吉嶺史晴のブログ

リコーダー奏者吉嶺史晴のブログです。演奏活動ならびに鹿児島市で音楽教室を運営しています。

「空気感」そして「ステレオ感」

2015-06-29 | 音楽制作覚書
「空気感」と「ステレオ感」(こんな言葉あるのかな・・・)って別のことだけれども共通のとらえかたとしてはそこで実際に音が出ている感じを尊重しようとする態度。

擬似的なステレオと本当のステレオって全然違うし、本当のステレオにしようと思って、素材を録音しようとしても、音源とマイクの距離、角度次第ではステレオで録音しているつもりなのに、ほとんどステレオ効果が得られない場合だってある。

多重録音の難しさ。
ちょっと気を抜くと、スピーカーの前にぺた~っと貼り付いたような平面的な音になってしまうことがある。
例えば、自分自身でサンプリングした素材などを使う際には最初の素材を録音するその段階で適切なステレオ感、あるは空気感のある状態が必要だ。

でなければその先の段階でどんなにイコライジングしたり、定位をいじったり、エフェクトをいじってもまず役に立たない。
これ、すごく大事なことだと思う。

リバーブ系のエフェクトは使いようによっては非常に効果的なものだけれど、録音された素材そのものに空気感がなければそれをどんなにいじっても空気感のあるものにはならない。

サンプリング用の素材を録音する際には、その素材の最終的な使い方までイメージした上で録音作業を行うというのも大事かと思う。
音がとれるのは当たり前で、その音がどのような空気感、ステレオ感があるのかということ。


その上で音そのものの太さみたいなものがあれば最高だ。

音楽的なひらめきが全くない作業

2015-06-21 | 音楽制作覚書
録音(多重録音)って、その内容次第では音楽的なひらめきとか、そういった事と全く、というか、ほとんど関係のない作業であり得る。

それはすごく単純で、ただ目の前にある楽譜にある音をきまり正しく録音してゆくだけのことだったりする。
そこには音楽的な喜びみたいなものはない。それは単純な作業だ。

録音って、その目的ないろいろある。
もちろん音そのものを取り込みたい、ということもあるが、そこには「空気感」みたいなもの、あるいは「ステレオ感」みたいなものを目指すということもあったりする。

それは音そのものよりも重要だったりする。

一発録りの録音と多重録音のための録音。
これ、同じ「録音」という名前がついているけれど、中身は全く異なる作業だ。

一発録りの録音は、そのまま音楽的な作業。
でも多重録音の録音は、たんにパーツを取り込むだけの作業。

でもパーツがなければ全体が出来上がらないわけで、最終的にはこのような作業も一発録りと同じ地点を目指している点に違いはない。

追記:
というか、一発録りには絶対に出来ないような表現を目指すことでしか多重録音をする意味がない。
ひらめきが多かろうが、少なかろうが、そんなことはさほどの問題じゃない。

ヘッドホン

2015-06-19 | 音楽制作覚書
ヘッドホンを全部、耳にかぶせてしまうのか、それとも楽器の音が直接聴こえるように半分だけかぶせるのか、これもちゃんと決めるのが良い。
ダイレクトモニタリングが可能とは言っても、マイクとかヘッドホンアンプを通過してしまった音は楽器から出る直接の音とは変化してしまっている。

変化した分を計算しながら演奏することが出来れば良いのだろうけれども、なかなかそれは難しいから、やっぱり一番楽なのは、演奏しながらその音そのものが直接聴き取れるようなヘッドホン装着を工夫してみること。

ただしヘッドホンをかぶせる度合いが少なすぎるとヘッドホンから出るクリック音がマイクに入ってしまうことがあるから要注意。

ガンバの録音

2015-06-19 | 音楽制作覚書
ガンバを録音する際には弓が自在に動くスペースを確保しながらも、右手はマウスとコンピューターのキーボードを操作できることが条件。
あとはやっぱり譜面台にある楽譜、そしてコンピューターのモニター画面、どちらもよく見える距離と角度にあること。
必要であればガンバを持ったまま、録音した素材の編集作業がその場所でそのまま即時、行えること。

リコーダーと違い、楽器そのものが大きいのでやっぱり演奏するだけではなくて、同時に編集作業を行うことが出来るだけのスペースをうまく確保することが大事だ。

あとはやっぱり演奏しながら、演奏と同時に、その時演奏しているものが使える素材であるのかどうかということをその場で判断してゆくこと。