ルーマニアの天才型ピアニスト、作曲家でもあたディヌ・リパッティ(1917~1950)が亡くなるおよそ9か月前に遺したコンサート・ライヴ録音である。(国内盤ロンドン -SLC6097) これは1950年2月22日、ジュネーヴのスイス・ロマンド管弦楽団の本拠地「ヴィクトリア・ホール」におけるライヴで指揮はもちろんエルネスト・アンセルメ、この放送用音源(モノラル)は1970年に発見されレコード化された。因みに写真の国内盤LPは1974年の再リリース盤でレコードの第2面にはアンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団によるシューマン(グラズーノフほかによる管弦楽版)舞踊音楽「謝肉祭」(原曲:ピアノ曲)が収録されている。(ステレオ録音) リパッティによるシューマンの「ピアノ協奏曲」はほかに1948年スタジオ録音盤のカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団(EMI)の名盤が有名だがこのアンセルメ盤は病魔と戦うリパッティがまさに渾身の力を振り絞ってのぞんだもので彼の何か妖気に満ちた不思議な緊張感が伝わってくる。
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