修理でお預かりしたものすごい鉄瓶です。
まず大きさがすごいです。お分かりでしょうか?
五、六升は軽く入りそうです。相当な筋力でない限り片手では扱えませんね。
右はふだん工房で使っている2ℓ弱の容量の鉄瓶です。
鉉部分ですが、木瓜の付いた袋鉉であることが正面から見ると分かりますが、
なんと立張鉉でした・・・木瓜のついた立張鉉は初めて見ました。人間離れしたまさに神業です。
とてつもなく高度な技術と造りこみです。ここまでシャープなエッジを出すにはかなり仕上げにも時間がかかったと思います。
座付鉉の鉄瓶ですが
片側の環付が割れてしまっているので慎重に取り扱わなければありません。
それでは本体の方の画像も。
持ち主の方のお名前でしょうか。
表裏に馬が一頭ずつ駆けています。
例によって鉉ばかりに目が行って本体の写真を撮っていませんでした。大変申し訳ありません。
袋鉉でも、木瓜・立張・大角豆は最高の難易度だと思います。そのうち二つを組み合わせたものが存在するとは・・・衝撃的な逸品でした。
たまに、覗かせていただいています。
確かにこの鉉すごいですね。
一度見てみたいです。
いつごろ作られたものなのでしょうか?
この鉄瓶には「岩手県盛岡住釜師 小泉仁左衛門」の銘が入っています。全体の肌や鬼面環付、馬の模様の感じなどで銘通りで間違いないそうです。少なくとも廃藩置県後ということになりますが、果たして何時頃・何代目の作かは不明です。
物自体の持つ迫力と技術の高さに圧倒される、本当に驚きの鉄瓶でした。