東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ

日々GARAGE-UCGで如何なる修理や探求が行われ、どんなガレージライフを過ごしているのだろうか?

カワサキ KZ400 ツイン

2009年03月22日 | ガレージUCG探求作業
類は友を呼ぶ。第二弾??

ガレージでは不思議なことに、同じ車種が同時に入庫することがよくあります。
最新の車両のメンテナンスや、よく街中で見かける車両であれば、納得がいくのですが、なぜかマニアックな車両 希少車が、同時に入庫することがあります。

同じ車両同士、呼び寄せてしまうのでしょうか。不思議です。

↓以前(もう三年以上も前)にはこんな事もありました、なんという奇跡!

http://blog.goo.ne.jp/garage-ucg/e/922d2f5a04b10ce8c4a0f225b57c6cce

全日本ロードレース選手権 In 筑波 テストもレースも激忙しいのである

2009年03月18日 | 全日本ロードレース選手権
全日本ロードレースin筑波テスト二日目のJSB1000クラス、わずか2キロ程のサーキット、一周あたり一分を余裕で切るタイムにて周回を重ねる中でのメカニック業務は全国を転戦する中でも一番過酷な部類に入ると言えるでしょう。

このサーキットできっちり仕事をこなせれば・・・きっとどんなサーキットでもきっちり仕事が出来るに違いない。

現在の所、テストの成果は大きなトラブルも無く??順調です。
大変なのはやはり花粉&黄砂・・・何度くしゃみをした事でしょうか?
サーキット内でマスクをしていたり、くしゃみをしている関係者を多々見かけます。

レースメカニックは1日の走行の中でどんな仕事をしているのでしょうか?
実は知っているようであまり知られていないかもしれないので、今回は少しそんな話もしてみましょう。

たった一台(Tカー含めて二台)のバイクを走らせる為には、全てデーターの積み重ねが求められて来ます。
走らせる上で絶対に必要なのは、まずガソリン。こいつが無くては腹が減っては戦は出来ぬ。燃費を知る事も大切です。
バイクにおけるガソリン=彼らのエネルギー。

次にタイヤ。コンパウンドや空気圧、全てが重要な要素です。もし一つ間違えばそれが即転倒に繋がる、しかもそれが自分ではなく選手が見舞われてしまうのです。その代償は計り知れない。

↑一番上の画像。
用意されているホイールとタイヤの本数を見て頂きたい。(これが全てじゃないですよ)
もちろん全て超軽量マグホイール&スペシャルタイヤ。
ホイール単体の重さは・・・軽すぎて表現出来ません。普通に購入したら・・・二桁確実。
雨が降ったりやんだり、路面が濡れたり乾いたりするような状況で天気の予測がつかない時にはこれにレインタイヤも何本か加わり、管理はさらに大変になる。1日で何回ホイール&タイヤ交換しているのでしょう??数を数える余裕もありません。


そして足回り=サスセッティングや車高、これまた速く走らせる上では絶対欠かせない。
走行テストを重ねる中で、どれがベストなセッティングなのか、ありとあらゆる方向へトライしながら、ベストセッティングを探り出す。

これだけでは無く、管理されるデーターはとにかく膨大。ブレーキや吸気系、とにかく限られた走行時間の中で、秒単位の仕事が求められてくる。

選手が走行中は、サインボードを出し、ストップウオッチで計時しながらそれらを記録し、次にピットインする時のタイヤを用意したり、次にいかにしたらタイムが上がるかを考えたり、と同時に、ガソリンはまだ足りているか?タイヤは大丈夫なのか?
いかにしたら作業効率が上がるのか?とにかく心配事や問題解決のプロセスは尽きませぬ。

まるで機械のように正確に周回を重ねる中でほんのコンマ何秒ですら遅かったりすると何かトラブルがあったのか?
もしかして・・・???と脳裏を過りつつも、走行中のメカニックは選手を信じる以外に何も出来ない。
そう、走り出したが最後、オートバイとは孤独な乗り物なのである。

選手もメカニックも、絶えず先の事を考えながら、現在求められる仕事をとにかく確実に消化していくのだ。

時に半端じゃない程に高温のマフラーやブレーキ=ディスクローターで火傷をしたり、気付かぬうちに怪我をしていたり、足を挫いたり、腰を痛めたり、とにかく全てが闘い。

足は挫いても心は挫けず。最後にチェッカーが振られるその瞬間まで一瞬足りとも気は抜けない。
1日の予定が終わった後の安堵感もまた計り知れず。これに炎天下が加われば・・・想像するに容易い。

戦いを終えた後は、メカニックグローブが傷だらけ、あまりにもの高温で、作業中にグローブ自体が溶けてしまうのです。
あーあ、せっかくのグローブがボロボロだよ。
↓下画像参照



☆青いグローブ(こいつは有名だよね)は耐熱対策が施されていないため、人指し指の付け根部分が空気圧を計ったりする際に、大径のディスクローターに微妙に触れ瞬時に溶け出すのが見て解る。(↓下画像参照)作業しやすい反面、指や手の甲を火傷する。瞬時に溶け出し、最悪は高温のディスクローターがジュッと皮膚を焦がす。これで何度火傷したことか・・・とほほ



☆赤いグローブは耐熱対策を施したプロトタイプのスペシャルグローブ。去年シーズンから続けており、今現在もグローブのテストは進行中で、グローブメーカー&工具屋さんと意見を交え改良を加えつつデーター収集中、とにかく使い倒せ!!
過酷な環境に手を突っ込め~!!
作業製と難燃性を両立させたオールラウンダーがこいつなのだ。(=他2モデルのグローブの良いとこ取り=現在開発中)

☆少し地味な濃紺のグローブ(反射してピッカリしているグローブ)は、消防士が使うようなスペシャル素材で出来た超耐熱バージョン。難燃性のグローブではあるが、細かな作業が苦手だけどタフなヤツ。

1日のメカニック作業の中で、要所要所にこれらグローブを使い分けたり分けなかったり・・・


でもきっちり走行テストが終わった後には熱で溶けてしまったグローブも勲章なのだ。
走行中のマシンだけじゃなしに、ピット内の環境やメカニックの動きを細かくチェックしてみるのも、コンマ1秒を争うレースにおける醍醐味かもしれません。とにかくいろんなアイディアや経験がそこかしこに凝縮されて成り立っている。

そうなのだ!!飽くなき探求に終わりは無いのである。

まだまだ今シーズンは始まったばかり、テスト&レースは続きます。
いつまで経っても初心忘るべからず初志貫徹。
さぁ、明日も早朝から頑張るぞ~!!

以下おまけ





全日本ロードレース選手権2009In筑波開幕テスト 二日目

2009年03月17日 | 全日本ロードレース選手権
本日は開幕戦へ向けての、2009年初走行テストでした。ライダーに合わせて、数種類ものタイヤをテストしていきます。

車両や、乗り方によっては、いろいろなタイプのタイヤをあわせていきます。タイヤだけでなく、ライダーの意見を聞き、車両に関しても、さまざまなセットアップをしていきます。

レースの場合だと、何ラップかでタイヤを新品に換えてしまうことがありますが、通常の使用(通勤や、ツーリング)の場合では、タイヤや、部品を新品に換える方は少ないと思います。でも、レースでタイムを競うわけじゃないからといって、何年もまえに替えたタイヤで、走り出すのはいかがなものかと思います。

タイヤの溝があるから、少し古いタイヤでもまだ大丈夫だとか、空気圧の点検を怠っていると、大変な事故につながってしまうことがあります。

実際、レースにおいても、タイヤに関していえば、タイヤの空気圧のチェックや、コンパウンドの違い、温度の管理をなど、さまざまなチェックをしております。タイヤの空気圧に関していえば、走行前、走行直後、タイヤを組み替えてもらった後は、必ず空気圧の点検&調整をします。

だからといって、毎日点検とはいいませんが、乗る前に点検、週に一回、月に一回の、空気圧の点検や、タイヤの点検をしてみてはいかがでしょうか。

たかがメンテナンス、されどメンテナンス、ちょっとした気遣いで、安全に走行出来るようになるのではないでしょうか。




全日本ロードレース選手権2009In筑波開幕テスト

2009年03月16日 | 全日本ロードレース選手権
今年もやってまいりました、2009 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第1戦、スーパーバイクレース in 筑波。

本日よりテスト開始です。昨年同様、RACING TEAM森のくまさん佐藤塾仙台にて、ガレージUCGもJSB1000クラス♯62横江竜司選手の操るYZF-R1メカニックとして参戦、飽くなき探求心はそのままに、ガレージ業務は勿論の事、レースメカニックとしても今年も頑張って参ります。初心忘るべからず、即ち初志貫徹。このレースの世界、目指すは何時だって表彰台。

都内からも一番近いサーキットが筑波サーキットなので、これまでにレース観戦をした事が無い方も、足を運んでみれば、きっと興奮の世界が待っていると思います。100年に一度と言われる不景気真っ最中、主要企業チームの撤退や規模縮小相次ぐ中、恐れる事は何一つ無い、不況という逆境こそが、今むしろチャンスなのかもしれない。

探求者諸氏=皆様アツい応援よろしくお願いします!!

開催日: 2009年4月4日(土)公式予選 2009年4月5日(日)決勝レース

↓全日本ロードレース選手権詳細は以下からアクセス

http://www.superbike.jp


その先にある危険を回避する為の整備

2009年03月10日 | ガレージUCG探求作業
ガレージには、日々いろいろな整備依頼がやってきます。通常のメンテナンスや、部品交換など、その内容は多種多様です。特に、事故車両の修理には気を使います。

事故車両の場合、転倒による外観の擦り傷や打痕がとても目立ち、オーナーの方々も、外装のことを気になさることが多いのが現実です。しかし、実際に分解してパーツ単体にして見なければ解らないことも多々あります。

車両は、TL1000Rの逆輸入車です。写真を見ていただければ一目瞭然なのですが、ステムベアリングのレース部分に打痕や、シール部分のめくれが確認できると思います。しかし、実際にステアリングを左右に動かしてみたり、車両を前後に動かしてみても、少し動きが悪いぐらいで、実際にはここまで破壊されてるとは、体感できないことが多いです。

実際に動かしてみて、問題ないからといって、確認もせずにこの状態のまま乗り続けていくと、ベアリングのボールが破断して、ステアリングが切れないというような、恐ろしい状況に陥ってしまうことがあります。

人間という生き物は、非常によく出来ていて、ある程度動きが悪くなったり、乗りにくくなったりしても、乗りこなせてしまえるもので、機械的に最悪の状態であっても、こういうものだとか、少し乗り方を変えれば今まで通り問題ないと思い、いつも通り車両を操作出来てしまいます。逆に言えば、ちょっと気になったところでも、機械的には、数パーセントの誤差でしかないのに、何か変だ、と感じられるのが人間のすばらしいところで、どんな精密なセンサーよりも、不具合を感知する能力があります。

実際に、少し変だなと感じても、予算がないからとか、このままでも問題ないと判断してしまい、大きな事故につながってしまったり、単純なことで、予期せぬ転倒に遭遇してしまうこともあります。

事故車両だけでなく、どんな整備や修理でも、多くの方が見た目だけで判断して、修理や、整備をしないケースが多いのですが、メンテナンスを怠っていると、なんでもないような場所が、凄く破壊されていたり、機能していない場合が多いのです。

神経質に物を捕らえるべきだということではなく、何か気になったり、今までと少しでも違うと感じたら、点検してみたり、ご相談していただきたいものです。

たかがメンテナンス、されどメンテナンス、面倒くさがらず、少しでも気になったら、分解整備をされてみたり、ご相談されてみてはいかがでしょうか。

ホンダ フュージョン スロットルワイヤー交換

2009年03月04日 | ガレージUCG探求作業
画像だけ見ると、残念なことに事故でもおきた車両か?。などと思うかもしれませんが、実はタイトルにあるように、スロットルワイヤーの交換作業中の写真です。

フュージョンに限らず、スクーターと呼ばれるシリーズのそのほとんどが、構造上、キャブレターが車両後部にあるため、スロットルワイヤーも長く、ワイヤー事態も、カウルの内側を通しているため、この写真のように、ほとんどの外装パーツをはずしていかなければなりません。

たかがスロットルワイヤー交換と思っている方もいらっしゃいますが、凄く時間も、お金もかかる作業なのです。

マメにメンテナンスを行っていれば、スロットルワイヤーの寿命も延びますし、ワイヤーが解れてきても、直ぐに気づくことが出来、エンジンはかかるのに、バイクショップまで押していかなければならないとか、引取りに来てもらい、余計な出費を防ぐことが出来ます。

あくまでも消耗品なので、最終的には伸びたり、切れたりしてしまいます。だからといって、メンテナンスを怠っていると、スロットルワイヤーの動きが悪くなったり、消耗度合いも早まってきます。

面倒くさがらずに、ちょっとしたメンテナンスや、目先のお金のことだけを考えずに、早めの消耗品交換で、余計な出費や、手間を防ぐことが出来る、この不景気感漂い、消費を抑えなくてはならない最中、きっとそれは最善の選択になるに違いない。


ヤマハXS650Specialのクラッチプッシュロッド

2009年03月03日 | ガレージUCG探求作業

この車種に限らず、1970~80年代の車両にはメーカーを問わず、写真のようなクラッチプッシュロッド機構となっているものが非常に多い。
この時代のもっとも一般的な構成だといえるが、
「プッシュロッドにチェーンからの汚れがかかる」
(チェーンの進行方向が急激に変わる位置だけにもっとも汚れが飛散しやすい)
「汚れたロッドがオイルシールに出たり入ったりする」
という、オイル漏れしてくださいといわんばかりの構造になっているのはなぜだろうか?
せめてロッドの部分にブーツをつけるとかしないのは、メーカーの怠慢だとしか思えないのだが。

シールが痛むと漏れたオイルがチェーンにからみ、さらに泥を寄せ付けて内部の汚れは加速度的に進んでいく。ドライブシャフトのシールやチェンジロッドのシールなども、汚れがたまると痛みも早くなる。




痛んだシールを交換する際は、せめてこのくらいは清掃してからでないと、作業中に余計なトラブルを起こしたりもするし、後にオイル漏れが発生した際に箇所が特定しにくくなる。

また、シールを圧入する際は、クランクケース合わせ面の段差を均したり、穴の外側を丹念に面取りする必要がある。そうしないとうまく圧入できなかったり、折角圧入した新品のシールでも容易にオイルが滲んできたりする。

クラッチプッシュロッドは車種によってクランクケースに圧入されたメタルによって保持されていたりする場合もあるので、挿入してグラグラしているようなら可能な限りそのメタルも交換してやるとよい。

ドライブチェーンの重要性

2009年03月02日 | ガレージUCG探求作業
既に何度か話しているチェーンについて。

画像は、酷使され続けてしまったヤマハGX250号のチェーン&スプロケ部分。



↑チェーンがガタガタになっている部分は、既に片側が破断している状態。

エンジンで発生する力をリアタイヤに伝える要部分がまさに凝縮されている。
何十馬力、あるいは百馬力オーバーの力をこのチェーンだけで受け止めると考えれば、その役割は計り知れない。

はたまた、走行中にチェーンの破断や脱線、噛み込み等のトラブルで走行出来なくなってしまった経験がある方ならば、その大変さは既に経験済みであると思う。

とにかく脱線してしまい、変にチェーンが挟まってしまうと、道路のど真ん中からバイクを退避させる事すら一人では困難になってしまう事もあるので十分注意したい。

悪い状態になってしまったら、スプロケット&チェーンを交換する以外に対策方法は無いのだが、逆に交換サイクルを少しでも長くする為にはどうすれば良いのだろうか?

その為には、一ヶ月に数回程でも良いので、チェーンオイルを塗布する事。
高速走行や雨天走行が多い場合、その時の走行で大半の油分が飛んでなくなるので、乾燥後にしっかりとオイルを塗布する事が求められる。

チェーンとスプロケットが互いに削る作用を減らせば、それはつまり長寿命に繋がる。
少なくとも、何十年も経っている車両のこれら機能部品に付いて言えば、当時物という付加価値は存在しないので、そういう部分への誇りは一切捨てて、事前に現代レベルの高性能な部品に交換してあげる事が、全てのトラブルの予防や、コスト削減に繋がる。

ちなみに、XS-UCG号では、鉄スプロケットとシールチェーンの組み合わせによる耐久テストで、約六万キロ維持出来た結果がある。その場での出費は部品代としては大きいが結果走りきった距離で比較すると、シール無しの安いチェーンと価格的にはかなり跳ね上がるシールチェーン、コスト差以上に耐久性が高い。

何度も書いているが、チェーンが脱線すると、スプロケット固定ネジを破損させて、修理に手間が掛かったり、スイングアームを広げてしまったりという大きなダメージを与える恐れも多々あるので、注意しなければならない。

また万が一、走行中にチェーンが破断すると、最悪の場合、エンジンのケースをいとも簡単に破損させたり、暴れたチェーンが足に当たれば、足の肉は簡単にえぐられてしまう程の力があるという点を忘れないでいただきたい。

駆動系=チェーン関連で話を広げると、チェーンラインが出ている事は大前提として、ホイールベアリングと、ハブダンパーに気を配ってあげる事も忘れてはならないポイントだ。

もし、これから10年、20年前のバイクに乗り始めようと考え、実行していくならば、チェーン周りもコストは掛かるが真っ先にメンテナンスしてあげるべき箇所であろう。

対応を疎かにすると、とてつもない代償が待ち受けている。

簡単に出来る事と言えば、まずは注油から、しっかりと始めてみよう。
なんでも自分でやるというスタンスはとても大切である。だが、もしその時に、何をどうすれば良いのかわからなかったとしたら、実際にガレージの門戸を叩いていただきたい。いつでも最善のアドバイスが待っている。

↓スプロケットを固定するマウントボルト&ナットが大きく削られてしまっている。今回は修理で対応出来たので良かったが、最悪の場合、部品交換になるケースもある。