猫を捨てる奴は捨てられろ

猫とプログレとオーディオとベスパのブログです。

クリュイタンス東京ライヴ 2

2009年07月19日 23時50分00秒 | 音楽
昨日の続きです。

クリュイタンスのこの64年の来日公演では、このラヴェルプログラム以外にもう一つ、歴史的名演といわれる演奏が
記録として残されています。
それが先日紹介したベルリオーズの「幻想交響曲」です。

クリュイタンスはライブではスタジオ録音時とは打って変わって熱狂的な演奏をすると言われており、
この「幻想交響曲」はその最右翼のような演奏です。
クリュイタンス本来のエレガントさを犠牲にしてでも、全編にわたって音楽に熱を込め、特に最後の4、5楽章は
怒濤と言ってよい演奏で、破綻ギリギリのテンションでラストまで突っ走ります。
幻想は意外と面白くない演奏が多いのですが、この演奏は1楽章から最後まで楽しく聴けます。
無理にテンションを上げなければならない時、下手なロックを聴くよりも、この演奏の4、5楽章を聴いた方が
テンションは確実に上がると思います(ちょっとデーモニッシュな気分にもなりますが)。
幻想に関しては、こういった演奏こそが正しい演奏なのだと思います。


では先日買ったCDがなぜ残念だったかというと、
こちらに収められているものより圧倒的に音が悪かったからです。





このオムニバス盤は、元々、先日入手したAltus盤が手に入らなかったので幻想だけのために仕方なく買ったものです。
そして先日ようやくAltus盤を入手できたのですが、その必要はなかったと言わざるを得ない程の音質差でした。
オムニバス版のライナーをよく読んでみると、がんばってリマスターしましたと書いてありました。
このライナーは読み物として非常に面白いのですが、そのインパクトが強いせいか逆にこういった音響技術的な部分に
ついては印象が薄く、全く留意していませんでした。

このオムニバス盤は現在アマゾンでは入手できませんが、その他の通販や店頭をこまめに探せば、まだ入手可能と
思われます。
この幻想をこれから購入する方には、このオムニバス盤の方を絶対にお勧めします。
そして、前述のライナーの面白さから、日本版をお勧めします。


ひとつ疑問なのは、この幻想はステレオ録音なのに、私が愛してやまないラヴェルの方はモノラル録音であることです。
同じ会場で公演の日にちも3日しか離れていないのに何故でしょうか。
もしかしてラヴェルの方もステレオ録音されていたけどテープが高価なため放送用(モノ)にダビングした後、マスターは
他に流用上書きされたとかでしょうか。
ラヴェルの方もこのオムニバス盤のように音の良いリマスター盤が発売される可能性があるのか非常に知りたいので、
この辺の事情をご存知の方がいらっしゃいましたら是非教えていただけないでしょうか。

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