一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

塩野七生 『日本人へ』 2冊

2010-07-22 | 乱読日記
旅のお供にちょうどの新書。

塩野七生さんのエッセイで言っていること、物事を見るスタンスは僕が読み出すようになったここ十数年あまり変わっていない。

そのブレない軸が、論評される側や場合によっては読んでいる自分自身のブレまくりぶりを浮き彫りにするから面白い。


「国家と歴史篇」のなかで出版社のリスク回避志向の話が出てきて、初版部数の縮小は単行本の執筆を専業とする作家の確定収益を減らし創作プランに影響を与えると警鐘を鳴らしている。
一方で本書は文芸春秋の連載の新書化で、こういう手っ取り早く新書化することで収益になる人気連載が今や絶滅危惧種である総合月刊誌を支えている、それも著者が書き下ろしを主にしている作家で、出版社の手っ取り早い収益重視とリスク回避のために初版部数を減らされているというのも皮肉。



電子出版になると紙に印刷されるまでのハードルが更に高くなるんだろうな。







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