吉嶺史晴のブログ

リコーダー奏者吉嶺史晴のブログです。演奏活動ならびに鹿児島市で音楽教室を運営しています。

Mudai | Fumiharu Yoshimine | JRAM London, Marko Blanusa | Woodwind Competition, First prize recorder

2023-12-29 | You Tube
Mudai | Fumiharu Yoshimine | JRAM London, Marko Blanusa | Woodwind Competition, First prize recorder


吉嶺史晴作曲 無伴奏テナーリコーダーのための「ムダイ」がマルコブラヌサさんによって演奏されました。
有難うございました!

仕事の合間に

2023-12-26 | 日常雑記

仕事の合間に小さな畑で野菜を育てています。
大根が収穫できました。
市販のバナナよりもひとまわり、立派に育ちました。

化学肥料や農薬は使わないで、もみ殻と米ぬかだけで育てています。
春菊も良い感じで育っています。

小さい畑で土いじりをしたり野菜の世話をするのは良いです。

今日はもみ殻燻炭と、米ぬかをもらったので、これから「ぼかし肥料」を作ってみます。

その昔、ギリシャ時代に言われていたこと。「音楽は宇宙の調和のための根本原理」。
これ、言葉だけだとなんだか抽象的過ぎてわかりにくいのですが、実際に野菜を作ったりしてみると、実感がわいてくるようです。

心から敬愛する音楽業界の先輩が「音楽は舞台だけにあるものではない。生活そのものが音楽なんだ」と言ってたのを思い出しています。

鹿児島地方はひところの寒さがほんの少しだけ和らいで来ました。

2023年仕事納め

2023-12-22 | 日常雑記
教室でのレッスンも、勤務先での授業も年内の分は全部終わりました。

今日は大学で管弦楽法、合奏(リコーダー)、そして副科リコーダーのレッスンでした。
皆よく頑張りました。

管弦楽法では様々な楽器の組み合わせでどんな音が出るのか、あるいはまた単一の楽器だけでどれほどの音色の変化があるのか、というようなことも取り扱っています。
今日はリコーダーを取り上げてみました。

題材は引き続き、廣瀬量平の「メディテーション」です。
この曲は先だって合奏(リコーダー)のなかでミニコンサートとして演奏したのですが、今日は管弦楽法のなかでもっと詳しく分析してみました。

ミニコンサートみたいな音楽的な空気にはなりませんでしたが、学生諸君も興味深く分析に取り組んでいました。
表面的には、どこにでもありそうな前衛音楽に見えますが、この曲は均整のとれた対称構造になっていたり、あるいはまたファのシャープの音が様々な形で表れて来たりする点では西洋の古い楽式に則っているとも言えます。

でもやっぱり細かい理論は置いて、楽曲それ自体が備えるチカラ、場のチカラ、そんなものを余計な力みがなくスマートに表現できるような、そんなところはやはり演奏者として目指してゆきたいと痛感します。

合奏(リコーダー)は小テスト。
ひとりひとりが別室で私と課題曲を二重奏しました。
課題はテレマンの二重奏ソナタより、アレグロ。

アレグロとはいえ、皆リコーダーにはさほど慣れていないので、人によってはとても遅いテンポになります。
テンポが遅いと、また別の難しさが生まれるのですが、そんな細かいこともとりあえず置いて、まずはちゃんと音が出ているのか、どうか、そのあたりを小テストしました。

なかには、驚くほど良い音色を出す人も居て、嬉しい驚きです。
嬉しい驚きがあると、私はその瞬間、あまりにも深く感動してしまい、言葉を失ってしまってまるで放送事故みたいになってしまいそうになるので、授業中とかレッスンの時にはこの点、いつも気をつけています。

歳を重ねてくると、涙もろくなると言われますが、それだけではなくて、ある美しさを備えた音色が予期せぬタイミングで出現すると、ものすごく心が動かされます。

でも教師の心がいくら動いても、それで学生諸君のリコーダー演奏技術が高まるはずもなく、それはそれでかなり意識的に切り離すようにしています。

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副科リコーダーのなかでの課題曲のひとつはG.ジェイコブの「変奏曲」です。アルトリコーダーとピアノのための曲です。
副科としては難しい曲ですが、これほどの曲に取り組める人も居るのは自慢出来ます。

この曲を弾くといつも思い出すことがあります。
もうずいぶん前、リコーダーの道を目指してレッスンに来てくれていた娘さんが居ました。
ジェイコブの「変奏曲」を発表会や、地域のコンクールや、音楽大学のためのオーディションのために何回も一緒に演奏しました。
そんなことも遠い思い出となりました。

なんだか最近、昔のことをよく思い出します。
ちょっとだけひとり語りします。

ベルギーに留学する前、東京の下町の木造アパートに2年間くらい住んでました。
お金貯めようとしていたので、4帖半に住んでました。
そこではリコーダーの練習できなかったので近くで練習させてもらえるところを探してそこで練習してました。

またインターネットもなくて、携帯電話もなくて、4帖半にファックス一体型の留守番電話を置いてました。
風呂は近くの銭湯に行ってました。

南こうせつの「神田川」の世界でありました。

アルバイトしたりしながらお金ためてました。
世の中はバブルのまっただなかでしたが、私は全然そういうことと関係ない暮らしでした。

アパートは西日暮里というところにあったのですが、アルバイトが休みの日には歩いて西日暮里から上野まで歩いたりしてました。
あの辺は江戸小物細工の店があったり、庶民的な八百屋とか、おじさんとおばさんがふたりでやってる中華料理屋とか、昔なつかし昭和の喫茶店があったりして、今となってはもう夢のようです。

昔のこと思い出すのは歳とった証拠かなと思いますが、もうそれも良いことにします。

2023年の授業、レッスン関連の仕事がひと段落してちょっとだけ、こんなこと書きたくなりました。

鹿児島市は今、摂氏3度くらいです。
もうすぐ2023年のクリスマスです。


フルートのための「桜」(独奏)"Sakura - Cherry Blossoms" for solo flute by Fumiharu Yoshimine

2023-12-22 | 日常雑記
フルートのための「桜」(独奏)"Sakura - Cherry Blossoms" for solo flute by Fumiharu Yoshimine


こちらは吉嶺史晴作曲 無伴奏フルートのための「桜」(独奏)という曲です。
今日はドイツからこの曲の楽譜をお求めいただきました。
フルートのための曲として作曲したのですが、テナーリコーダーでも演奏できます。
有難うございました!



2023年12月8日の”メディテーション”

2023-12-17 | 読み物
勤務先の大学で担当している授業のひとつに、合奏(リコーダー)というものがある。

教職課程の必修科目である。普段は声楽やピアノ、管弦打楽器を専攻している学生諸君が週に1回、この授業を履修する。
後期だけの授業なので15回の授業のなかだけで基本的なリコーダー奏法とレパートリー、そしてアンサンブルの方法について学ぶというものだ。

後期の授業も残すところあと5回というところまで到達したのが12月8日の金曜日だった。

授業開始は10時50分。
ひとしきり基本的な音階や分散和音、イントネーションを合わせる練習や、今までに授業のなかでやった曲を練習した。
ここまではいつもの授業と同じ。

授業は12時20分まで。
ちょうど12時が少し過ぎた頃に僕は学生諸君に向かって言った。

「20世紀を代表する日本人作曲家のひとり、廣瀬量平が1975年に書いたメディテーションという曲がありますが、これを聴いてみたい人は居ますか?」

学生諸君はしーんとしてた。
それはそうだろうと思う。
もしかしたら、廣瀬量平という作曲家の名前を知らない人も居るだろうし、ましてやいきなり「メディテーション」などと言われても戸惑うだろう。

僕は学生諸君にメディテーションの楽譜を見せた。
小節線もなく、なにやら見慣れない記号や図形が沢山並んでいる。

楽譜を見せながら、20世紀にリコーダーが復興して来たこと、ちょうど時期を同じくしてヨーロッパだけではなく、日本でもルネサンスやバロック音楽の復興と並んで現代的な作品が書かれ始めて、そこには当時の西洋音楽の最先端だったであろう図形楽譜や偶然性といった考え方、そして日本の伝統的な横笛や尺八の奏法が取り入れられていることなどなど、そんなことを話した。

学生諸君はそれでもまだまだ、あまり興味なさそうだった。

でも、もうそれは良い、と僕は思った。

授業の大きな目標は基本的なリコーダー奏法を習得することにあるのだけれども、そのためにはやっぱり、リコーダーとはどんな楽器なのか、どんな可能性を秘めた楽器なのか、ということを学生諸君に知って欲しいのだ。

僕は言った。なるべく感情を入れないようにして、冷めた調子で。
「はい。授業中だけど、今日はこれからミニコンサート。曲は廣瀬量平のメディテーション。メディテーションの意味は瞑想。ミニコンサートだから演奏が終わって、良いな、と思ったら遠慮しないでわ~~~っと拍手ください。管楽器専攻の人はこっちに来て楽譜見ながら聴いてください」

演奏した。
多分、演奏時間は多分、5分ちょっとくらいの間。
でも最後の音が終わってから、自分で言うのも何だけれど、ものすごくカッコイイ無音の時間があった。

教室の外からかすかに、遠くを走る車の音や、鳥の鳴き声や、学生諸君の誰かの椅子が動いてきしむ音がした。

そして、なんだか言葉にするのがもったいないような学生諸君の拍手が起きた。
そこには何か大切なものがあった。

僕も思わず拍手をしてしまった。
拍手をしてくれた学生諸君に対して。
そして曲を作ってくれた今はなき廣瀬量平先生に対して。
そして、その時間と空間に対して。

すごく、口はばったいのだけれども、祝福された空間というのはこういうものなのではないかと思った。

でも今、思い返すと、拍手をしてくれている学生諸君に向かって拍手をしている僕はまるで呆けたような、間抜けな顔をしていたのではないだろうか。
テレビで芸能人みたいな人が沢山、出演するような番組で、それぞれの出演者が紹介される時に、自分が紹介されて、自分で拍手をする芸能人を見て、「バカみたい」と僕は思っていた。

でも、僕自身がそうなってしまった。
皆の拍手につられて僕も拍手してしまった。

昔、昔、そのまた昔、日本列島には人があんまり住んでいなかったので、道端で人に会うと、互いに手を叩いて喜び合ったと聞いたことがある。
もしかしたら、ほんの少しだけ昔の日本人の気持ちに近づくことが出来ただろうか。
でも、そのきっかけは1975年当時、時代の最先端をゆく前衛音楽 廣瀬量平作曲 無伴奏リコーダーのための「メディテーション」

もうずいぶん長い間、この楽器を演奏して来た。

でも「メディテーション」はしばらくずっと吹いてなかった。
なんだか、この曲、おどろおどろしい曲だと、僕は思い込んでしまっていたのだ。

でもそうじゃないのかも。
僕はこの曲を長い間、読み取り損なっていたのだ。

2023年12月8日、その場に何かのチカラが降りて来て、「メディテーション」と再会した日。

追記:再会する、ということは自分自身が新しく生まれ変わることと似ているのだ

鹿児島市で古楽器体験会(12月23日、24日)

2023-12-11 | 音楽教室

鹿児島市の吉嶺音楽教室にて古楽器(チェンバロ、リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバ)の体験会を開催します。

期日:2023年12月23日(土曜日)、24日(日曜日)
時間:13時~17時
対象:チェンバロ、リコーダー、ヴィオラ・ダ・ガンバに興味があって実際の楽器に触ってみたい方
一枠:30分 参加費無料(御希望の方にはワンポイントレッスンさせていただきます)

この機会に普段、なかなか触れることの出来ない古楽器の音色であなたのイメージを膨らませてみませんか。


チェンバロは1段のイタリアンです。弦をはじいて音を出す楽器です。
普段はA=415Hzに調律してあります。



こちらはヴィオラ・ダ・ガンバ(6弦)です。
フレットが付いているので弦楽器初心者の方でも音程が取りやすいです。

お問合せ 吉嶺音楽教室 nangokurecords@goo.jp