自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

閏日のあった2016年を送る

2016年12月31日 10時17分50秒 | コラム

 今年は一日多い丙申の年だったのだが、古の人たちは、十干十二支の組み合わせで事足りる人生を送っていられた、つまり60年を生き続けることは多くの人にとっては不可能だったのだろう。それ故に還暦の祝いが長寿の証だったのだと思う。60年ごとにやってくる丙申の年、辛酉の年は何か大きな出来事が起きる年と信じられてきた。どちらかというと,丙申の年は良いことが,辛酉の年は大変革、凶事がと信じられていたので,辛酉の年には度々改元がなされていたし、西暦601年が辛酉の年であったので,めでたい数字、3と7の倍数21に60を掛けた1260年前の初代神武天皇が即位したとの仮説に基づいて、1941年、大々的に”紀元は2600年の式典”を挙行した。その年の12月、この国を不幸のどん底に落とすこととなった,対米英戦争を発動したのだが、、、、。

 この年の世界的大変事は,冷戦終了後、世界の警察官の役割を果たして来たと豪語するアメリカの大統領選挙で、当初は泡沫候補、あれよあれよと共和党の候補に選出され、選挙前の大多数のメディアが民主党のクリントンの優勢、勝利を断定する中で,トランプ氏が大統領に選出されたことであろう。アメリカの庇護下にあればこの国は安泰と考えるこの国の支配層は,その軽い御輿を大統領選挙前なのに一方の代表に挨拶に出向かせ,PTTの批准、その他宗主国の意向に沿った国造りを約束したのだが、、、、。押っ取り刀でトランプタワーの出向き、トランプつぶしに残された期間を必死にもがいている大統領と真珠湾の慰霊に出向くこの国の宰相、厚顔無恥の見本である。

 新しい年、2017年は人類にとって偉大な年になるか,破滅の年になるかのいずれかになるであろう。つまり第三次世界大戦が人類を滅ぼすか,人類が戦争を滅ぼせるかの瀬戸際の年と言えるだろう。真珠湾での”不戦の誓い”は日米不再戦の誓いに過ぎないし,日米共同して戦うという意思表示に過ぎない。

  アメリカンドリームの体現者でもあるトランプ次期大統領、1月20日には正式に大統領に就任する。再び良きアメリカを取り戻すことが出来るだろうか、、、。”世界の警察官は止める”の彼の言には大賛成であるが、、、。WASP,つまり、白人、アングロサクソン、プロテスタント、が1776年新しい独立を果たしたUSAの基本政治勢力であった。奴隷解放やジヤッキー、ロビンソンの大リーガー、等,紆余曲折を経ながら,アメリカンドリームが実現できる理想の国、アメリカとの神話が信じられる時代が永く続いた。

 もの作りが中心の産業資本主義は善であったと言えるが、金作りの金融資本主義となると別物である。青木勇二氏が”腐れ資本主義”と喝破したのだが、、、。軍人であったアイゼンハウワー大統領が辞任演説で,軍産複合体に危険性を指摘したのだが、WASPではなかった,カソリックのケネディ大統領は平和共存を目指し,暗殺された。ケネディの再来かと言われ。”チェンジ”で大統領に選出されたオバマは,黒人の血を引く大統領であり,まさにアメリカンドリームを実現する人物として期待された。4年間の失望が、”ウォール街の占拠”となったし,さらに4年後が,サンダース旋風となったのだろう。ノーベル平和賞を受賞して,核廃絶の兆しもなく、まもなく退任するオバマ氏だが、何を血迷ったか,トランプ選出の裏に,ロシアありとして、一時代前なら戦争になりかねない,ロシアの外交官の国外追放を決定するなど,不安が忍び寄りかねない新しい年を迎える歳末である。


戦争をしない世を目指して、、、

2016年12月08日 08時34分10秒 | コラム

 戦争を体験した世代がいなくなると次の戦争の危険が増してくる。今、この国がそんな危険性にさらされている。誰もが戦争を望んでいるわけがないのに、”正義の戦争、テロとの戦い”を声高に主張し,宣戦布告なしに戦争を続けている超大国,地域の安定のために,その超大国との軍事同盟がこの国の基準と宣う政府首脳。その憲法違反を容認する世相、今一度、日本国憲法第9条と前文,そして最高法規と記されている99条を読んで考えないと,政府の行為によって再び戦争の惨禍を受けないとは限らない。

 75年前の12月8日は,時の政府が対米英戦争を始めた日である。孫子の兵法を学んでるはずの時の軍首脳は,なぜ自殺行為に突っ走ったのであろうか、、、。初戦の大戦果に湧き上がる有様は,この国の民衆の御しやすい体質を表しているのかもしれない。戦況が不利になっても、”欲しがりません勝つまでは”のスローガンに呼応し,お寺の釣り鐘や学生服の金ボタンまで供出し戦争に協力した。その精神構造の原点は,日清戦争での賠償金、当時の国家予算の三倍,そして台湾の割譲での”戦争は儲かる”ではないのだろうか、、、。それ故に,より多くの利が望めなかったポーツマス条約反対の日比谷焼き討ちが起きたし,朝鮮併合、満州国建国もこの国の民衆は大歓迎した。日露戦争に反戦論と唱えた平民新聞、与謝野晶子の”君死にたもう事なかれ”、や朝鮮併合時の啄木の”地図上の朝鮮国に黒々と墨を塗りつつ秋風を聞く”等があることは唯一の救いでもある。自らの手で治安維持法違反で(戦争に反対、疑問を持った人たち)戦中牢獄にあった人たちを、”日本のバスチーユ”で釈放し,その人達が中心で戦後の国造りが出来なかったのが今のこの国の為体に繋がっていたとしても、”真理は最初は少数である”を信じて生きていくしかないであろう。

 人類が今後歩むべき道を見定めるために,これまでに人類の過ちを見つめる必要がある。第二次世界大戦後、人類の最大の過ちは冷戦の発動だ。先進資本主義国(米、英、仏)vs後進資本主義国(独、伊、日)との縄張り争いが大戦の原因であり、第一次世界大戦後成立した社会主義国,ソビエトは両陣営から敵視されていたが、“ファシズムとの勝利のためには悪魔とも手をつなぐ”とのイギリスのチャーチル、”社会主義は競争相手であるが、敵ではない、敵はファシズムである”とのルーズベルト、それがあっての、”エルベの誓”であったし、大戦を早く終結させるためのヤルタ会談での密約(ソビエトの対日参戦)であった。

 第二次大戦後、植民地となっていたアジア、アフリカで独立の気運が高まり、ソビエト軍により解放された東ヨーロッパの国々にソビエトの影響が及ぶようになり,イギリスのチャーチルは、”悪魔”退治の第3次世界大戦を真剣に考えた様だが、、、、、。ロシア革命の指導者レーニンは、”将来は資本主義と社会主義は互いの長所を取り入れ似た様なものになる。”と主張したように、大戦後独立を果たした国々が国民の生活安定のために、当初はより無駄の少ないと考えられていた”社会主義経済”を選んだとしても,ドミノ理論をかざしての干渉戦争,さらに冷戦を発動すべきではなかった。レーニンの指摘の正しさは。今の中国、ベトナムを見れば一目瞭然である。

 冷戦でどれほどの人類の富が費やされたことか,そして今後も”不祥の器”を保持し続けることにより,どれだけ、将来の人類の富が失われるのだろうか、、、、。冷戦の片棒を担ぎ利を出し続けた軍産共同体にとって、冷戦終結後は、”テロとの戦い”が必要なのだろう。     そういえば日米戦争のきっかけとなった真珠湾の攻撃、その真珠湾を訪問し,日米和解、さらなる同盟関係を定める狙いの土下座外交をやるようだが,官房長官は,謝罪の旅ではないと強調している。以前のコラムで、”日本がアメリカに謝罪すべき唯一の日、12月8日”そして”アメリカが日本に謝罪する多くのこと、、、”で述べたのだが、、、、。この国の美徳(相手に誤解されないとも限らないが、、、)である先に謝ることが大切である。そうすれば、アメリカの過ち、ソビエトの対日参戦の代償として千島列島の領有を認めたこと,これは第一次大戦後アメリカが主張しほぼ原則となった無賠償、無併合の方針に反する。さらに、東京大空襲、ヒロシマ、ナガサキでの一般民衆の虐殺等をアメリカに謝罪させる必要がある。互いの心からの謝罪があって実現するのが真の和解である。、

` アメリカとの交渉の切り札は憲法9条である。朝鮮戦争さなか、押しつけられて発足し,現在アメリカの傭兵化しつつある”自衛隊”は憲法9条から離脱してはいけない。よく訓練された若者を、”人殺し”ではなく”人活かし”に編成替えし海外にも派遣すべきだ。新しい駆けつけ警護のまやかしを用いることなく,銃の代わりに注射器を,戦車の代わりにブルドーザーやトラックターを持参してアフリカでも,中東でも派遣して平和の構築に寄与することだ。