解説(前半)
パターン分析のひとつで、カテゴリー分けをするなら、三角分析の派生である。
滅多に出現しないパターンなので、活用できるチャンスは少ないが、経験上、値動きが荒いボラタイルな相場(といっても、ギャップだらけでも困るのだが)で、比較的多く見られる感覚があり、為替ではポンド円での記憶が多い。
手ごろな実物が無かったのだが、ボラタイルな通貨ではないものの、全体像は2009年8月6日のドル円相場で確認できる。
それまでトレンドがあった相場が収束期を迎えて収斂(しゅうれん)したとき、そのトップ(天井)やボトム(底)で、菱形状を形作った場合がダイヤモンド・フォーメーションとなる。
菱形の後半だけを見れば、ペナントやウエッジのフォーメーションと同じであり、考え方も概ね同じだが、反転する可能性がより高いパターンとされており、確認できた場合は比較的早めに相場方向を想定して動ける。個人的に、三角分析をする際には、ブレーク方向に対して先入観を持たないようにしているが、ダイヤモンドの場合は、反転を意識している。ただ、あくまで意識の範囲にとどめ、実際はブレークなしに、事前の行動はしない方向だ。
前半も、揉み合い相場であるが、上値・下値を拡大しつつも方向性が無いという、厄介な収束期のパターンで、波動的にはY波動に相当する。それぞれ新値を更新する際に、その方向へブレークする期待が掛かるため、このような形状になるのだろう。
いかにも“往復ビンタ”を喰らいそうなチャートであるが、場面を想像すると、以前のトレンド方向へ新値を更新する場合は、トレンドの再開とばかりに勢いがつくのは理解できる。ただ、反転側に振れたときにも勢いがつくということは、反転方向にも賛同する力が芽生えていると考えられる。
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