一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

年末年始に観た映画

2011-01-05 | キネマ
『アリス・イン・ワンダーランド』

家のテレビは3D対応じゃないのですが、もともとCGを多用しているのでけっこう奥行き感のある画像でした。
ルイス・キャロルのアリスの後日談という設定なので、登場人物や舞台設定を流用して自由なストーリーにしてます。

大きなテーマはビクトリア朝時代におけるアリスという若い女性の自立の物語です。
冒頭、小さいころのアリスがワンダーランドの夢を見ることを父親に相談するシーンのセリフ

  Have I gone mad?

I'm afraid so. You're entiery bonkers.
But tell you the secret.
All the best people are.

これはティム・バートンの作品に通低している考えでしょう。
でも、「時代と戦う」というのは最初と最後だけで、不思議の国においてのアリスの振る舞いは今風だったりするのもご愛嬌。

ティム・バートンの映画としてははずしはないけども、それほど意外性もない感じでした。(期待しすぎだったか)






『ザ・ウォーカー』

※ネタバレ注意



世界戦争が起き、廃墟と化してしまった土地をデンゼルワシントン扮する主人公が一冊の本を持って西へと歩き続けるが、その本の力をめぐって・・・という話

けっこう早い時点で本が何かはわかってしまって、アメリカ国内向けの映画なんだなぁという感じになってしまいます。
荒廃した世の中に必要なのが、神でも預言者でもなく、その言葉をしたためた「本」だ、というあたりに、ちょっと屈折したものを感じてしまいます。
本がなければ忘れられてしまうような信仰心だとしたら、口伝をベースにしたコーランには勝てないよなぁとか。
結局「本」が残ったとしても解釈(や場合によっては真贋)の争いは起きるだろうし。

それからデンゼル・ワシントンって正義の味方キャラのイメージが確立しちゃっているので、逆にそれが悩みなのかなとふと思いました。

いろんな意味で微妙な映画でした。





『インセプション』

他人の夢に侵入して仮想世界を構築し記憶を刷り込もうとする話。
「夢のまた夢のそのまた夢」と入れ子になっているうえに場面が各階層を行ったり来たりするので、集中して観ることを求められます。
ストーリーは複雑なものの破綻なく展開するし、虚実の皮膜を描くのにSFXが効果的に使われています。
レオナルド・ディカプリオはあまり好きではないのですが、本作ではうまくはまっている感じでした。

あと、渡辺謙はけっこう存在感出してました。英語も必要十分、というか日本人の使う正しい英語(変に媚びて流暢にしゃべろうとしていない)って感じでよかったと思います。






『インビクタス/負けざる者たち』

南アフリカの大統領になったネルソン・マンデラが、あえて白人のスポーツだったラグビーのワールドカップ開催を通じて国民の一体化を図り、代表チームもそれに応えたという実話を基にした映画。
原作を先に読んでいたのですが、原作がかなりの大部で、マンデラが釈放される以前からの時代背景や関係当事者の背景事情を詳細に描いているので、映画という限られた時間の中で平板な感動実話になってしまうかと思ったのですが、政治事情や時代背景を象徴的なエピソードを使いながらうまく織り込んでいます。
さすがクリント・イーストウッド。

マット・デイモンのラグビー・シーンもけっこう様になってましたが、ラグビーよりもサイド・ストーリーの積み上げで感動させる映画になっています。






『プライベート・ライアン』

改めて観ても、完成度の高い映画だと感心しました。
脚本・キャスティング以上に戦闘シーンのリアリティの追求に関しては、この映画が一時代を画したといえるでしょう。
ふんだんな予算を有効に使った好例。






『ワンダとダイヤと優しい奴ら』

『モンティ・パイソン』のスタッフが作ったコメディ映画。
コメディ映画としては今まで見た中でベスト3に入ると思ってます。
TSUTAYAの棚で見かけたので迷わずレンタル。

『モンティ・パイソン』のチームからはジョン・クリーズとマイケル・ペイリンが出演。他にケヴィン・クライン、ジェイミー・リー・カーティスなどが出演。
イギリス人とアメリカ人の極端に戯画化したキャラクターだけでも笑えます。

だまされたと思って一度観てください。





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