一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『カポーティ』

2007-03-22 | キネマ
トルーマン・カポーティがカンザスの一家惨殺事件を取材して「冷血」を書き上げるまでの、作家としての欲望と犯人への親近感との葛藤を描いた映画です。

ハリウッド映画にしては「正義の裁き」をせずに、カポーティやそれをとりまく人々(犯人、友人、恋人(ちなみに彼はゲイ)、編集者)などの心の揺れを淡々と描いています。
カポーティが完成させた作品は「冷血」が最後で1984年にアルコール中毒で死去、と最後のテロップで付け加えたのはよかったかどうか・・・

あまり起伏のない話でしかも時間の制約があるのでエピソードが飛び気味の脚本になるのは仕方のないところかもしれませんが、主演のフィリップ・シーモア・ホフマンの熱演で飽きずに見せます。


映画を観ながら考えてしまったのですが、これは1960年代という時代ならではの話で、現代だったら容疑者や関係者の手記の争奪戦がおきたり、取材をする作家自体にリアルタイムで密着するテレビ局などが出てきたり、容疑者側にも支援者がついたりと、もっと即物的な大騒ぎになりそうだな、ということでした。


まだ「冷血」は読んだことがなかったので、読んでみようと思います。










<追記>

『冷血』読んでみました(こちら)。

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2 コメント

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これ、見たことがあります (kobanto)
2007-03-22 18:41:05
 友人が買ったDVDで見たことがあります。
 そのイギリス人の友人は、カポティのインタビューをTVで見たことがあって、カポティ役の俳優の演技が本当にそっくりだと驚いていました。
 「チューマン・カポティ」と言ってますよね。
 犯人にシンパシーを感じていく過程が、気味悪くもリアルに描かれていたという記憶があります。

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やはりそっくりなんですか (go2c)
2007-03-22 23:47:53
Kobantoさん
ごぶさたです。私は本人の映像を見たことがないのですが、たとえば感情が高ぶって顔が紅潮するところなどは、(1960年代にしては珍しく)ゲイであることを隠さなかった本人が、ホントにこういう人だったのかなと彷彿とさせますね。

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