中小企業診断士 福田 徹 ブログ

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mixiのセグメンテーション型広告とは?(3)

2008年11月19日 | 福田徹のマーケティング

 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。11月19日水曜日、今朝8時の東京・小平は晴れ、気温は6℃です。今朝は大分冷え込んでいます。北海道はもう今週は雪のようですね。いよいよ冬が近づいてきました。

 さて、本日のブログはmixiのセグメンテーション型広告とは?(2)の続きです。

 前回は、前々回mixiのセグメンテーション型広告とは?(1)で説明した、セグメンテーション広告の考え方を踏まえて、mixiトップページの広告におけるセグメンテーション型広告を検証しました。

 今回は、ユーザーが参加するコミュニティページの、セグメンテーション型広告について考えます。

 ここでmixiに詳しくない方のために少しだけ説明をします。コミュニティとは、ユーザーが自由に作成して人を集める趣味や地域、学校などのサークルを、ネット上に作ったようなものです。
 コミュニティにはユーザーが自由に参加できるコミュニティと、管理者に許可をもらって参加できるコミュニティがあります。自由に参加できるか許可が必要かは、それぞれのコミュニティを作る管理人が設定します。mixiは会員制とはいえ、会員数が多いため、mixiでの書き込みは、不特定多数の人に公開したことと同義です。そのため、ネット上に私的な集団、たとえば同窓会や学校サークルなどでは許可制にした方が、コミュニティ内部でより私的な会話が楽しめます。

 さて、広告の媒体としてのコミュニティは、やりようによってはかなり深いセグメントに対して広告を打つことができるはずです。
 それぞれのコミュニティ名は、プロフィールが登録されているユーザーがさらに興味・関心がある対象と考えられ、「プロフィール」と「コミュニティ名」の2つを掛け合わせると、セグメントとしてはかなり絞り込まれたものになります。
 たとえば、「プロフィール」から30代、女性、○○県在住、有職者で、参加「コミュニティ名」から子育てに関連するキーワードを拾うことができるユーザーには、「ベビーシッター」「保育」など仕事をしながらの子育てを応援するサービスの広告をピンポイントで打つことができるはずです。

 mixiコミュニティに参加するユーザーへのアプローチとして、以上のようなセグメンテーション型広告が考えられますが、実際にはどうなっているのか観察してみました。
 結論から言うと、実際には「プロフィール」との掛け合わせたセグメンテーションはおこなわれておらず、現在のところ「コミュニティ名」に応じた広告表示に留まっているようです。

 表示されるコミュニティ画面を見てみましょう。
 

「西武沿線☆友の会」コミュニティ:都内の物件情報が表示された



「我らレッツノー党」(ノートPC )コミュニティ:プロバイダーなどの広告が表示された

 以上2つの例をみるとわかるように、コミュニティのトップページには、「コミュニティ名」によるセグメンテーション型広告が打たれています。

 一方で、上記に示した「プロフィール」と「コミュニティ名」の掛け合わせや、「プロフィール」と「プロフィール」の掛け合わせなどは、mixiのセグメンテーション型広告とは?(1)で説明した「細分化された明確なターゲットに向けて売る」ためにとても重要なポイントです。

 また、図で赤く示した広告は、いずれもyahooの子会社のオーバーチュアとの提携で表示されています。このことから、こうした広告掲載にmixiが独自のノウハウを持っていないことがわかります。

 mixiがセグメンテーション型広告を打ち始めたのは、2006年春からのようですが、現在までのところ、こうした広告掲載の仕組みを広告主に提供できていないということは、
 つまり、広告を出稿する企業に対して「その企業の対象セグメントへのアクセスを容易にするソリューション(問題解決)」を提供できていないということです。
 
 具体的には、yahooのオーバーチュア、googleのアドワーズなどのように、「広告主のターゲットに対して直接広告を表示する」「広告を出稿する対象のキーワード、プロフィールなどの条件設定を容易にする仕組みの構築」などのソリューションを提供できなければ、せっかくのユーザー数の多さという特徴が、mixiの収益にはなかなか結びつきません。だから、今後mixiが生き残っていく鍵は、広告主へのソリューション提供ではないかと私は考えます。


※関連記事:mixiのセグメンテーション型広告とは?(1)(2)、(3)、年齢制限を緩和・登録制に移行するmiximixi:自分が付けた足あとの削除が可能に


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