評価損失を実現損失とするために決済する取引またはそれを目的とした注文。ストップロスという概念で認知されつつある取引手法だが、特殊な注文種類を指しているわけではなく、指値や逆指値、市場成行などどの注文で取引しても問題はない。
損切り取引を行おうという心理として
・現在の建玉では収益が望めそうにないので効率の悪い玉を損失覚悟で決済したい
・ある水準以上に損失が拡大する状況はつくりたくないので、もしもそうなってしまえば決済したい
という背景が想像できるがいかがだろうか。
投資をする際に、損をする可能性がある投資をリスク投資ということがあるが、リスク投資であるがこそ大前提にはリスクの限界は設定する必要があり、その限界が訪れない範囲で、金利を狙ったり、価格上昇を狙うのが基本である。
相場取引をする際に、損切りのイメージはお持ちだろうか?
確かに余りに建値の近くに損切りをイメージすればたちどころに該当してしまい、損失ばかりが確定してしまう可能性が高くなるが、良くある話のように
「紙になるまで保有して、紙となったらなったで損失リスクも限定できる!」
とばかり、一度買ったら何が何でも永遠に保有するというポリシーの投資家もかなり居られると感じる。
このように、資産分散的に為替取引を利用される前提であれば、最悪は外貨価値がなくなることを最大損失限度とすることは可能だ。しかし、そうする場合は実際の金額がなくなっても良い範囲で保有額を決定すべきだ。株式の現物取引と同じ概念だが、証拠金取引のような信用取引では実際に預託する証拠金は、実取引額より少ないのが通常となることから、ありえない金額を取引しないような注意が必要である。
一方で、この資金効率を上手に使うことで、実際の資金では取引できない額を取引でき、取引額に見合った差益や金利差益を狙うことも可能だ。ただし、この場合は明らかに「紙くずまで保有する」ことは不可能で、その前に必ず取引できなくなるのは当たり前のこと。「紙くずになるまで保有」したいのなら、それができる額を取引すべきだし、或いは先にリスク深度を設計した上で、その範囲の中で差益と金利差益を狙うという、しっかりしたリスク管理が必要であると思う。
換言すれば、1年の継続を希望する場合は取引額の20-30%の資金が必要になることもあり、一方でデイトレードなら取引額の5%もあれば24時間ももたないケースは非常に稀ではないか。勿論、損切りを行うのなら利食う観念も必要である。方法はいくつかあるが、概念がなければせっかくの収益も限定することが出来ず、結果的に損切りのリスクだけが付きまとうことになる。相場は永遠にトレンドを継続することはないのが現実だ。
【外為ハンドブック さ行-S】あと
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