
玉岡かおるの書き下ろし上下で、トータル640ページの長編小説。
ふぅ~。読み応えあったぁ

明治~大正~昭和初期の神戸に実在した、かつて日本一とも謳われた巨大商社と
それを率いたこれまた実在の女性=お家さん のお話。
一時期は三井、三菱をもしのぎ、世界各地にその名を轟かせていたという。
でも、今は「鈴木」の名はどこにもない。
神戸製鋼、日商岩井(現:双日)や帝人の祖とも言える会社なのであるが。
お家さんとは、関西の立派な商家の女主人のことを指したらしい。
そんな昔に、5千人を超える従業員を束ねる頂点に女性が座っていたとは
非常に驚きである。
経済モノ大河ロマン小説とでも言おうか。
日清・日露戦争、第一次世界大戦、米騒動、関東大震災などなど。
近代日本史の教科書で見たような事柄が次々と、
ヒロイン=お家さんやら、個性あふれる登場人物たちと
共に繰り広げられる。
正直、最初はなんだか読むのが苦痛だったが、
いつの間にやら止まらなくなっていた

舞台が神戸というのも取っ付き易かったかな。
両親共に神戸の街中の生まれ、という生粋の神戸っ子を自認している
ワタクシだけど、
非常に馴染みのある地名・場所もいっぱいで。
通っていた「神戸幼稚園」の記述もあってびっくり

(そんな昔からあった園だったとは・・・JR元町駅北に今もアリ)
なんだか宮尾登美子の小説にありそうな題材なんだけどね。
NHK大河小説か、朝の連ドラにピッタリな大作であった。
ドラマ化望む


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