失われた時を求めて

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ALWAYS - 続・三丁目の夕日

2007-12-30 23:51:23 | 映画
 冒頭、「TOHO SCOPE」の文字に、ワクワク感が一気に上昇!(^o^)/

 そして始まった映画では、鈴木オートの一家が大騒ぎで逃げ出す!? 何が起きているのかわからないでいると、何やら聞き覚えのある音楽が‥‥。まさか「怪獣王」が登場するとは! でも、なんで???
 と考える間も無く、これが茶川さんの新作小説のシーンだとわかり、館内爆笑! 元気な鈴木オートや、無事に一緒に暮らしている茶川さんと淳之介に再会できて、既に私は熱いものが込み上げて来ました(^^ゞ(←早すぎるって! まだ始まって5分も経っていないのに)


 前作はTV放映でしか見たことがなかったので、大スクリーンで見る昭和34年の町並みが楽しみでした。大スクリーンでは合成の部分が目立っていましたが、その完成度には溜息が出ます。特に「羽田空港」は私も見たことのある場所ですので、そのクウォリティの高さに驚きました。今回の目玉である「日本橋」はもちろん、「日劇前」の再現も見事でした。
 『スターウォーズ ep1:ファントム・メナス』では、「アミダラ女王の宮殿内部は、セットではなく全てCG」ということに驚き、CGの可能性に期待を膨らませました。(ただし、「バトルドロイドとグンガンの決戦シーン」が隅から隅までCGだったのには閉口しました。私は特撮映画としての『スターウォーズ』を見に行ったのであり、CGアニメが見たかったのではありません!)
 そのCGの可能性が、「失われた景観の復活・再現」という形で見事に花開いている様は素晴らしいです。映画とは夢を見せてくれるものなのだなぁ‥‥と、つくづく感じました。来年に控えている『20世紀少年』の映画でも、昭和45年を見事に再現してくれることに期待します。


 この映画では、鈴木オートの新たな同居人・美加ちゃんが加わったことで、ストーリーの中心が淳之介・茶川さんに偏り過ぎず、バランスが良くなったと思います。

 一平は美加ちゃんに「お父さんがジギョウに失敗した」と執拗に言って、彼女を傷つけてしまいますが、「ジギョウ」の意味もわからずに言うというのが、あのくらいの歳の子ども(特に男子)にはよくありますよネ。全く「デリカシー」が無いんだから!(^o^)

 美加ちゃんが淳之介の洗濯している姿から周りに目を向け、どの子どもたちも親の手伝いをしている姿に気付くというシーンにグッと来ました(^^ゞ そうそう、昔の子どもはみんなお手伝いをしていたものです。この国が何を失ってきたのか、この映画のメッセージが感じられるシーンでした。
 この一連のシーンでは、カメラが子ども目線の高さなんですよネ。美加ちゃんが見た夕日町三丁目の様子が感じられます。

 美加ちゃんは最初はヒラヒラの付いた服を着ていました。物語が進むと地味な赤いセーターを着ていて、六ちゃんとお揃いの、お母さんのお手製のドレスに喜ぶようになります。美加ちゃんの心情の変化が、衣装で表されています。私はここでもグッと来てしまいました(^^ゞ 昔はお母さんのお手製が、何より嬉しいものでしたよネ。
 このお出掛けのシーンでは、一平もすっかり美加ちゃんと仲良しになっているようです。

 六ちゃんが映画を見るシーンでは、東宝なのに裕次郎!? さすがに映画の映像は使われていませんでしたが、東宝は思い切ったことをしますネ。

 淳之介の給食費のエピソードが切な過ぎます‥‥。最近の給食費未納の親たちに見てもらいたい!(-_-メ)

 鈴木オートの戦友・牛島のエピソードは‥‥? お母さんと牛島が顔を合わせていないということは、やっぱり牛島は戦死していたのか‥‥。これも切ないですネ。前作のアクマ先生がタヌキにバカされたシーンと同じく‥‥。アクマ先生の「焼き鳥踊り」も泣き笑いしてしまいました(T_T)

 詐欺師のシーンはお金を出したところで気付いてしまって、あとはハラハラして見ていられませんでした。このシーンは長回しの掛け合いがスゴイ演技です。長回しといえば、「すき焼き」のシーンもスゴイですネ。どちらにも堤真一さんが絡んでいますが、彼の演技力の確かさがあってこその映画だと思います。

 茶川さんのエピソードは、とにかくハッピーエンドで良かったぁ! ヒロミさんが「こだま号」に乗ってしまい、車中で「純青(旧字が変換できません)」を読んで泣いているシーンのあと、疾走する「こだま号」が映った時は、もう彼女は戻ってこないものだと思ったので‥‥。
 「読んでもいないのに、『才能が無い』なんて言うな!」にグッと来ました。そしてお母さんが、六ちゃんが、自転車屋が、肉屋も、タバコ屋のババアも、みんなが「純青」を取り出したシーンは、もう泣き笑い! 「純文学なんて読まない」と言っていたのに、バカだなぁ、コイツら! イイ人たちです。

 8mmの映写として描かれている、生まれたばかりの一平のシーンは、私が赤ん坊の頃の写真と、わが息子が生まれた時のことがオーバーラップし、またまた泣き‥‥。子どもが生まれるということは、幸せに包まれますよネ。そして、そんな幸せに包まれていた私の赤ん坊の頃の写真を見ると、両親が頑張って生きていた時代が偲ばれます。

 一平の最後のプレゼントと、美加ちゃんの最後のセリフで、もう1回来てしまいました(^^ゞ 一体、この映画で何回泣いたんだ、私?

 高い所が苦手な鈴木オートが東京タワーの展望台でビビっているシーンで笑ったあと、日本橋での茶川さん、ヒロミ、そして淳之介の爽やかなラストシーン。エンドロールでの3人も幸せそうでした。

 とても温かい気持ちになりました。やっぱりイイ映画です。こりゃあ、前作と合わせてDVDを買うな‥‥。

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6 コメント

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夕焼けの詩 (モデラート)
2007-12-31 09:27:00
漫画とは縁のない我が家ですが、夕焼けの詩(三丁目の夕日)だけは54巻揃っています(笑)。
繰り返し読んでいるので、エピソードが体に沁みこんでいて前作の映画を観る前はちょっと心配だったのですが、映画は映画として素晴らしくとても感動しました。
近所の人がテレビの前に集まってプロレスを見るシーンで何故か涙が出てしまいました(笑)。

大佐殿の記事を読んで続も観に行きたくなりました。
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Unknown (get_better4uまたは自由人大佐)
2007-12-31 17:22:25
 まだご覧になっていないのに、ネタばれをお読みになってしまいましたか‥‥。こんな記事を書いてしまって失礼しました(苦笑)。

 先が読めてしまうほど伏線もヒネリもありませんが、その素直なストーリーが心地よいですヨ。

 「権利」を主張してギスギスした世の中とは無縁の、フィクションの物語で全てが理想的な展開ですが、現実もこうありたいと思います。
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「三平じゃなく謝れ」 (オタクイーン)
2007-12-31 21:24:05
この作品は、私の2007年ベスト1となりました。(ちなみに二位は「仮面ライダー THE NEXT」です(笑)。
おっしゃる通り、驚異のVFXがその存在を主張せず、あくまでドラマの背景として機能している点が、この作品の非常に大きな成功要因でしょう。私も「SW1」は劇場鑑賞したので、バトルドロイドの戦闘シーンには幻滅しました。結局どこまでハイテクを駆使した画面設計も、そこに生きた演出が無ければただの技術のサーカスとなってしまうんですよね。

実はこの数日、部屋の掃除のBGMは「続・三丁目」のサントラCDばっかりで。ゴジラのテーマに始まり、数々の名シーンを盛り上げた旋律を聴きながら、作品の余韻に浸っています。
この作品に出会えた事が一年のいい締めくくりとなったようです。ちょっと楽しい大掃除でした。

たぶん、私もDVDを買います(笑)。
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Unknown (get_better4uまたは自由人大佐)
2008-01-01 05:11:56
 そうそう、「特撮」というのは、あり得ないシーンを「表現するため」の「技術」ですよネ。「特撮を使って、こんなシーンを描いてみました」というのでは、本末転倒です。オタクイーンさんのブログの「手段と目的の足並み」の記事にも通じることかもしれません。
 この『ALWAYS』の2作品には、かつての東京の風景を再現するための「VFX」が使われ、それが注目を集めたことは事実です。しかし、そのシーンを見せるために、無理に脚本が練られたわけではありません。作品世界を描くために、「都電に乗って淳之介のお母さんを探しに行く」には都電を描く必要があり、一平のお母さんがかつての恋人と偶然に出会うのが「日本橋」である必要があったわけですネ。

 サントラCDには「ゴジラのテーマ」も収録されているのですか! それなら、映画の世界を隅々まで思い起こせますネ。
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大佐!お元気ですか? (tanbada)
2012-01-23 20:06:12
土曜の初日 ’64を見てきましたヨ


傑作!


3作目にして No1

是非見てください
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元気です (自由人大佐)
2012-02-11 23:53:14
 本日投稿した記事に、ここまで更新をサボってきた言い訳が書いてあります(苦笑)。

 『'64』は早く見たいのですが、家族の予定が合わず、今日の時点で未見です‥‥。
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