<Solo Voce>
SV 8553203 2枚組 \4050
ヴェルディ:「トラヴィアータ」
ダニエラ・デッシ(S ヴィオレッタ)
ファビオ・アルミリアート(T アルフレード・ジェルモン)
クラウディオ・スグーラ(Br ジョルジョ・ジェルモン)
アンヌンツィアータ・ヴェストリ(S フローラ)
キアーラ・ピエレッティ(Ms アンニーナ)
ルカ・コザリン(T ガストーネ)
マルコ・カマストロ(Br ドゥフォール男爵)
アンドレア・カステッロ(Bs ドビニー伯爵)
アンジェロ・ナルディノッキ(Bs 医師グランヴィル)
ジョセプ・ルイス(T ジュゼッペ)
フローラの侍従(Bs アフルレード・ステファネッリ)
グラツィアーノ・ダッラヴァッレ(Bs 使者)
ジョン・ネシュリング(指)
パルマ・レージョ劇場管弦楽団,ピアチェンツァ市立劇場合唱団
録音:2010年1月,パルマ
今イタリアオペラ界で一番熱いコンビ、ダニエラ・デッシとファビオ・アルミ
リアートがヴェルディの「トラヴィアータ」を録音、しかもライヴではなく
セッション録音です。デッシのスケールの大きな歌と、アルミリアートの体当
たり的な歌がよく噛み合っています。もう一人の注目はジェルモンのクラウ
ディオ・スグーラ。1974年、南イタリア、ブリンディジ生まれ。まだ30代半ば
ですが、若い世代のイタリア人のヴェルディ・バリトンとして非常に高い注目
を浴びており、この10月にはパルマのヴェルディ・フェスティヴァルで「トロ
ヴァトーレ」のルーナ伯爵を歌っています。指揮は、サンパウロ交響楽団の音
楽監督として大きな話題を振りまいたジョン・ネシュリング。細かい部分にま
で目を配った音楽作りで、ヴェルディのこの作品への思い入れを引っ張り出し
ています。ノーカットの演奏で、通常短縮されがちな第2幕のアルフレードの
アリア、ジェルモンのアリアもカットなし。たっぷりお楽しみください。
<Glyndebourne>
GFOCD 009 2枚組 \3780
ベッリーニ:「清教徒」
ジョーン・サザランド(S エルヴィーラ)
ニコラ・フィラクリディ(T アルトゥーロ)
エルネスト・ブラン(Br リッカルド)
ジュゼッペ・モデスティ(Bs ジョルジョ)
モニカ・シンクレア(Ms エンリケッタ)
デイヴィッド・ウォード(Bs グワルティエーロ)
ジョン・ケンティッシュ(T ブルーノ)
ヴォットリオ・グイ(指)ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,
グラインドボーン合唱団
録音:1960年6月5日,グラインドボーン
2010年10月10日、オーストラリア出身の大プリマドンナ、ジョーン・サザラン
ドが83歳で亡くなりました。このGlyndebourneレーベルから発売される「清教
徒」は、奇しくも追悼盤となってしまいました。
サザーランドは1959年にコヴェントガーデン王立歌劇場で歌った「ルチア」が
大成功を収め、折りしも復活機運の高まっていたドニゼッティ、ベッリーニの
オペラ上演の最前線へと躍り出ました。この「ルチア」の翌年にグラインドボ
ーン音楽祭に出演、ベッリーニの「清教徒」を歌いました。英国で「清教徒」
が上演されたのは1887年以来実に73年ぶりのこと、またサザランドにとっても
エルヴィーラを歌うのはこれが初めて。しかし彼女の軽々と転がるコロラトゥ
ーラ、高い音までムラなく輝かしく響く美声、初々しくひたむきな演技で、公
演は大成功に終わりました。この録音で聞けるサザランドは、後に大プリマド
ンナになったサザランドよりもずっと若々しく素直な歌で、これもまた魅力的
です。このグラインドボーンのプロダクションは、歌手もそのままに9月にそ
のままエジンバラ音楽祭でも上演、サザランドの名声はさらに高まり、1964年
にはついに王立歌劇場でも「清教徒」がサザランドのエルヴィーラで上演され
ました。こうして「清教徒」は、「ルチア」と並んで、1960年代のサザランド
を代表するオペラになりました。
リッカルドをフランスの偉大なバリトン、エルネスト・ブランが歌って大きな
存在感を示しています。アルトゥーロのニコラ・フィラクリディはエジプト生
まれのイタリア人テノール。録音が極めて少なく、日本ではほとんど無名です
が、美声かつ情熱的な歌い口のテノール。高い音はあらかた省いているとはい
え、十分素敵なアルトゥーロです。また名脇役として知られたイタリアのバス、
ジュゼッペ・モデスティや、広大なレパートリーを誇った英国の名コントラル
ト、モニカ・シンクレアなど、脇に至るまで優れたキャストが配されています。
そしてグラインドボーン音楽祭の中興の祖である音楽監督ヴィットリオ・グイ
が、ベッリーニのツボを心得た素晴らしくイタリアンな音楽を引き出していま
す。初期のサザランドでも特に重要な公演のこのライヴ録音は、海賊盤でも出
回った形跡がありません(エジンバラ公演の抜粋が海賊CDになったのみ)。20世
紀の偉大な名歌手を偲ぶ貴重な録音をお楽しみください!
<EUROARTS>
20 57638(DVD-Video) \2900
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.22 *
ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ ハ短調K.11(アンコール) *
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
イエフィム・ブロンフマン(P) *
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クルト・ザンデルリング(指)
収録:1992年6月8日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
1912年生まれ、惜しまれつつ2002年に指揮活動から引退した最後の巨匠クルト
・ザンデルリングが、ベルリン・フィルを指揮して、チャイコフスキーの第4
交響曲を演奏したコンサートのライヴ映像作品が登場。
ザンデルリングはプロイセンに生まれながら、ナチスによる反ユダヤ政策を逃
れて1936年にロシアに移り、1936年から1941年にかけてモスクワ放送響の指揮
者、1941年から1960年までムラヴィンスキー率いるレニングラード・フィルの
第2指揮者を歴任しています。戦後の1960年に東ドイツに戻ると、創設まもな
いベルリン交響楽団(現在のベルリン・コンツェルトハウス管)の首席指揮者を
1977年まで務め、同楽団の育成に尽力、その間1964年から1967年にかけてシュ
ターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者も務めています。西のベルリン・フィ
ルは、東のベルリン響とは壁を挟んでいわばライバル関係にあったため、長ら
くザンデルリングとの共演機会は限られたものでしたが、これまでに紹介され
たショスタコーヴィチなどの演奏はいずれも、ザンデルリングの巨匠芸とベル
リン・フィルの圧倒的なヴィルトゥオジティとが完全に融合した破格の名演と
して高い評価を得ていたことから、初のソフト化となるこのたびのチャイコフ
スキーもおおいに注目されるところです。
20 58148(DVD-Video) \2900
「グスタフ・マーラー・セレブレーション」
マーラー:
交響曲第2番第1楽章「葬送」
ラインの伝説(「子供の不思議な角笛」より)
朝の野辺を歩けば(「さすらう若人の歌」より)
交響曲第2番第4楽章:「原光」
私はほのかな香りを吸い込んだ(「リュッケルトの5つの歌曲」より)
死せる鼓手(「子供の不思議な角笛」より)
3人の天使が歌っていた(「子供の不思議な角笛」より)
私はこの世に忘れられ(「リュッケルトの5つの歌曲」より)
不幸な時の慰め(「子供の不思議な角笛」より)
交響曲第2番終結部
トーマス・ハンプソン(Br)
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms)
マリタ・スールベルグ(S)
プラハ・フィルハーモニー合唱団
ボニ・プエリ(チェコ少年合唱団)
マンフレート・ホーネック(指)
マーラー・チェンバー・オーケストラ
収録:2010年7月7日チェコ、カリシュチェ村(ライヴ)
2010年はちょうどマーラーの生誕150周年に当たるということで、各地でさま
ざまなコンサートが盛んにおこなわれていますが、マーラーの誕生日に合わせ
て7月7日に生地でおこなわれたユニークな野外演奏会の模様を収めた映像作品
がリリースされます。
このたびのコンサートの舞台であるチェコの小村カリシュチェ(ボヘミアのカ
リシュト)こそ、1860年7月7日にほかならぬマーラーが生まれた場所。夕暮れ
時からスタートしたコンサート映像に時折差し挟まれるのどかな田園風景から
は、マーラー作品に流れる牧歌的なムードを感じとることができます。
<HELICON>
HEL 029632 \2080
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 ホ短調 op.95
R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき op.30
ズービン・メータ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
「新世界」の冒頭もかっ飛ばすのではなく、弦の細かな刻み、様々な楽器間で
の旋律の受け渡し、すべてが実に丁寧。終楽章の弦楽器のリズムの食いつきも
絶妙で、メータとオケの間の意思疎通が完璧なものであることをうかがわせま
す。有名な旋律では、ところどころに隠し味的にちりばめられた微妙なポルタ
メントが印象的に響きます。R.シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語り
き」は、まさに期待通りの壮大な演奏。華麗にオーケストラが鳴り響きます。
メータの一挙手一投足にオケが実に敏感に反応しているのがうかがわれる力演
です。室内楽風の場面では、弦楽器のメンバーの巧さが際立ちます。
HEL 029631 \2080
モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調「プラハ」K.504(録音:2010年1月)
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」D.944(録音:2006年11月)
ズービン・メータ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
(ライヴ録音)
「プラハ」の序曲を思わせる出だし、「グレイト」の有名な冒頭、一切の小細
工なしに主題をひとつひとつ丁寧に提示させるところなど、メータのオケの誠
実かつ真摯な仕事ぶりが実に光る演奏です。「グレイト」の終楽章も、絶妙の
テンポとリズムで楽しませてくれます。
HEL 029633 \2080
ハイドン:交響曲第88番 ト長調
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 「悲愴」op.74
クルト・マズア(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2008年6月(ライヴ)
ハイドンでは、朗々と鳴り響き、気高さも兼ね備えた演奏にハッとさせられま
す。終楽章での滑舌のよい語り口は小気味よい仕上がり。「悲愴」は歌心に溢
れています。各メロディー、各フレーズの中での絶妙なデュナーミクと独特の
「溜め」は見事。マズアの思い入れをオーケストラがよく汲み取った秀演とな
っています。
<TALKINGHOUSE>
クロノス・クァルテットの創設メンバーだったチェリスト、ジョーン・ジャン
ルノーのソロ・アルバムをリリースするレーベルです。
=私が初めてチェロを手にしたのは、他の10人の子供たちがヴァイオリンを奏
でている教室でした。この日から、私はチェリストになる、そしてアンサンブ
ル奏者になるのだと思い込んでいました。20年にわたるカルテット活動を終え
て、スタジオでチェロと一人で向き合ってみることにしました。電子やループ
を試してみて、大きな音を作り出すことにこう見がわいてきました。そして、
すべて自分で監修した音とアンサンブルを組んでみようと思ったのです。電子
音のほかに、自然音、語り、珍しい楽器などの様々な音を求めて世界を旅しま
した。このディスクは、過去7年にわたる私の探求の結晶です。=
THR 0806 \1780
ストレンジ・トイズ
(1)スリング・ショット (2)AXIS(チェロと効果音のための)
(3)カレイドスコープ
(4)トランジション(2つのチェロと2つのヴィオラ・ダ・ガンバのための)
(5)戦いのタグ
(6)ダルヴィッシュ(イスラム教の禁欲苦行派の修道僧。スーフィー)
(7)インクのしみ-チェロのための (8)青い凧 (9)自由 (10)ウェイティング
(11)雨の子 (12)エア&エンジェルズ (13)ヴァーモント・ルールズ
(14)トロットラ
ジョーン・ジャンルノー(チェロ)
プロデューサー:PCムニョス
オリエンタルな味わいとミニマルな味わい、そしてところどころに電子音の
パンチも効いた刺激的な1枚。6曲目のダルヴィッシュは、イスラム教の禁欲
苦行派の僧で、白いスカート状の衣服を身にまとい、くるくると回り続ける
儀式で知られる僧をモデルにした曲。目を閉じるとトランス状態になりそう
な不思議な作品です。民族楽器などの音色もすべて効果的に用いられていま
す。すべての曲がミニマリズム風味、オリエンタル風味、様々な魅力にあふ
れた楽曲たちを、パンチの効いた確かな語り口のチェロで、本格的に楽しむ
ことができます。完全なる電子の世界
0610074243854 \1780
POP-POP
(1)33 1/3 (2)ノイズ (3)レイモンドはどこ? (4)パナマ運河
(5)REVEILLE (6)スネイク (7)ヘリコプター (8)ホッパー
(9)ダイヴ (10)フリークビート
ジョーン・ジャンルノー(チェロ)
PCムニョス(電子ドラム、ドラム、打楽器)
こちらは完全に電子音楽系。チェロも電子チェロを弾いていると思われ、モワ
モワした独特の音色など様々な音が聴こえます。ジョーンの腕が確かなので、
電子チェロでも非常にクラシカルに響くから不思議です。
SV 8553203 2枚組 \4050
ヴェルディ:「トラヴィアータ」
ダニエラ・デッシ(S ヴィオレッタ)
ファビオ・アルミリアート(T アルフレード・ジェルモン)
クラウディオ・スグーラ(Br ジョルジョ・ジェルモン)
アンヌンツィアータ・ヴェストリ(S フローラ)
キアーラ・ピエレッティ(Ms アンニーナ)
ルカ・コザリン(T ガストーネ)
マルコ・カマストロ(Br ドゥフォール男爵)
アンドレア・カステッロ(Bs ドビニー伯爵)
アンジェロ・ナルディノッキ(Bs 医師グランヴィル)
ジョセプ・ルイス(T ジュゼッペ)
フローラの侍従(Bs アフルレード・ステファネッリ)
グラツィアーノ・ダッラヴァッレ(Bs 使者)
ジョン・ネシュリング(指)
パルマ・レージョ劇場管弦楽団,ピアチェンツァ市立劇場合唱団
録音:2010年1月,パルマ
今イタリアオペラ界で一番熱いコンビ、ダニエラ・デッシとファビオ・アルミ
リアートがヴェルディの「トラヴィアータ」を録音、しかもライヴではなく
セッション録音です。デッシのスケールの大きな歌と、アルミリアートの体当
たり的な歌がよく噛み合っています。もう一人の注目はジェルモンのクラウ
ディオ・スグーラ。1974年、南イタリア、ブリンディジ生まれ。まだ30代半ば
ですが、若い世代のイタリア人のヴェルディ・バリトンとして非常に高い注目
を浴びており、この10月にはパルマのヴェルディ・フェスティヴァルで「トロ
ヴァトーレ」のルーナ伯爵を歌っています。指揮は、サンパウロ交響楽団の音
楽監督として大きな話題を振りまいたジョン・ネシュリング。細かい部分にま
で目を配った音楽作りで、ヴェルディのこの作品への思い入れを引っ張り出し
ています。ノーカットの演奏で、通常短縮されがちな第2幕のアルフレードの
アリア、ジェルモンのアリアもカットなし。たっぷりお楽しみください。
<Glyndebourne>
GFOCD 009 2枚組 \3780
ベッリーニ:「清教徒」
ジョーン・サザランド(S エルヴィーラ)
ニコラ・フィラクリディ(T アルトゥーロ)
エルネスト・ブラン(Br リッカルド)
ジュゼッペ・モデスティ(Bs ジョルジョ)
モニカ・シンクレア(Ms エンリケッタ)
デイヴィッド・ウォード(Bs グワルティエーロ)
ジョン・ケンティッシュ(T ブルーノ)
ヴォットリオ・グイ(指)ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団,
グラインドボーン合唱団
録音:1960年6月5日,グラインドボーン
2010年10月10日、オーストラリア出身の大プリマドンナ、ジョーン・サザラン
ドが83歳で亡くなりました。このGlyndebourneレーベルから発売される「清教
徒」は、奇しくも追悼盤となってしまいました。
サザーランドは1959年にコヴェントガーデン王立歌劇場で歌った「ルチア」が
大成功を収め、折りしも復活機運の高まっていたドニゼッティ、ベッリーニの
オペラ上演の最前線へと躍り出ました。この「ルチア」の翌年にグラインドボ
ーン音楽祭に出演、ベッリーニの「清教徒」を歌いました。英国で「清教徒」
が上演されたのは1887年以来実に73年ぶりのこと、またサザランドにとっても
エルヴィーラを歌うのはこれが初めて。しかし彼女の軽々と転がるコロラトゥ
ーラ、高い音までムラなく輝かしく響く美声、初々しくひたむきな演技で、公
演は大成功に終わりました。この録音で聞けるサザランドは、後に大プリマド
ンナになったサザランドよりもずっと若々しく素直な歌で、これもまた魅力的
です。このグラインドボーンのプロダクションは、歌手もそのままに9月にそ
のままエジンバラ音楽祭でも上演、サザランドの名声はさらに高まり、1964年
にはついに王立歌劇場でも「清教徒」がサザランドのエルヴィーラで上演され
ました。こうして「清教徒」は、「ルチア」と並んで、1960年代のサザランド
を代表するオペラになりました。
リッカルドをフランスの偉大なバリトン、エルネスト・ブランが歌って大きな
存在感を示しています。アルトゥーロのニコラ・フィラクリディはエジプト生
まれのイタリア人テノール。録音が極めて少なく、日本ではほとんど無名です
が、美声かつ情熱的な歌い口のテノール。高い音はあらかた省いているとはい
え、十分素敵なアルトゥーロです。また名脇役として知られたイタリアのバス、
ジュゼッペ・モデスティや、広大なレパートリーを誇った英国の名コントラル
ト、モニカ・シンクレアなど、脇に至るまで優れたキャストが配されています。
そしてグラインドボーン音楽祭の中興の祖である音楽監督ヴィットリオ・グイ
が、ベッリーニのツボを心得た素晴らしくイタリアンな音楽を引き出していま
す。初期のサザランドでも特に重要な公演のこのライヴ録音は、海賊盤でも出
回った形跡がありません(エジンバラ公演の抜粋が海賊CDになったのみ)。20世
紀の偉大な名歌手を偲ぶ貴重な録音をお楽しみください!
<EUROARTS>
20 57638(DVD-Video) \2900
サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.22 *
ドメニコ・スカルラッティ:ソナタ ハ短調K.11(アンコール) *
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調Op.36
イエフィム・ブロンフマン(P) *
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クルト・ザンデルリング(指)
収録:1992年6月8日ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
1912年生まれ、惜しまれつつ2002年に指揮活動から引退した最後の巨匠クルト
・ザンデルリングが、ベルリン・フィルを指揮して、チャイコフスキーの第4
交響曲を演奏したコンサートのライヴ映像作品が登場。
ザンデルリングはプロイセンに生まれながら、ナチスによる反ユダヤ政策を逃
れて1936年にロシアに移り、1936年から1941年にかけてモスクワ放送響の指揮
者、1941年から1960年までムラヴィンスキー率いるレニングラード・フィルの
第2指揮者を歴任しています。戦後の1960年に東ドイツに戻ると、創設まもな
いベルリン交響楽団(現在のベルリン・コンツェルトハウス管)の首席指揮者を
1977年まで務め、同楽団の育成に尽力、その間1964年から1967年にかけてシュ
ターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者も務めています。西のベルリン・フィ
ルは、東のベルリン響とは壁を挟んでいわばライバル関係にあったため、長ら
くザンデルリングとの共演機会は限られたものでしたが、これまでに紹介され
たショスタコーヴィチなどの演奏はいずれも、ザンデルリングの巨匠芸とベル
リン・フィルの圧倒的なヴィルトゥオジティとが完全に融合した破格の名演と
して高い評価を得ていたことから、初のソフト化となるこのたびのチャイコフ
スキーもおおいに注目されるところです。
20 58148(DVD-Video) \2900
「グスタフ・マーラー・セレブレーション」
マーラー:
交響曲第2番第1楽章「葬送」
ラインの伝説(「子供の不思議な角笛」より)
朝の野辺を歩けば(「さすらう若人の歌」より)
交響曲第2番第4楽章:「原光」
私はほのかな香りを吸い込んだ(「リュッケルトの5つの歌曲」より)
死せる鼓手(「子供の不思議な角笛」より)
3人の天使が歌っていた(「子供の不思議な角笛」より)
私はこの世に忘れられ(「リュッケルトの5つの歌曲」より)
不幸な時の慰め(「子供の不思議な角笛」より)
交響曲第2番終結部
トーマス・ハンプソン(Br)
アンネ・ゾフィー・フォン・オッター(Ms)
マリタ・スールベルグ(S)
プラハ・フィルハーモニー合唱団
ボニ・プエリ(チェコ少年合唱団)
マンフレート・ホーネック(指)
マーラー・チェンバー・オーケストラ
収録:2010年7月7日チェコ、カリシュチェ村(ライヴ)
2010年はちょうどマーラーの生誕150周年に当たるということで、各地でさま
ざまなコンサートが盛んにおこなわれていますが、マーラーの誕生日に合わせ
て7月7日に生地でおこなわれたユニークな野外演奏会の模様を収めた映像作品
がリリースされます。
このたびのコンサートの舞台であるチェコの小村カリシュチェ(ボヘミアのカ
リシュト)こそ、1860年7月7日にほかならぬマーラーが生まれた場所。夕暮れ
時からスタートしたコンサート映像に時折差し挟まれるのどかな田園風景から
は、マーラー作品に流れる牧歌的なムードを感じとることができます。
<HELICON>
HEL 029632 \2080
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」 ホ短調 op.95
R.シュトラウス:ツァラトゥストラはかく語りき op.30
ズービン・メータ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
「新世界」の冒頭もかっ飛ばすのではなく、弦の細かな刻み、様々な楽器間で
の旋律の受け渡し、すべてが実に丁寧。終楽章の弦楽器のリズムの食いつきも
絶妙で、メータとオケの間の意思疎通が完璧なものであることをうかがわせま
す。有名な旋律では、ところどころに隠し味的にちりばめられた微妙なポルタ
メントが印象的に響きます。R.シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語り
き」は、まさに期待通りの壮大な演奏。華麗にオーケストラが鳴り響きます。
メータの一挙手一投足にオケが実に敏感に反応しているのがうかがわれる力演
です。室内楽風の場面では、弦楽器のメンバーの巧さが際立ちます。
HEL 029631 \2080
モーツァルト:交響曲第38番 ニ長調「プラハ」K.504(録音:2010年1月)
シューベルト:交響曲第9番「グレイト」D.944(録音:2006年11月)
ズービン・メータ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
(ライヴ録音)
「プラハ」の序曲を思わせる出だし、「グレイト」の有名な冒頭、一切の小細
工なしに主題をひとつひとつ丁寧に提示させるところなど、メータのオケの誠
実かつ真摯な仕事ぶりが実に光る演奏です。「グレイト」の終楽章も、絶妙の
テンポとリズムで楽しませてくれます。
HEL 029633 \2080
ハイドン:交響曲第88番 ト長調
チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 「悲愴」op.74
クルト・マズア(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2008年6月(ライヴ)
ハイドンでは、朗々と鳴り響き、気高さも兼ね備えた演奏にハッとさせられま
す。終楽章での滑舌のよい語り口は小気味よい仕上がり。「悲愴」は歌心に溢
れています。各メロディー、各フレーズの中での絶妙なデュナーミクと独特の
「溜め」は見事。マズアの思い入れをオーケストラがよく汲み取った秀演とな
っています。
<TALKINGHOUSE>
クロノス・クァルテットの創設メンバーだったチェリスト、ジョーン・ジャン
ルノーのソロ・アルバムをリリースするレーベルです。
=私が初めてチェロを手にしたのは、他の10人の子供たちがヴァイオリンを奏
でている教室でした。この日から、私はチェリストになる、そしてアンサンブ
ル奏者になるのだと思い込んでいました。20年にわたるカルテット活動を終え
て、スタジオでチェロと一人で向き合ってみることにしました。電子やループ
を試してみて、大きな音を作り出すことにこう見がわいてきました。そして、
すべて自分で監修した音とアンサンブルを組んでみようと思ったのです。電子
音のほかに、自然音、語り、珍しい楽器などの様々な音を求めて世界を旅しま
した。このディスクは、過去7年にわたる私の探求の結晶です。=
THR 0806 \1780
ストレンジ・トイズ
(1)スリング・ショット (2)AXIS(チェロと効果音のための)
(3)カレイドスコープ
(4)トランジション(2つのチェロと2つのヴィオラ・ダ・ガンバのための)
(5)戦いのタグ
(6)ダルヴィッシュ(イスラム教の禁欲苦行派の修道僧。スーフィー)
(7)インクのしみ-チェロのための (8)青い凧 (9)自由 (10)ウェイティング
(11)雨の子 (12)エア&エンジェルズ (13)ヴァーモント・ルールズ
(14)トロットラ
ジョーン・ジャンルノー(チェロ)
プロデューサー:PCムニョス
オリエンタルな味わいとミニマルな味わい、そしてところどころに電子音の
パンチも効いた刺激的な1枚。6曲目のダルヴィッシュは、イスラム教の禁欲
苦行派の僧で、白いスカート状の衣服を身にまとい、くるくると回り続ける
儀式で知られる僧をモデルにした曲。目を閉じるとトランス状態になりそう
な不思議な作品です。民族楽器などの音色もすべて効果的に用いられていま
す。すべての曲がミニマリズム風味、オリエンタル風味、様々な魅力にあふ
れた楽曲たちを、パンチの効いた確かな語り口のチェロで、本格的に楽しむ
ことができます。完全なる電子の世界
0610074243854 \1780
POP-POP
(1)33 1/3 (2)ノイズ (3)レイモンドはどこ? (4)パナマ運河
(5)REVEILLE (6)スネイク (7)ヘリコプター (8)ホッパー
(9)ダイヴ (10)フリークビート
ジョーン・ジャンルノー(チェロ)
PCムニョス(電子ドラム、ドラム、打楽器)
こちらは完全に電子音楽系。チェロも電子チェロを弾いていると思われ、モワ
モワした独特の音色など様々な音が聴こえます。ジョーンの腕が確かなので、
電子チェロでも非常にクラシカルに響くから不思議です。