goo blog サービス終了のお知らせ 

つれづれの記

日々の生活での印象

大相撲 その4  土俵際の正念場!

2010年08月15日 22時54分45秒 | 日記
2010年8月15日(日)  大相撲 その4  土俵際の正念場!



 7月25日の千秋楽で、大相撲名古屋場所が終わった。場所が間近になって、暴力団への維持員席の提供や、暴力団が絡んだ野球賭博問題等が、明るみにでて、開催も危ぶまれた場所だが、多くの幕内力士の出場停止、各種表彰の辞退、NHKの実況放送中止等という、異例づくめの状況下での開催であった。その後も、関係者の逮捕などの、ネガティブな話題や、理事長・理事長代行の去就、地方巡業の動きなど、ニュースは続いている。

 大相撲については、ファンの一人として、これまで、朝青龍事件を契機に、本ブログに、
  大相撲 その1 横綱の品格 (2010/3/1)
  大相撲 その2 最近の話題と競技の特徴 (2010/4/10)
  大相撲 その3 これからの土俵 (2010/4/18)
と、今後の方向に期待と希望を込めて、書かせてもらった。
 今回の事件は、期待を裏切るもので、又か、という思いと、やはり、という思いで一杯である。やり切れない思いの中で、私見を述べたい。

 異例ずくめの中、暴力団との決別を公言して、厳しい警戒の中で開催された名古屋場所だが、懸念された暴力団とのトラブルはなく、一安心。戦績は、横綱白鵬の全勝優勝で終わり、しかも、師匠の大鵬親方の記録45連勝を上回る、戦後2位の47連勝を達成する偉業である。師匠に対する、最高の恩返しであろう。優勝インタビューでの、白鵬関の涙が、彼の、苦しい胸の内を、十分に語っている。協会の置かれた厳しい環境を思い、有力なライバルも少なかった本場所だっただけに、複雑なものがあったろう。
 NHKが中継放送を行わなかったのは、妥当である。視聴者の多くの意見に従った判断、とNHKは発表したが、NHK自身の姿勢としても、協会に対する毅然とした態度であり、立派である。日本相撲協会は、場所終了後、NHKに放送権料を返上する、とあったが、黙って貰うつもりでいたわけでは、あるまいに。
 むしろ、逆に、NHKに、金を払ってでも放送してもらう位の、重さがあると思う。本番が終わった6時半からの、NHKの大相撲ダイジェストを、数回見たが、会場の雰囲気が感じられず、解説も殆どなく、結果だけを知る、つまらなさだけが残った。 

 朝青龍事件は、前横綱の個人的な属性が絡む、単発的な事件とも言えるが、今回の事件は、日本相撲協会や、大相撲業界の体質にかかわる、根の深い重大な問題に見える。
 庶民の楽しみとしての大相撲は、特に、娯楽の少なかった昔は、人気が高かったと思われる。それだけに、暴力団などのかかわりも、陰に陽にあったと想像される。定例的な本場所の開催もさることながら、行き慣れない地方での巡業興行となると、折衝事項やトラブルも多いと思われ、勢い、その筋に挨拶し、お世話になることも多かったのだろうか。
 日本には、日本映画の極道シリーズの隠れた人気など、暴力団を美化するような国民感情もあるように思われる。又、土地の再開発や、新規の開業・開店などで、案件を進めやすくするため、反対勢力の排除に、暴力団などを積極的に活用する風潮も、少なくとも過去には、あったのではないか。

 以前の現役の頃、現在のNTTの前身の電電公社時代、職場でも、地域のトラブルに暴力団が絡んできたり、意図的に交通事故に介入してきたり、因縁をつけて電話料金を踏み倒そうとするなど、いくつかの事例を経験した。特に、昭和60年当時、電電が民営化して、NTTになったのを契機に、警察の全面的な支援をもらいながら、顧問弁護士も委嘱して、組織を挙げて、暴力団排除に取り組んだ。電話局に座りこまれたこともあるが、以前のように、金品を渡してけりをつける、ことだけは、断じてしなかった。
 株主総会での総会屋の排除などとともに、国内では、会社や組織を挙げて、不法な暴力と戦ってきたように思う。はたして、大相撲の世界では、どうだったのだろうか。

 この8月に予定されていた、新潟・東北巡業、青森は中止になったものの、無事、行えたようだ。名古屋場所で出場できなかった力士たちも、巡業には参加したという。又、貴乃花理事が、昨今の状況から、父である、先代貴乃花の法要記念に、今年の10月に予定していた、福岡田川への巡業を、中止(延期)したことも伝えられた。
 TVなどでは、地方巡業は、現在では、暴力団などのお世話にならなくとも、協会や地元の有力者で開催できると、胸を張っていたが、その通りと信じたい。 


 当初は、場所終了後に交代の予定だった理事長代行が、そのまま残ったのは、むしろ当然で、協会としての、今後の改革の方向を、固めたうえでの、新体制であるべきだ。武蔵川理事長は、部屋の弟子の問題もあり、場所中は謹慎したが、場所終了後も、態度が揺れた。一旦、辞意を表明したものの、残留となり、でも結局、健康上の理由で、8月12日に、放駒新理事長(元 大関怪傑)に、瞬く間に、交代した。12日のニュースでは、所管の文部大臣に相談なしで、新理事長を決めたようで、協会は、何をやっているのか、という、印象である。
 又、独立委員会、特別調査委員会などとの関連も良く見えない中で、改革の方向づけもないまま、理事長が交代したのは、何故だろうか。道遠し、の感は否めない。
 

 若者のスポーツ人気は、見るだけでなくやる方も、サッカー、 野球、 ゴルフ、などに向かっており、大相撲は、言い方は悪いが、年寄りの楽しみになってしまっている。
 サッカーWCを見るにつけ、あのようなスポーツを考案したイギリス人の知恵の深さに驚く。大相撲も、現在は、外国人力士が、大変活躍しているが、目を世界に向け、国際的なスポーツとして、彼らを軸にして、世界に広げていくのが、今後の一つの方向のように思う。日本の伝統的文化を、いい意味で変革していかなければならない。

 世間一般でも、マージャンでのインフレ・ルールや、ゴルフでのチョコレートなど、ゲームをより面白くする賭けは、日常的にも、行われている。力士たちの遊びたい気持ちもわかる。これらすべてが、悪いとは言わない。程度の問題であろう。
 野球賭博には、プロ野球だけでなく、今、真っ最中の、高校野球を対象にしたものもあると聞いた。 最近の状況はよくわからないが、サッカーくじは、どうなっているのだろうか。イギリスでは、bookmakerと呼ばれる、公認の賭けごと屋が沢山おり、たいていの物事が、賭け(betting)の対象になるそうだ。
賭けごとは、公的には、良く、私的には、悪い、と単純に言い切ることはできないだろう。 公営ギャンブルは、民衆の射幸心を利用した、自治体の資金稼ぎ手段でもあるのだが、いわば、ガス抜きの必要悪、と言うべきであろうか。

 力士も、職業として、真面目に精進し、一生懸命、稽古に励むのは当然だが、その前に、一社会人としての自覚を持って日常生活を律し、まず、常識人として生きてほしいのだ。これは、すべてのアスリートに、言えることである。大相撲の場合は、特に、外から良く見えない閉鎖性が強いので、そこからの脱却がカギである。
 日本相撲協会は、早急に新体制を確立し、協会の体質や、組織・運営についての、これまでの反省と改善の具体的な方向を、示してほしい。特に、伝統を守りながらも、外部から見える開かれた組織運営にする方策や、安全で面白い見せるスポーツとしての方向づけが重要であろう。
 野球やサッカーのフランチャイズ制は、成功しているが、大相撲も、相撲部屋や、郷土の出身力士なども生かした、地域とのつながりを、もっと工夫出来ないものだろうか。
 
 9月12日からは、大相撲9月場所(両国)が始まる。予定している場所をこなしながら、謂わば、歩きながら、あるいは、走りながら考えて、今後の改革の方向を出し、実践していかなければならない。今こそ、日本相撲協会と大相撲は公営ギャンブルは、、土俵際一杯ぎりぎりで、正念場を迎えている。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ホテイアオイが咲きました | トップ | 日本語の表記 その3 人名... »
最新の画像もっと見る

2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
帰ってきました (似顔絵作者)
2010-08-16 17:17:21
無事青森に帰ってきました、泊の家族も皆元気でありました。作者の足も飛び跳ねてる状況から痛みは皆無のようで、完治までもう少しといったところ、青森県は相撲界では上質な力士を輩出する県のひとつで、現役でも高見盛など幕内力士も多い、しかし、ここ最近の新弟子検査の受験人数の減少と同様に県内の中学、高校での相撲部の廃部や存続問題がニュースになることも珍しくなくなってきている。私もプロスポーツとして選手(力士)、観客、スポンサー、運営のバランスが悪いと感じている。一番の問題は子供が相撲を見て「かっこいい」と感じないことだと思うが、、、
返信する
お帰りなさい (まあチャン)
2010-08-17 09:21:10
泊旅行、いい夏休みになったね。
足の怪我も、忘れるくらいで、よかった。

これまで、幾多の有力力士を輩出した青森への、大相撲巡業が、今回、中止になったのは残念。

「国技」などの美名に隠れ、時代に合わなくなっていることを放置した、業界全体の姿勢が、今問われているーー。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事