失われた時を求めて

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20世紀少年 <最終章> ぼくらの旗

2009-08-29 22:15:14 | 映画
 息子さんのお陰で、また初日の初回に見に行ってしまいました(^^ゞ 今回は初めての「雨が降らない初日」ですネ。予報をもハネ除けるとは!

 さて、原作マンガとの相違点がやっぱり気になってしまいますが、「史上最悪のワル」は登場せず、その役回りを万丈目が「あっさり」と担っています。敷島ミカも既に「粛清」されているということで、登場するのはワンカットのみ‥‥。高須の役回りも軽くなっています。

 ヤマさんとチョーチョの絡みもあっさり‥‥。まぁ、ストーリーの流れ、特に「“ともだち”はだれか?」が観客の最大の関心事でしょうから、そこに焦点を絞った脚本はよくできていると思います。クライマックスをフリー・コンサートに持っていったのは正解だと思います。

 ただネェ‥‥、もっと「ともだち」の狂気が描かれるべきだったと思います。「死のセールスマン」によるパニックの描写(私はマンガにあった「鮭の届け物」の流れが好きなんです)、そしてアメリカを舞台にしたワクチン開発、オッチョが巻き込まれるワクチンの争奪による人間性の喪失など、もっと原作から採り入れられるべきモチーフはあったように思います。だからこそ「ともだち」が倒すべき存在だと思えるわけで‥‥。コミックス24巻分を描くには、やっぱり3部作では短過ぎるのでしょうネ。
 仁谷神父の存在感は、『第2章』にローマ法王が登場しなかったことで無きに等しいのですが、世界に張り巡らされた「ともだち」の影響を感じさせる「ルチアーノ神父」の活躍もカットされてしまっていますし‥‥。「ともだち」が世界に影響力を持つに至った理由が、謎のウィルスから世界を救ったワクチンだけというのは、映画しか知らない人にとっては弱すぎると感じられるのではないでしょうか。

 「首吊り坂の肝だめし」もカットされていて、「'70年の嘘」が薄い印象です。しかし、この「嘘」はストーリーには深く関わってくるのですが‥‥。おっと、あとはご覧になってのお楽しみに(^o^)/

 個人的に期待していたのは、昭和30~40年代の生活の様子です。原作マンガでは、ケンヂたちの小学生の頃よりも貧しく描かれていた「サナエ・カツオ姉弟」の生活でしたが、かなりあっさりと数カットのみとは‥‥。今回はバーチャル・リアリティでの過去の町並みも、「ジジババ」周辺のみだけなのが寂しいです。

 私のツボだったのは、遠藤健司さんが出演されているのですが、エンケンさんに「名前は?」と尋ねられたケンヂが、「遠藤ケンヂです。」と答えるシーン! とてもシュールに感じられましたが、静かに微笑んでいるエンケンさんの存在感に圧倒されます。

 この3部作、終わってみれば、それほどの巨費を投じた作品には見えないところが残念です。世界的規模の「ともだち」による子どもじみた征服計画を、もっと深く描いて欲しかったと思います。

 まだ初日なので、「“ともだち”が誰か?」については触れないでおきます。ただ、原作マンガの結末の唐突感よりは、深く納得できる感動は味わえますヨ(^_-)-☆

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