95/06/15 亀甲に刻まれた年月、人の顔に刻まれた年月‥同じ年月だろうか?
古代の太占(ふとまに)は亀の腹の甲の裏に「と・ほ・かみ・ゑみ・ため」の五つの線を刻み、、それを焼いて表にあらわれたひび割れの形で吉凶を判断した。
吐菩加美 依身多女(とほかみえみため)は、伊奘諾尊が禊ぎをしたとき実際に唱えたとされ「遠つ神、恵み賜へ」に由来するといわれる。
『とほかみえみため』は、とほを刀、かみが鏡、ためが玉で三種の神器を示すので三種の祓い詞とされている。
すると「亀甲に刻まれた年月」の年月の部分が「遠つ神、恵み賜へ」に対応することになる。年(トシ)はニギハヤヒの青年期の名前、「月」はニギハヤヒが崩御したあとの月讀としての姿。いずれにしてもニギハヤヒの霊が宿ることになる。
「人の顔に刻まれた年月」を解くには、最後の伝承者とされる明治天皇の崩御後、時代の表面から姿を消した伯家(はっけ)神道の行を思い出そう。それには『御鏡御拝(みかがみぎょはい)の法』と『息吹永世(いぶきながよ)』そして、『十種神宝御法(とくさのかんだからごほう)の行』がある。
そのうち『御鏡御拝(みかがみぎょはい)の法』とは鏡に写る自分の姿に拍手を打って拝礼するのである。
一見不思議な行法だがかれは自分の顔に刻まれた年月に拝礼するのだ。
なぜ拝礼するかといえばそれはニギハヤヒの仮面なのだから。
説明しにくいことだが「同じ年月だろうか?」と尋ねられたとき「同じ年月だ」と答えるしかない。
亀甲に刻まれた年月も人の顔に刻まれた年月も最終的には「在りトシあるモノ」のひとつの形にすぎない。
funio
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