのは朱志香なんです。
朱志香はかつて、戦人の愛を失ったことがあった。
戦人との間に黄金郷を築こうと思ったのに、戦人はそこから出て行ってしまった。
戦人は朱志香に対して、「あなたなんか、知らない」という行動をとった。
右代宮なんか知らない(おまえなんか知らない)。
俺はもう右代宮とは関係ない(おまえと俺は関係ない)。
俺は母方だけを自分の世界として生きる(俺の世界におまえなんかいない)。
愛がなければ黄金郷はない。
愛をとりもどしたい。そしてあなたと私の黄金郷にもどりたい。
あなたが私を愛してくれれば、私たちはあの日の黄金郷に戻れる。
黄金郷では失われた愛はよみがえり、私は殺人者ベアトリーチェなどにならなくてすむだろう。もう1人も殺さなくていいんだ。
これでだいたい、真相の半分くらいを説明できているのじゃないかな(言い当てているとは言わない)。
当たっているかはどうでもよくて、弾幕が美しいかどうかだ、と竜騎士07さんもインタビューでおっしゃっていますし。なのでなるべく美しい弾幕を用意してみました。いかがでしょうか。
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
■関連記事
●犯人特定
「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
サソリのお守りが効いた理由
ep4は親チームのドッキリではないか?
魔女が鏡に弱い理由
留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
「魔女の手紙」の取り出し方
●盤面解析
駒の動きその1・南條(大爆発説)
駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音
ルールXYZを指さそう
駒の動きその3・銃(とわたしはだあれ)
駒の動きその4・盤面(I)
駒の動きその5・盤面(II)
駒の動きその6・盤面(III)
チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷
朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
筆者-初出●Townmemory -(2009/05/17(Sun) 23:41:05)
http://naderika.com/Cgi/umi_log_cbbs/umi_logcbbs.cgi?mode=red2&namber=25209&no=3 (ミラー)
[Ep4当時に執筆されました]
●再掲にあたっての筆者注
「ep4は親チームのドッキリではないか?」のあとに書かれたものですが、意味的に「総論2」なので、この位置に置くことにしました。
「譲治と紗音の黄金郷」という発想は、その後、すべてのイベントを説明するキーワードとなりました。
[注:Ep4時の推理です!]
発想の根幹はここにある通りですが、考えを変えた部分もあります。各Ep推理や「サファイア・アキュゼイション」シリーズも併せてご覧下さい。
以下が本文です。
☆
●家具の正体から
シエスタの姉妹兵がうさぎの楽団だということには、かなりの方が気づいてらっしゃると思います。
けど、謎というのは、その先にあるんだと私は思います。
縁寿は真里亞の魔道書のイラストをもとにしてさくたろやマモンを呼び出しました。
外見を知っているから、そういう外見のキャラクターを呼び出せるわけです。
では、
「うさぎ楽団をモデルにしてシエスタ姉妹を呼び出せるのは誰か」
すなわち、真里亞本人か、真里亞にうさぎの楽団を見せてもらったことがある人物、それがベアトリーチェの正体です。
いや、正確には、その人物が「ボトルメール」の作者ですね。
かなり限られると思います。
ロノウェの正体は源治、ワルギリアの正体はチヨ、という説も、有力になって久しいと思うのですが、正確には、「ロノウェのモデルが源治」「ワルギリアのモデルがチヨ」なのだろうと想像しました。
この作品のセリフに出てくる「家具」って、2とおりの意味があって、セリフだけではどちらの意味かわからないようになっているんですよね。それが一種の叙述トリックになっています。
・意味1:源次が言う「家具」。使用人の心得として、目立たず、粛々と、家具のように主に仕えるべし、という教えのこと。あるいは、その教えを忠実に守るよき使用人のこと。
・意味2:魔女が生み出した使い魔のこと。真里亞にとってのさくたろ(ぬいぐるみではなく幻想のほう)。
源治「我々は家具だ」
紗音「私は……家具だから」
嘉音「どうして僕は家具なんだ!」
ロノウェ「私はベアトリーチェさまの家具頭でございます」
と彼らが言うとき、「自分は忠実な使用人である」なのか、「自分はマジカルクリーチャーである」なのか、わからないようにしてあるのですね。
でも、我々はすでに、ぬいぐるみさくたろから、家具さくたろが生まれる課程を目の当たりにしています。
それをマリア卿や縁寿は「魔法」と呼んでいますが、「人間心理のはたらき」としてじゅうぶん説明できることです。
ならば、魔法生物としての「家具」は、人間心理のはたらきが生んだ架空の存在ということになります。
たとえば、まるで家具のように忠実に、主人に仕える源次の姿を見た誰かが、
「あーあ、私にもあんな忠実な執事がいたらなあ……」
と思った、その心のはたらきが、忠実なる執事ロノウェを生んだ。
そういうことだと考えるとしっくりきます。
熊沢チヨさんは魔女だ。おばあさんのフリをしているけれど、ほんとうはこんなかんじの銀髪の美女なんだ。
そう思いこんだ心のはたらきが、魔法の師匠ワルギリアになった。
(このへんは先の発言を参考にして下さい)
さて、ガァプ。
これは紗音をモデルにしたものでよろしいでしょう。
似ても似つかないですけど、紗音でいいんです。そう思います。説明できます。
ガァプは、ベアトリーチェの友達の悪魔だ、ということになっていますが、実質はベアトリーチェの家具なのでしょう。
ガァプはep4から突然登場しました。ep3まではいませんでした。
ep3終了までの間に、何か事件があって、ガァプというキャラが必要になったので、ベアトリーチェが魔法で急遽作り出したのだ、という仮定をしましょう。
そう考えると、ぴったり一致する事件があるんです。
ep2の貴賓室。まだ事件前でした。
紗音が、ベアトリーチェに言うのですよね。
「あなたなんか、知らない」
先の発言を参照して下さい。
これは、魔女が最も言われたくない言葉なんです。
私は、「私がここに存在する」と知っている。
あなたも、「私がここに存在する」と認めている。
だから私は存在できる。
私という魔女はここに存在できる。
「あなたなんか知らない」と言われたら、「私」は存在できなくなってしまうのです。
魔法なんてあるわけない。
おまえなんかいない。
おまえなんか実在しない。
そう言われてしまったら魔法は存在できない。魔女は存在できない。
私を否定したな!
私の魔法を否定したな!
あんたなんかいらない。
あんたなんかもう友達じゃない。
私にふさわしい友達は、紗音みたいに地味じゃないし、紗音みたいにひかえめじゃないし、紗音みたいに清らかじゃないし、紗音みたいに真面目じゃなくて、紗音みたいに退屈な女じゃないんだ!
そういう女を私は友達にする!
こうしてガァプが錬成されました。ガァプは、古い友達という「設定」で、ep3のゲームの「後に」生まれてきたものと考えるのが妥当です。
*
以上のような想像をベースにすると、「あなたなんか知らない」シーンって、思い出してみると、深いんです。
紗音と譲治は愛し合っている。それをハッキリと確かめられたから、ここで殺されてもさほどの悔いはない。そのようなことを言っていましたよね。
二人、とは、世界を構成する最小単位だ、というのは、どこに書いてあったのでしたっけ。
譲治が指輪を渡し、紗音が左薬指にそれを通した瞬間、二人は魔女になったのです。別の魔女同盟が成立したんです。
ベアトリーチェが「い」ると認め、マリアが「い」ると認めれば、さくたろが存在できます。
それと同じです。
譲治が紗音に愛してると言い、紗音がそれを認める。
紗音が譲治に愛してると言い、譲治がそれを認める。
この瞬間、視えもせず、さわれもしない「愛」というものが、たしかに存在するといえるのです!
譲治と紗音は、黄金郷を創造し、そこにたどりついたのです。
彼と彼女は、二人だけの世界で、二人だけの魔法を、好きなだけ使えるのです。
そんな紗音が、ベアトリーチェに向かって、
「あなたなんか知らない」
と言います。
それは、「私と彼の世界に、あなたなんて“い”ない」ということ。
あなたがいくら、自分はここにいる、と叫ぼうとも、私たちの世界はそれとは何の関係もなく続いていくわ。
魔女はこれにダメージを受けます。
紗音が主催する世界において、ベアトリーチェは魔女ではいられない。それどころか存在すらできない。
だから怒り、殺します。
ベアトリーチェとマリアの黄金郷に、さくたろは存在できません。
けれど縁寿とマリアが作り出す黄金郷には、さくたろは存在できるのです。
縁寿とマリアの黄金郷では、ベアトリーチェは魔法を使えない。
縁寿とマリアの黄金郷においては、ベアトリーチェはニセモノの魔女です。
*
そう、ベアトリーチェは紗音と譲治の黄金郷から追放された。
黄金郷は1人では創造できない。二人以上いないと作り出せない。
ベアトリーチェひとりでは、黄金郷にはたどりつけないということ。
黄金郷の創造方法は、すでに紗音と譲治が示しました。
ベアトリーチェが黄金郷に住まうためには、誰かがベアトリーチェを深く愛し、ベアトリーチェもその人を深く愛することが必要です。
言い換えれば、ベアトリーチェの思い人が、ベアトリーチェを好きになってくれること。
これが、「ベアトリーチェが黄金郷に連れて行ってくれる」の意味です。
そう、黄金郷では、失った愛すらも蘇らせる。そして魔女は永遠に眠るだろう。
ベアトリーチェがかつて失った愛は、黄金郷にて再び存在を認められるものとなり、そしてベアトリーチェは、「魔女ベアトリーチェ」ではなく本来の人間に戻る。
そう、「嘉音」だとか「ベアトリーチェ」だとかいう仮の名前ではなく、本当の名前を取り戻し、本当の自分として、愛する人と、愛し合うことになるだろう。私は私自身に戻る。安らかに眠れ最愛の魔女ベアトリーチェ。
*
さて、長々と書いて参りました。
いろんな事象を、きれいに説明できていると思います。
この説明において、島で魔女ベアトリーチェのように振る舞っている人物はいったい誰なのか。あてはまるのは朱志香なんです。
朱志香はかつて、戦人の愛を失ったことがあった。
戦人との間に黄金郷を築こうと思ったのに、戦人はそこから出て行ってしまった。
戦人は朱志香に対して、「あなたなんか、知らない」という行動をとった。
右代宮なんか知らない(おまえなんか知らない)。
俺はもう右代宮とは関係ない(おまえと俺は関係ない)。
俺は母方だけを自分の世界として生きる(俺の世界におまえなんかいない)。
愛がなければ黄金郷はない。
愛をとりもどしたい。そしてあなたと私の黄金郷にもどりたい。
あなたが私を愛してくれれば、私たちはあの日の黄金郷に戻れる。
黄金郷では失われた愛はよみがえり、私は殺人者ベアトリーチェなどにならなくてすむだろう。もう1人も殺さなくていいんだ。
これでだいたい、真相の半分くらいを説明できているのじゃないかな(言い当てているとは言わない)。
当たっているかはどうでもよくて、弾幕が美しいかどうかだ、と竜騎士07さんもインタビューでおっしゃっていますし。なのでなるべく美しい弾幕を用意してみました。いかがでしょうか。
■目次1(犯人・ルール・各Ep)■
■目次2(カケラ世界・赤字・勝利条件)■
■目次(全記事)■
■関連記事
●犯人特定
「朱志香=ベアトリーチェ」説・総論
朱志香説総論その2・家具の正体と黄金郷の正体
サソリのお守りが効いた理由
ep4は親チームのドッキリではないか?
魔女が鏡に弱い理由
留弗夫「俺は殺される」と「07151129」
「魔女の手紙」の取り出し方
●盤面解析
駒の動きその1・南條(大爆発説)
駒の動きその2・戦人、真里亞、嘉音
ルールXYZを指さそう
駒の動きその3・銃(とわたしはだあれ)
駒の動きその4・盤面(I)
駒の動きその5・盤面(II)
駒の動きその6・盤面(III)
チェックメイト――黄金郷再び・金蔵翁の黄金郷
1,魔法の顕現について
お互いに信じる(愛する)ことが出来れば、魔法は存在する。そうおもいます。ただ、それでは全員の前で顕現できることは説明できるのでしょうか。
ロノウェを信じる二人の前でロノウェが。
さくたろうを信じる二人の前にさくたろうが。
これはわかりますが、
いろんな人のそれぞれに存在する黄金郷では、
信じられているモノがそれぞれ違うはずです。
私は、魔法(解釈を自由にする力)を信じるだれかが、一連の事件の描写(解釈)を行い、その【個人主催】(中心の)の黄金郷へ招こうとしているのではないかと思います。
追伸、二人が最小単位の話は、ep4で。マリアとベアトの黄金郷へ乗り込んだエンジェとの会話ですね。
「世界の最小単位」のこと、ご指摘ありがとうございます。忘れてました。エンジェがいったんでしたっけ? マリアのほうでしたっけ。
お気づきになったかもしれませんが、ロノウェとか魔法は、全員の前で顕現しているとはかぎりません。誰かが主観的に顕現させてるだけで、他の人には見えてなくてもいいんです。
けれど縁寿とマリアが作り出す黄金郷には、さくたろは存在できるのです。
縁寿とマリアの黄金郷では、ベアトリーチェは魔法を使えない。
縁寿とマリアの黄金郷においては、ベアトリーチェはニセモノの魔女です。
1、ベアトはさくたろうを蘇らせることが出来た。
しかし真里亞には視えなかった。
縁寿はさくたろうを蘇らせることが出来た。
真里亞はさくたろうを視ることが出来た。
さくたろうの存在を認めなかったのは、真里亞自身ではなかったのでしょうか?
ベアトも縁寿もさくたろうを認めていたはず。
なのになぜ縁寿だけ蘇らせることが出来たのか。
2、黄金郷に関しての解釈は自分とだいたい同じです。
縁寿と真里亞の黄金郷があったのかもしれません。
しかし、あの場所はもともとベアトの黄金郷。
壊れたのは真里亞がいなくなってからではないのでしょうか?
自分が言いたいのは、ベアトの黄金郷の中で創り出された縁寿と真里亞の黄金郷で何故縁寿は赤字を切り抜けて魔法を使えたのか。
>なのになぜ縁寿だけ蘇らせることが出来たのか。
「さくたろうは死んでない(生き返った)」という「未来の真実」を縁寿が持ってきたから。これでいいと思います。
「さくたろうは死んじゃった」というマリアの中の真実を、ベアトリーチェは上書きできません。ベアトリーチェは1986年までの真実しか持っておらず、1986年当時には、「さくたろうはたったひとつのぬいぐるみだった」が真実だったからです。
けど、1986年以降、なんらかの理由で、2個目以降のさくたろうが製造されたのでしょう。1998年の段階では、「さくたろうは唯一のぬいぐるみではない」が真実になりました。よって彼女は、「さくたろうは生き返ったのよ」という真実を、マリアに上書きすることができます。
未来の真実は過去の真実にまさる、ということで、ベアトリーチェは縁寿から後期クイーン問題をぶつけられたといえます。
>自分が言いたいのは、ベアトの黄金郷の中で創り出された縁寿と真里亞の黄金郷で何故縁寿は赤字を切り抜けて魔法を使えたのか。
黄金郷は、そういう特定の場所があるのではなく、「自分と相手との関係性」のことだと思うのです。3人がいるのだから、そこがベアトとマリアの黄金郷でありながら、同時にマリアと縁寿の黄金郷であっても、おかしくはないという考えです。