今年は一日多い丙申の年だったのだが、古の人たちは、十干十二支の組み合わせで事足りる人生を送っていられた、つまり60年を生き続けることは多くの人にとっては不可能だったのだろう。それ故に還暦の祝いが長寿の証だったのだと思う。60年ごとにやってくる丙申の年、辛酉の年は何か大きな出来事が起きる年と信じられてきた。どちらかというと,丙申の年は良いことが,辛酉の年は大変革、凶事がと信じられていたので,辛酉の年には度々改元がなされていたし、西暦601年が辛酉の年であったので,めでたい数字、3と7の倍数21に60を掛けた1260年前の初代神武天皇が即位したとの仮説に基づいて、1941年、大々的に”紀元は2600年の式典”を挙行した。その年の12月、この国を不幸のどん底に落とすこととなった,対米英戦争を発動したのだが、、、、。
この年の世界的大変事は,冷戦終了後、世界の警察官の役割を果たして来たと豪語するアメリカの大統領選挙で、当初は泡沫候補、あれよあれよと共和党の候補に選出され、選挙前の大多数のメディアが民主党のクリントンの優勢、勝利を断定する中で,トランプ氏が大統領に選出されたことであろう。アメリカの庇護下にあればこの国は安泰と考えるこの国の支配層は,その軽い御輿を大統領選挙前なのに一方の代表に挨拶に出向かせ,PTTの批准、その他宗主国の意向に沿った国造りを約束したのだが、、、、。押っ取り刀でトランプタワーの出向き、トランプつぶしに残された期間を必死にもがいている大統領と真珠湾の慰霊に出向くこの国の宰相、厚顔無恥の見本である。
新しい年、2017年は人類にとって偉大な年になるか,破滅の年になるかのいずれかになるであろう。つまり第三次世界大戦が人類を滅ぼすか,人類が戦争を滅ぼせるかの瀬戸際の年と言えるだろう。真珠湾での”不戦の誓い”は日米不再戦の誓いに過ぎないし,日米共同して戦うという意思表示に過ぎない。
アメリカンドリームの体現者でもあるトランプ次期大統領、1月20日には正式に大統領に就任する。再び良きアメリカを取り戻すことが出来るだろうか、、、。”世界の警察官は止める”の彼の言には大賛成であるが、、、。WASP,つまり、白人、アングロサクソン、プロテスタント、が1776年新しい独立を果たしたUSAの基本政治勢力であった。奴隷解放やジヤッキー、ロビンソンの大リーガー、等,紆余曲折を経ながら,アメリカンドリームが実現できる理想の国、アメリカとの神話が信じられる時代が永く続いた。
もの作りが中心の産業資本主義は善であったと言えるが、金作りの金融資本主義となると別物である。青木勇二氏が”腐れ資本主義”と喝破したのだが、、、。軍人であったアイゼンハウワー大統領が辞任演説で,軍産複合体に危険性を指摘したのだが、WASPではなかった,カソリックのケネディ大統領は平和共存を目指し,暗殺された。ケネディの再来かと言われ。”チェンジ”で大統領に選出されたオバマは,黒人の血を引く大統領であり,まさにアメリカンドリームを実現する人物として期待された。4年間の失望が、”ウォール街の占拠”となったし,さらに4年後が,サンダース旋風となったのだろう。ノーベル平和賞を受賞して,核廃絶の兆しもなく、まもなく退任するオバマ氏だが、何を血迷ったか,トランプ選出の裏に,ロシアありとして、一時代前なら戦争になりかねない,ロシアの外交官の国外追放を決定するなど,不安が忍び寄りかねない新しい年を迎える歳末である。