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ロンドンパラリンピック 締めくくり

2012年09月19日 21時09分29秒 | 日記

2012年9月19日(水) ロンドンパラリンピック 締めくくり

 

 

 ロンドンパラリンピックについては、当ブログの下記記事

    ロンドンパラリンピック その1 (2012/9/13)

で、シンボルマークについて、

    ロンドンパラリンピック その2 (2012/9/15)

で、ゴールボール競技等について、触れて来たところだが、今回の話題で、締めくくりとしたい。

 

○ 車いすを使った競技

 車いすを使った競技については、何度かTVで見る機会があったが、大会期間中、車いすのメダリスト二人が、現地のNHKスタジオに招かれて、出演している。 

 

・車いすテニス

一人は、車いすテニスの、国枝慎吾選手だ。

 

    連覇達成!(写真はネット記事より借用)

 

 国枝選手は、前回の北京大会の金メダルに続いて、連覇出来るかが大きな注目点であったが、決勝戦で、宿敵ウデ選手を、2-0のストレートで破り、見事、連覇を達成する偉業を成し遂げた。

 

 車いすテニスのルールは、通常のテニス競技のルールと殆ど同じだが、車いすでの移動に時間がかかる事を考慮して、レシーブ時に、1バウンドだけでなく、2バウンドまでのボールを、返球できる、というルールになっている。 

 スタジオでの話では、どのスポーツでもそうだが、特に、この競技では、相手からのボールがどのように返って来るか、の読みがポイントになるようだ。

 国枝選手は、相手がサーブの時に、少し後ろに待機し、打球の直前に、車を前に出して勢いをつけてレシーブしているが、これによって、返球の威力が増すと言う。

又、打球の時には、車いすを止めて打つのでなく、車いすと身体とが一体となって、車全体も回転させながら、腕を振って打つことで、打球に勢いがつくと言う。

 一般のテニスでは、錦織選手の、世界に向けた、更に上を目指した活躍が話題になるのだが、国枝選手は、既に2連覇しているというのは凄いことで、日本にもこのような選手がいることは嬉しい限りだ。

 国枝選手は、現在は、支援するスポンサーを得ながら、プロとして各地で活躍しているようだが、これまでの努力の積み上げの中で、このような環境を作り上げてきていることに、敬意を表したい。

 

・陸上競技

もう一人の出演者は、車いす陸上競技の伊藤智也選手だ。

   絶好調の伊藤選手(写真はネット記事より借用)

 

 陸上競技には多くの種目があるが、伊藤選手は、陸上800m、400m、200mの3種目で、全て銀メダルを獲得している。

彼の、元気良さと、歯切れのいい言葉 絶好調、が、極めて印象的だ。3個の銀メダルを首に掛けながら、彼は、金メダルにも等しいと言っていたが、各種大会で、年齢にもめげずに戦って来た、自分への勲章でもあるのだろう。 

 陸上用の車いすは、他の競技用の車いすとは異なり、3輪式で、鼻が伸びたように、先頭の前輪がかなり前に出ているのが特徴だ。この前輪は、トラック等で、コースを守りながら走行するのに重要なものだろう。左右の両輪を、両腕で廻す力だけが、スピードの源だ。

 

 車いす競技には、他に、車椅子バスケットボール、ウィルチェアラグビーなど、かなり格闘技に近いものもあり、怪我をするのではと、はらはら、ドキドキさせられる、ダイナミックな動きが醍醐味だ。ぶつかった弾みに、車がひっくりかえった時は、カメが裏返しになったようで、起き上がるまでが気になるところだ。 

いずれにしても、競技用車いすの設計・製作には、高い技術力が求められるが、日本の総合力が大いに役立つことだろう。

 

○ 50mバタフライ

 競泳についても、何度かTVで見たが、特に印象に残ったのは、50mバタフライ S6に、日本の小山恭助選手が出場し、見事、銅メダルを獲得したことだ。

小山選手は、身体の右半分が不自由で、右手は十分に上がらず、右足も利かないのだが、必死にバタフライで進んでいく姿は感動的であった。

 自分の経験では、バタフライは、最も難しい種目なのだか、彼の場合、右が十分機能できないので、左右のバランスがむずかしいのだが、何とか、まっすぐに進んでいくのは、どのように工夫しているのだろうかと、素朴な疑問が湧いた次第。

 

 

○ 種目数とメダル数

  金 銀 銅メダル(写真はネット画像より)

 先行した、ロンドンオリンピックでは、競技数は22で、種目数は金メダルの数で、302となっている。

 これに対し、ロンドンパラリンピックでは、競技数は20と、やや少ないのに、種目数は金メダルの数で、503もあり、オリンピックよりも、6割以上も多いのには驚かされた。銀メダル、銅メダルについてもほぼ同様である。

この理由は、パラリンピックでは、同一種目でも、障害の種類や程度に応じて、細かくクラス分けされているため、ということの様だ。

 

 このクラス分けの詳細については、調べてはいないが、丁度いい実例があった。すなわち、競泳の男子100m平泳ぎの3つのクラスで、以下の様に、日本の3選手が、それぞれ、メダルを取ったのだ。

  男子100m平泳ぎ  SB7クラス  銀メダル 中村智太郎選手

                SB11クラス 銀メダル 木村敬二選手

                SB14クラス 金メダル 田中康太選手

オリンピックでは、この男子100m平泳ぎで、期待された日本の北島康介選手が、残念ながらメダルに届かなかった種目なのである。

 

○ 国別メダル獲得数

 このパラリンピックでの、各国が競っている国別メダル数について、いつもの伝で、金メダル数ではなく、金銀銅の総メダル数でみてみると、ベスト10は、以下のようになる。 

 

 1位  中国     231 (金95 銀71 銅65)

 2   イギリス   120

 3   ロシア    102

 4   アメリカ    98

 5   オーストラリア 85

 6   ウクライナ   84

 7   ドイツ     77

 8   フランス    45

 9   ブラジル    43

10   スペイン    42  

 

 先ず、驚くのは、中国の凄さである。前回の北京パラリンピック大会でも、ダントツの1位だったようで、今回も飛びぬけて多いのだ。金メダルの数だけでも、95個もある。パラリンピックのメダル数は、国としての力の入れ具合の差と言うだけでなく、国力や経済力も反映すると言えるだろうが、更には、国全体として、障害者福祉が充実している証左のようにも思える。

 イギリスのメダル数が、前回同様に、2位というのも立派で、パラリンピック発祥の地として、面目躍如たるものがあり、今回は開催国であった、というだけではないようだ。

次回開催国である新興国のブラジルも、9位と健闘している。

 

 日本のメダル数16個はどのあたりのランクになるのか調べたら、以下の様に、漸くにして、ベスト25に登場である。

 

11  オランダ        39

12  ポーランド      36

13  カナダ        31

14  南アフリカ      29

15  イタリア       28

16  韓国         27

17  イラン        24

18  メキシコ       21

19- チュニジア     19

19- アルジェリア   19

21- キューバ      17

21- ニュージーランド 17

23- 日本         16

23- アイルランド   16

25  エジプト       15 

 

 日本の今回のメダル獲得数は、G8サミット参加国では、最下位であり、前回の北京大会での獲得数27に比較しても、かなり少なくなっている。

先日の、オリンピックの記事でも触れたのだが、今後の発展が期待されるインドが見当たらないのが気になるところで、何と、銀メダル1個だけ! である。

 

 オリンピックは国の経済力を反映するとすれば、パラリンピックは、国の福祉力を反映すると言えるかもしれない。今回の日本の不振は、競技の近代化に対応出来ていなかったためだ、等との反省の弁も聞こえるのだが、そのような技術論もさることながら、社会全体としての、国全体としての、障害者スポーツや、引いては、障害者福祉に対する、取り組みが不十分で、関心も薄い事が、基本的な問題と言えるだろうか。大いに、反省しなければなるまい。 

 

○明日に向けて

 この間の日曜、9月16日夜のNHKTV番組、サンデースポーツに

       車いすテニス 金メダル 国枝慎吾選手

        ゴールボール 金メダル 安達阿記子選手

か招かれて出演した。

 国枝選手については、何度か、TVのインタビューなどでも見たが、今更言う必要も無いのだが、今後も、ハイレベルの活躍が継続できることを期待したい。

 

 ゴールボールの安達選手については、期間中、ロンドンのスタジオで出演した時も見ているが、アイシェードを外した、爽やかな素顔に改めて触れた。 

 番組で聞かれて、“裸眼よりも、目隠しをしている時の方が落ち着く” と彼女は言ったのだが、集中しきった心境での弁であろうか。 (写真はネット画像より)

 

          

     目隠しで                   素顔

 

  番組では、ゴールボールの練習風景が紹介された。勿論目隠しをした状態で、相手ゴールの前でボールが床に当たった時の位置を、反対側に居て、音だけで判別するのである。 それが、何と50cm単位の精度で、ボールが当たった位置をピタリと当てる、選手達の聴覚の鋭さには驚かされた。

 

 今回の快挙を機に、今後、日本において、車いすテニスやゴールボールを始めとして、障害者スポーツが、大いに盛んになることを念じている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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