2017年7月11日(火) 都議選が終って
定例の都議会議員選挙が、この7月2日(日)に行われ、終了した。都民の一人として、投票を行ったが、これまでの都議選とは大きく異なる印象である。
◎今回の都議選の概要
*有権者数と議員定数
有権者数 1126.6万人(今回から18歳以上。 前回より約67万人増)
全体の議員定数127が、都下42選挙区毎に割り当てられた。今回は、選挙に先立ち、総定数は変えない見直し(2増2減)があり、定数が増えたところはいいとして、減った2選挙区の当事者は、後述するように、大変だったようだ。
定数変更 1増:町田(3→4) 北多摩3(調布 狛江)(2→3)
1減:北(4→3) 中野(4→3)
*投票率 今回 前回
投票率 51.28% 43.50
今回は、昨年夏の小池新知事の誕生で、政治状況が大きく変わり、各党とも、国勢選挙並みの取り組みが行われ、都民の関心も高かったが、投票率は、前回よりも、8ポイント程高くなったものの、有権者の約半数程度が棄権している、と言う実態は、やや、驚きである。
その中で、期日前投票は、投票数135万票強で、前回の1.5倍となったようだ。有権者の権利行使時への配慮が、効を奏している、と言えるようだ。
住んでいる足立区内では、投票所の総数は76だが、今回は、家族の都合から期日前投票を行った。期日前投票ができる会場が区内に8か所あり、通常の投票所と同程度に近かったのが幸いであった。
* 得票結果
今回の都議選の得票結果は、マスコミで、トップニュースとして大々的に報道されているように、都民ファーストの会(略 都民F)の圧勝と、自民党の惨敗という、想定を越えた結果となった。党派別には以下のようだ。
改選前 改選後 今回状況
自民党 57 23
公明党 22 23 候補者全員当選
共産党 17 19
民進党 7 5
都民F 6 49 候補者50人 島以外当選
選挙後、無所属6を追加公認
他 ネ維 4 2
無 13 7 選挙後、追加公認で1に
計 126 127
選挙結果、議会内の勢力分布が大きく変わり、小池知事を支持する勢力が、都民Fの選挙後の追加公認と、公明党を加えて、過半数の64を大きく超え、78となった。
◎ 選挙区の概況
*注目区の状況
選挙区を定数別に見ると、選挙前→選挙後の変化は、以下のようで、自民から都民Fへの大きな流れがある。
1人区 7 全て自民→自民は島のみ 他は都民F
2人区 15 1人目 全て自民+他
→1人目14都民F+1公明、2人目自民6
都民Fが2議席独占の区もある
自民候補の状況は、どの選挙区でも苦戦しており、目黒(定数3)では、現自民2人が揃って落選。一方、世田谷(定数8)では、現3人が全員当選と、健闘しているのは例外的だ。
自民関係幹部等の状況は以下。
◇千代田(定数1) 都議会自民党のドンと言われた、内田前幹事長の引退で後釜が出馬したが、都民F候補に完敗し落選。
x昨年11月の区長選でも、自民候補が、都民F候補に敗れている。
◇北区(定数3) 現自民党の幹事長が、都民F議員団幹事長等に1200票程の差で敗れ落選。定数減の影響が大きい。
◇中野区(定数3)現自民党都議会議長が、都民F候補等に1300票程の差で敗れ落選。定数減の影響が大きい。
*足立区
筆者の御膝元の足立区だが、以下のようだ。
・足立区 定数6 得票率
都民F 新 後藤奈美 16.6%
共産 新 斉藤真里子 13.4
自民 現 高島直樹 13.2 都連幹事長
公明 新 薄井浩一 13.1
都民F 新 馬場信男 12.9
公明 現 中山信行 12.0
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自民 現 発地易隆 9.4 法定得票
民進 新 銀川裕衣子 5.7 法定得票
維新 元 鈴木勝博 3.3
足立区では、他の区と同様、都民Fの女性候補が早々と当確を決めたが、自民都連の幹事長ポストを、前任の内田ドンから引き継いだ高島議員は、開票速報では、なかなか、当確にはならなかった。 公明や共産は組織力で優勢だったが、かなり遅くまで、都民F、公明の2議席目や、自民現職の2議席の行方が定まらず、マスコミも容易には決めかねただろうか?
結局、上記のように、6議席のうち、都民Fと公明が2議席を、共産が1議席を確保し、自民は、高島幹事長は問題なかったものの、現職1人が落選する結果となった。又、民進党候補は、自民大敗の流れに乗れなかった。
*舛添前知事の辞任劇から小池新知事の誕生までと、豊洲移転問題を含めた、小池知事のその後の動きについては、以下のブログで触れている。
新東京都知事 (2016/9/6)
新東京都知事 その後 (2016/9/30)
新東京都知事 続その後 (2016/10/16)
新東京都知事 続々その後 (2016/11/3)
小池都知事 豊洲移転の決断(2017/4/12)
このため、これらの詳細については省略するが、今回の都議選は、何が争点だったのだろうか? 又、結果は何を意味するのだろうか?
直接的に都と関係する、築地市場・豊洲移転問題や、オリ・パラ問題等もあるが、筆者には、小池都政への期待が大きい一方で、国政に対する批判が、かなりの比重を占めているように思われるのである。
これらについては、稿を改めて取り上げることとしたい。