東京 新宿 バイク修理 「探求」 ガレージUCGブログ

日々GARAGE-UCGで如何なる修理や探求が行われ、どんなガレージライフを過ごしているのだろうか?

カワサキZ1 スイングアームピボット部分のオーバーホール

2008年12月30日 | ガレージUCG探求作業

写真はカワサキZ1のスイングアームピボットに使われているブッシュだ。よく見ると無数のカジリがあり、グリスで潤滑されていたとはいえこれではガタが生じるのも無理はない状態だった。リアタイヤの後端部が手で横に動かしてみて数ミリ動く程度だが、フルパワーをかけた状態ならブレはそれでは済まされないだろう。

ブッシュ類は走行距離が伸びればヘタリがくるものであるのは仕方がない。後にはこの部分の動きをよくするためにニードルローラーベアリングやスラストベアリングを使用している車種もあるし、Z1用としても社外品のベアリングも用意されているくらいだから、外から見えないこの部分をチューニングするのは玄人好みの改造であるだろう。

だがもっと基本的なこととして、このピボット部分にヘタリがくる原因のひとつに、チェーンの張り調整が関係していることを認識していない人も多いようだ。
チェーンの張り調整が適切にできていないと(とくに張り過ぎの場合)、パワーをかけたときだけではなく、リアサスペンションが動いているあいだ、絶えずピボットに負担がかかってしまう。チェーンのたるみを気にするあまりついつい張り過ぎてしまう人は多いようで、リアサスの動きがよくない原因の代表的なもののひとつがこのチェーンの張り過ぎだと言っても言い過ぎではないくらい、ガレージに入庫する車両に張り過ぎな状態のものが多い。張り過ぎるくらいなら少々たるみが多めなくらいの方がまだ車体への負担は少ないが、たとえばスイングアームを改造したりリアサスペンションを延長している車両のなかには、乗車状態でパワーをかけていてもチェーンがピボット部分のスライダーに干渉しているなどというとんでもない構造のものもある。

理想を言えば、ドライブシャフト中心からピボットシャフト、リアアクスルにいたる三点を一直線にした状態で、わずかにチェーンが上下に振れるくらいにしたい。チェーンに若干の片伸びがある場合は、もっとも張りのキツい部分でそうなるように調整すべきだ。そうするだけで、チェーンやスプロケットにかかる負担は最小限にすることができるし、同時にピボット部分への負担も軽減させることができる。

オートバイの整備におけるもっとも基本的な作業である「チェーンの張り調整」。これも実は奥が深い。


最新の画像もっと見る