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吉嶺史晴のブログ

リコーダー奏者吉嶺史晴のブログです。演奏活動ならびに鹿児島市で音楽教室を運営しています。

11月30日阿久根市 風テラス 独演会のお知らせ

2025-08-19 | weblog



皆様の御来場をお待ちいたします。

テナーそしてバスリコーダーが好きなのだ・・・

2025-08-19 | 日常雑記
テナーそしてバスリコーダーが好きなのだ。
ずっとずっと好きだった。

今でも好きなのだ。

死ぬまで好きだ。

その深みのある音が良い。程よい重さも。
独特の肌の感じも。

曲線美も。

ソプラノ、アルトも良いけれど、やっぱり自分で音を出す時に一番好きなのはテナーとか、バスが良い。

独奏向けとしてはテナー、おなじく独奏向けのバスも良いけれど、バスは残念ながらあんまり曲がないから、アルトの曲とか、テナーの曲とか、ソプラノの曲とか、何でも良いけれど、その辺りにある曲を吹いてしまえば、バスの独奏曲に出来ないこともない。

この間の「ロシアのスケッチ」もアルト向けの曲なのだけれど、それをバスでやった。

もしかしたら、どこかの誰かが、まだ会ったこともないようなリコーダー奏者が何かのきっかけで「ロシアのスケッチ」を探し出してくれて、演奏してくれるかもしれない。

そんなことわからないけれども。

でも、もうこの曲に関しては、少なくともインターネット上で自分の出来ることはもうやった。
テナーでもやった。
その録音も残してあるから、まだ会ったことのないような誰かがそれを探し出してくれるかもしれないのだ。



今日は教室でのレッスンだった。ひとこまだけ。この間、ちょっと都合があって来られなかった生徒さんの振替レッスン。

生徒さんには、あんまり僕の主観的なこと言えないと感じることが多い。
何故なら、やっぱり楽譜と生徒さんの間に、僕の個人的な何かが入ってしまうと、それはちょっと、何というか、僕が目指したいこととは違うような気がする。

教える側である僕の主観が、どうしてもやむをえず、結果として入ってしまうのは仕方ない。

だけれども、僕が出来るのはなるべく客観的に楽曲を分析すること、様式にふさわしい在り方を示したり、なるべく客観的に効果的な練習方法を伝えたりすることだ。

ヴィブラートとか、タンギングとか、いろいろな提案をすることはあるけれど、それらを取り入れるのか、どうかはもう演奏する人の判断にまかせるしかない。




でも僕自身が僕の選択で曲をやる時にはもう自分のなかの何かが、もしかしたら自分自身にもはっきりした理由もはっきりしないかもしれないけれど、それが指し示す方向の音を出すしかないのだ。

「ロシアのスケッチ」、曲としてはとてもよく出来た曲だと思う。
細かい構造上の問題が全くないとは言えないにしても。
でも、そんなことよりも何よりも、この曲には作曲者の閃きがある。他の曲には絶対に見られないような閃きだ。

でも、どうしてもバスリコーダーで録音してみたかった。

バスリコーダーと声(あんまり綺麗な声が出ない。残念だけれど、聖歌にふさわしいような清らかな声が出ない。もう、でもそれはもう僕の声だからそれで良いことにするのだ)

これ、作曲者の意図と違うから、演奏者としてはもう「レッドゾーン」に足を踏み入れてしまったかもしれない。

でも、アルトがバスになったからと言って、その曲の良さが失われているわけではない、と思いたい。

なんだか、もう、こういうこと書きながら、青臭いなと感じる。

でも、もう青臭いままどんどん歳をとってゆくのだ。


マルクス・ザンハウゼン作曲「ロシアのスケッチ」

2025-08-18 | 日常雑記
Markus Zahnhausen "Russian Sketches" for recorder solo(1997)


マルクス・ザンハウゼン作曲の無伴奏リコーダー作品「ロシアのスケッチ」が好きだ。
何で好きかというと、とにかく好きなのだ。

あまり前衛的でないところも、良いし、かと言って因習的な語法に囚われていないところも良い。
楽譜の中にある指示が細かすぎないので、ほどよく演奏者自身の創意工夫を入れる余地も残してある。

このあたりはザンハウゼン氏が作曲家であると共に、リコーダー奏者であったこととも由来するのではなかろうか。

まず冒頭の部分、ここはロシアの教会から聴こえてくる聖歌のようなもののイメージ。
リコーダーの音と、奏者自身の声のユニゾン(またはオクターブ)で簡素だけれど、神秘的な旋律が流れ、流れてゆく。

リコーダーの音と、声で和音を出すというような技を全く使わないで、同じ音だけで旋律を作ってゆく、というのがこれまた良いのだ。

そして短いつなぎの部分を挟んだ後に、硬いスタカートと、通常の奏法による音が組み合わさりながら、にぎやかに盛り上がってゆく。
ここではあえてひとつの調(旋法)の枠のなかだけで、その展開が行われているので、まるでモードによるジャズを聴いているかのような感じもある。

ふさわしい言葉かどうかわからないけれども、「疾走感」みたいなものが強いから、やっぱりジャズみたいだ。
でもスィングしているわけでもないところが面白い。

だんだん曲はおさまってゆき、最後は再び、聖歌のイメージになって曲は永遠の彼方に向かってゆくのだ。

もともとはアルトリコーダーのための曲だけれど、あえてバスリコーダーでやってみた。
アルトも良いけれど、バスリコーダーの深みが好きだ。

使ったバスリコーダーは古い全音製。レッスンでも演奏会でも録音でも使える桜の木。

昨日(2025年8月17日)に普段はレッスン場として使っている教室(録音の際には南国レコードスタジオとなる)で、撮影と録音してみた。

こういう曲、作れたらどんなに素晴らしいだろうか、と思う。

昔、修業時代に作曲の先生から言われたこと「演奏なんていうのはね、演奏するために演奏するんじゃないんだよ。作曲の種を盗み取るためにするんだ。演奏が最終到達地点じゃない」

とにかくこの曲が好きだ。

だからもう、演奏が最終到達地点でも良いのだ。

もう、細かい理由をいちいち挙げるのも、もどかしいくらい好きだ。
好きなのだ。

この曲を書いたマルクス・ザンハウゼン氏は1965年に生まれて、2022年に死んだ。

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演奏についての好き嫌い、あるかと思いますが、とても良い曲なので是非、聴いて欲しいです。

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2025年8月24日 鹿児島市でアルトリコーダー講習会(初心者向け)

2025-08-18 | weblog


2025年8月24日は鹿児島市の吉嶺音楽教室で初心者向けのアルトリコーダー講習会が開催されます。
午前10時~11時半
参加費:3000円
講師:吉嶺史晴

教材として、「ロンドンデリー」、「コンドルは飛んでゆく」、「フニクリフニクラ」などの曲を予定しています。
演奏する時の姿勢、チューニングの方法、硬いタンギングと柔らかいタンギングを分ける方法、替え指など、基本的な事柄を勉強します。

中学校でアルトリコーダーの経験のある方ならどなたでも参加できます。
お問合せは nangokurecords@goo.jp までどうぞ。

今日のレッスン

2025-08-16 | weblog
今日のレッスンではまずアルトリコーダー二重奏で、生徒さんの見たことのない楽譜を初見で読み、音を出す練習をしました。
社会人の方のレッスンの場合には、ソルフェージュの時間を別に設けてそれに集中することはなかなか出来ないので、レッスンのなかでいろいろな様式の初見を行うことでソルフェージュ向上にあてています。

今日はギボンズや、トマスモーリーの二重奏曲をやりました。

その後は、いつも取り掛かっている曲で、フレーズのなかでどの音に重みを置き、どの音に重みを置くべきでないのか、ということをやりました。

レッスンの後には、日本の武士道、西洋の騎士道についての話題で盛り上がりました。
やはり、音楽は音楽だけ独立して存在しているのではなく、様々な文化とつながっています。

演奏に直接役立つ技術、あるいは音楽の構造を知るための理論、そういった事柄に加えて、歴史の勉強が大切ということでレッスン後の話はまとまりました。

短い時間ではありますが、レッスンの後のちょっとした生徒さんとの会話、とても大切なものだなと感じます。