2011年9月2日(金) 数学ブーム その2
先日、当ブログで
数学ブーム その1 1a、1b、1c(2011/8/29)
の記事を載せたが、今回は、その続編である。
前回は、下記のオイラーの公式
eiθ=cosθ+isinθ
が、出来るまでの経過をたどったが、他の方法によっても、この公式に到達できるので、それを示しながら、ネイピア数eや、円周率πについて、触れることとしたい。
既に、18世紀には、微分積分学から発展して、各種関数の、無限級数による展開が可能になっている。 オイラーの公式は、この、関数の展開を用いて、比較的容易に導き出せる。
オイラーの公式に出てくる各関数は、マクローリン展開により、以下のように、無限級数に展開できる。
○指数関数 eX=1+X/1!+X2/2!+X3/3!+X4/4!
-------+Xn/n!+----------
○三角関数
cosX=1-X2/2!+X4/4!-X6/6!+-------
+(-1)mX2m/(2m)!+ --------
sinX=X-X3/3!+X5/5!-X7/7!+ ------
+(-1)m-1X2m-1/(2m-1)! +--------
これらの、展開式を使って、以下に、オイラーの公式を求める。
指数関数exで、変数を、オイラーの公式にある、複素数に拡大し、X=iXとして(iは虚数単位)展開すると、
eiX =1+iX/1!+(iX)2/2!+(iX)3/3! +
(iX)4/4!+(iX)5/5!+(iX)6/6!+(iX)7/7!
--------+(iX)n/n!+-----------
i2=-1であるから
=1+iX/1!-X2/2!-iX3/3!+X4/4!+X5/5!-
X6/6!-iX7/7!+-------+(-1)m-1X2m-1/(2m-1)!
+(-1)m(iX)2m/(2m)!+ --------
={1-X2/2!+X4/4!-X6/6!+---+(-1)m(iX)2m/(2m)!--}+i{X/1!-X3/3!+X5/5!---+-(-1)m-1X2m-1/(2m-1)! ---}
ここで、{ }内を、上述の、三角関数の展開式に置き換えると
=cosX+isinX
即ち、
eiX=cosX+isinX
の、オイラーの公式が得られる。
前のブログで、オイラーの公式を導くにあたって、極限状態での近似を使ったことなどを述べたのだが、微分積分の考え方と同じであったと言え、上記のように、展開式によっても、公式が正しかった事が証明できる、と言うことであろう。
微分積分学から発展した、無限級数による関数展開については、これ以上の深入りはしない。