東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ

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ヤマハ FZR1000 20バルブ地獄

2012年09月24日 | ガレージUCG探求作業


何故かヤマハ車のネタばかりが続きますが、実作業では、ありとあらゆるメーカーのマシンを修理しているので、たまたまです。今回は少し前の時期に入庫したFZ750から広がるお話し。

バブル時代の遺産?象徴?とも言える5バルブエンジン、モアパワーに明け暮れていた頃の産物といっても過言ではないマシンかもしれません。
エンジンを開けるに至った状況としては、エンジンオイルが異常に燃えて無くなるという事。

この燃焼室を見れば、大体どのような維持がされていたかはよくわかります。
エンジンオイルはマメに交換されていたのですが、やはりトータルでの走行距離が多く、本来であればもっと前にメンテナンスをしてあげても良かったと言えるでしょう。キャブレターの状態が悪く、いつも若干オーバーフローしていたせいでエンジンオイルが燃えて生成されたカーボンと、ガソリンが必要以上に多く燃えて生成されたカーボンがとてつもなく堆積しています。

予算と実コストの溝を埋めるのがとても大変な作業でした。
腰上オーバーホールとキャブレターを見直すだけでもかなりコストが掛かります。
少しでもコストを下げるために、エンジン内部の部品を細かに計測し、交換すべき消耗品を調べた上でコツコツ組み上げます。

何故これら作業に時間が掛かってしまうのか?
やはりそれは予算によるところが大きいのは否めません。
事前に消耗品を予測し、新品部品を大量に用意して、どんどん部品を交換していけば、納期は確実に早まります。
しかし、使える部品を少しでも多く確保していきながらの作業だと、やはりその分時間が掛かってしまう。

バイク修理の中でも一番時間もコストも掛かるのがエンジン。
もし組み上げた後、問題があれば、またエンジンを下ろして見なおさなければならず、途方も無い苦労を抱えることだってあります。

余談はさておき、かなりの確率でエンジンオーバーホールが必要な場合、キャブレターオーバーホールもセットで行わなければいけないことが多くあります。
何万キロもセットで機能してきた仲間なので、オーバーホールする時もセットで見直す必要がある場合がほとんどです。

キャブがオーバーフローしていたままで、エンジンだけオーバーホールしたとしても、またすぐ燃焼室やポートがカーボンまみれになって、最悪の場合は、さらにそのオーバーフローが進行し、ガソリンでシリンダー&ピストンの油膜を洗い流し、すぐ立て傷だらけになってしまうことすらあるからです。
水冷車の場合、合わせて冷却系統もしっかり見なおさないと走行中に冷却水が吹き出して大変な事になるケースも多々あるので注意が必要です。





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