職業、鍛冶手伝い。

現代の迷工、未来の虚匠

結び鉉

2010-04-09 18:19:00 | 仕事

今ではほとんどこの鉉が取り付けられる鉄瓶は作られていません。まるで「知恵の輪」のような不思議な鉉です。

曲げる前のまっすぐな状態です。この写真のものは以前親方が作られたもので、今回見本にさせていただきました。2分(6㎜)丸棒を3次元チックに組み、中央の「結び」部分になる箇所を赤くなるまで熱し、形を整えつつ絞っていきます。きちっと詰まった結びの形にするため少しずつ、かつ無駄の無いよう打って行きます。作業中、もちろん撮影する余裕は皆無でした。その後両端を溶接して「つかみ」を割ります。
背景にある「赤と黄色の金属板」はあまり気にしないで下さい。

「鉄の素材を直接操作できること」が鍛造の醍醐味だと思います。金属加工の中では「鋳造」が最強だと個人的には考えていますが、鍛造にしかできない造形の面白さや、素材と直接向き合える感覚が私にとっての鍛造の大きな魅力です。

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