中小企業診断士 福田 徹 ブログ

経営コンサルタント・中小企業診断士・ビジネスファシリテーターによる経営者・起業家・管理者向けブログ

年齢制限を緩和・登録制に移行するmixi

2008年11月28日 | 福田徹の視点

 おはようございます。中小企業診断士の福田徹です。11月28日金曜日、今朝2時の東京・小平は雨、気温は8℃です。


 昨日11月27日、mixiを運営するミクシィは、年齢制限の緩和といままでの招待制から登録制への移行を軸とする、利用者数増加策を発表しました。しかしミクシイ株に対する市場の反応は弱く、この利用者増加策が、ミクシイの収益向上には直接結びつかないと判断されたようです。

 mixiのセグメンテーション型広告とは?(3)という記事でも指摘しましたが、mixiはyahooのオーバーチュア、googleのアドワーズなどのように、「広告主のターゲットに対して直接広告を表示する仕組み」また、「広告を出稿する対象のキーワード、プロフィールなどの条件設定を容易にする仕組み」を構築し、広告主に提供しないと、収益に結びつきにくいと私はみており、今回のような利用者増加策よりも、まずは上記のような広告を出稿しやすい仕組みの構築が先ではないかと考えます。


mixiのお知らせより概要「より開かれたSNSを目指して」


 mixiは、12月10日から15歳から利用できるようになり、来年春からは招待されなくても利用できるようになるようです。これらは、大きな変化であり、年齢制限の緩和などはいろいろな問題が起きるリスクがありそうです。リスクを冒してまで、今回の利用者増加策を打った理由はおそらく株価です。


ミクシイ株のこの1年:yahoo!ファイナンスより

 ミクシィは、ごらんのとおりの株価下落を食い止めるために、今回の思い切ったプランを出してきたと考えられます。

 しかし、上の図の内容を発表した昨日のミクシィ株の終値は、前日の4000円安でした。また、日興シティグループ証券は昨日、ミクシイの目標株価を722000円から713000円に下げました。
 
 これらをみると、市場はmixiの現在のビジネスモデルの収益力に対して懐疑的になっているのでしょう。

 それでは、どうしたらよいのでしょうか?


mixiの事業系統図:IR資料の事業概要より


 mixiのビジネスモデルは上図のように、無料の会員制サイトに多数の会員を集めて、サイトの魅力を高めることにより会員のサイトへのアクセスを増やす。そして、会員数の多さと高いページビューを武器に、広告収入を得る、というものです。

 ここまでは、ポータルサイトと各種無料サービスのyahoo!や検索サイトなどのgoogleとさして変わりません。しかし、yahoo!のオーバーチュア、googleのアドワーズなどのように、広告主が直接キーワードを選んで広告を表示させる仕組みがmixiには、ありません。

 mixiのようにプロフィール情報をユーザーが登録しているサイトで、こうした仕組み作れば、ターゲットを絞って広告を打ちたい広告主にとって非常に重要なソリューションになります。

 ミクシィは、mixiユーザー数の右肩上がりの増加にあまりこだわらずに、広告主にこうしたソリューションを提供することにより、1500万人もいる現在のユーザーを高い収益につなげることが大切でしょう。

 体力があるうちに、ビジネスモデルを一部変更するための投資をおこない、収益性が向上すれば、株価にもそれが反映されるはずです。


※関連記事:mixiのセグメンテーション型広告とは?(1)(2)(3)mixi:自分が付けた足あとの削除が可能に


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。