私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

FMエア・チェック - ヴァント&バイエルン放送響のブルックナー

2012-02-29 23:00:31 | FMエア・チェック

 数ある過去のFMエア・チェック・オープン・テープを「CD-R」に整理進行中だが目鼻がつくまでまだまだ先が長い。そこで今回は今年生誕100年、没後10年になる巨匠ギュンター・ヴァントに先ずスポットを当てた。今日はその中から彼が「バイエルン放送交響楽団」に客演した際に振ったブルックナー「交響曲第5番」を取り上げてみたい。
 この演奏は1982年1月7日、このオーケストラの本拠地でもあるミュンヘンの「ヘルクレス・ザール」でのライヴ録音でNHKFMでこの年の8月25日に放送されたものである。ヴァントは1912年1月7日生まれなので偶然にもこのコンサートは彼が満70歳の誕生日を迎えた日であった。今回改めて聴いてみたがブルックナー指揮者としての彼の本領を充分にうなづける説得力あるものだった。トータルの演奏時間は約75分と彼の晩年の演奏と比較すればやや速い演奏だが引き締まったサウンドが魅力でこの放送オーケストラの巧さを引き出していた。当時、彼のブルックナーのレコードといえば「ケルン放送響」(独Harmonia Mundi)とのものが出ていたことが思い出される。また日本ではまだ彼の知名度はそれほど高くなかった時代でちょうどこの年に彼は「北ドイツ放送響」首席指揮者に就任している。「バイエルン放送響」とのブルックナーはレコード(CD)化もされてないと思われるのでその意味からも貴重な演奏である。

 



竜ヶ崎市・音楽愛好会「ゲヴァントハウス」 - 早春特別企画のお知らせ  (終了)

2012-02-27 13:04:42 | 余暇文化活動


 
 竜ヶ崎市音楽愛好会「ゲヴァントハウス」では恒例の早春企画として話題の「ガラスCDを聴く」というテーマで来る3月10日(土)に特別イベントを実施する運びとなりました。

 今回は特別講師にオランダ・フィリップス・レコード本社のマーケティング担当副社長を経て現在は雑誌「管球王国」等に執筆活動をはじめ音楽、オーディオ分野に幅広くご活躍中の新(あたらし)忠篤氏をお迎えし「ガラスCD」の魅力を探ってみたいと思います。氏の業界での長年のご経験から興味深いお話がお伺いできることと存じます。

 皆様、今回もお誘いあわせのうえご来場ください。


                       記

  ■ (日 時) 2012年03月10日(土) 
                   14時00分から(約2時間程度、休憩あり)

  ■ (場 所) 龍ヶ崎ショッピング・センター「リブラ龍ヶ崎」
                   2階 旧映画館(シネパラ)無料駐車場完備

  ■ (入 場) 無 料

  ■ (交 通) JR常磐線 佐貫駅下車 
          関東鉄道龍ヶ崎線 乗り換え 終点「竜ヶ崎駅」下車
                                 徒歩 約5分

  ■ (鑑賞予定曲) 
       1937年録音・ベルリン・フィルの二つの「運命」
               フルトヴェングラーとアーベントロート ほか

  ■  特別講師   新 忠篤 氏
            (元オランダ・フィリップス・レコード、副社長)
 

   
   

               
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  ● このたび当会の「ホーム・ページ」を立ち上げました。
    下記「URL」にぜひアクセスしてみてください。

       http://gewandhaus.okoshi-yasu.com

「竜ヶ崎市クラシック音楽愛好会」

  
    

  
                                                        
                                                
                                                     
                                             
                                          


ジャン・マルティノン&フランス国立放送管 ー マーラー/交響曲第3番(ライヴ盤)

2012-02-26 19:06:47 | 交響曲

 先ごろジャン・マルティノン&フランス国立放送管弦楽団の秘蔵ライヴ音源がスイスの「CASCAVELLE」より初CD化された。筆者も興味津々に手に入れ聴いてみた。(写真/CASCAVELL-VEL3160/2CD)評判どおりの大変な名演である。ところでマルティノンのマーラーといえば筆者の頭には1970年11月「日本フィル」定期に客演した際に演奏した「第1番<巨人>」が浮かんだ。(1970年11月24日/日比谷公会堂)確かこの時が彼の最後の来日だったと思う。因みに当ライヴ録音はその3年後1973年10月3日の演奏とのことである。マルティノンのイメージからすればドビュッシーやラヴェルをはじめとする近代フランス音楽に先入観を持ってしまいがちだが今回このマーラーの大曲を耳にして彼の粋なマーラー感を再認識した。彼は「シカゴ交響楽団」音楽監督時代の1967年に同曲をスタジオ録音しているがこの「フランス国立放送管」との演奏はコンサート・ライヴ収録だけにさらにエネルギッシュな迫力も魅力である。また独唱のメゾ・ソプラノ、ヒルデガルト・ルトガースの声量も素晴らしく録音も優秀である。なお第1楽章終了後に沸き起こった聴衆の拍手もカットされずにそのまま収録されている。
 最後にディスク2の余白に収録されたベルクの「ルル」組曲(独唱/ソプラノ=マリー・リンゼイ/フランス国立放送管)はこの1971年11月3日のライヴ音源が現在唯一のものと思われる。

(1970年11月/「日本フィル」定期公演のプログラム、マルティノン直筆サイン)


 


 
 

歴史的名盤ー初演メンバーによるショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏曲」

2012-02-23 15:50:21 | 歴史的名盤

 今日は歴史的名盤から1枚、ショスタコーヴィチの「ピアノ五重奏曲作品57」ほかを収めたLPを紹介したい。この写真のレコードは1950年代に「SHINSEKAI」レーベルで発売された国内盤だが原盤はもちろんロシア「MELODIYA」である。レコード第1面に収録されたショスタコーヴィチ「ピアノ五重奏曲」は1940年に書かれた作品で翌41年に第1回「スターリン賞」にも輝いた傑作である。初演は完成した同じ年にこの録音と同じメンバー、「ベートーヴェン弦楽四重奏団」と作曲者ドミトリ・ショスタコーヴィチのピアノにより行われている。因みに「ベートーヴェン四重奏団」は1923年に結成された当時ソヴィエトを代表する最高のカルテットでメンバーは第一ヴァイオリン=ドミトリ・ツィガノフ、第二ヴァイオリン=ワシリー・シリンスキー、ヴィオラ=ヴァジム・ボリソフスキー、チェロ=セルゲイ・シリンスキーであった。この新古典的で自由な即興性を持つ作品の特徴を作曲者のピアノとともに見事に表現している。録音は1950年頃のモノラルだが音質は良好。
 レコード第2面にはラヴェルの室内楽作品の傑作「ピアノ三重奏曲イ短調」がこれまた当時ソヴィエトの最高のトリオと云われたレフ・オボーリン(ピアノ)、ダヴィッド・オイストラッフ(ヴァイオリン)、スヴィヤトスラフ・クヌシェヴィツキー(チェロ)の演奏が収録されている。こちらも1950年代のモノラル録音で3人の名人芸が堪能できる。こちらもレコード演奏史上に永遠に残る名演であろう。
 (写真=新世界レコード/LS-3)



オーマンディ&フィラデルフィア管 「コロムビア・マスターワークスLP」からー(4)

2012-02-22 19:15:46 | 協奏曲

 オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団による「コロムビア・マスターワークスLP」から最後に協奏曲を1枚紹介したい。写真は1950年モノラル録音でフランス、マルセイユ出身の名ヴァイオリニストージノ・フランチェスカッティ(Zino Francescatti/1902~1991)とのベートヴェン「ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61」である。(日本コロムビアーWL5082)
 フランチェスカッティは同曲を後にブルーノ・ワルターの指揮でコロムビア交響楽団と1961年にステレオで再録音(CBS)しているがオーマンディとしてはこのモノラル録音が唯一のもので貴重な1枚である。録音がステレオではないことを除けばフランチェスカッティの巧さとフィラデルフィア管の美しい響きが魅力的である。尚、カデンツァはフリッツ・クライスラーのものを用いている。

オーマンディ&フィラデルフィア管 「コロムビア・マスターワークスLP」からー(3)

2012-02-21 20:28:55 | 交響曲

 オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団による「コロムビア・マスターワークスLP」チャイコフスキー後期交響曲のモノラル録音ではやはり最後の「第6番<悲愴>」の演奏が素晴らしいと思う。以前に紹介した1960年ステレオ録音(米CBS)と同様このオーケストラの魅力が色濃くでた演奏ではないだろうか。今思い起こせば彼は「フィラデルフィア管弦楽団」との4回の来日公演(1967年・72年・78年・81年)で「第4番」を1967年と72年、「第5番」を最後の来日公演となった1981年に演奏しているがこの「第6番」はなぜかプログラムに取り上げなかった。
 ジャケット・デザインも時代を感じさせる1枚である。(WL5060) 
 

オーマンディ&フィラデルフィア管 「コロムビア・マスターワークスLP」からー(2)

2012-02-20 17:47:19 | 交響曲

 昨日に続き今日はオーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団の「コロムビア・マスターワークスLP」からチャイコフスキー「交響曲第5番ホ短調作品64」を取り上げてみたい。オーマンディは近代オーケストラのサウンドを極限まで華麗に導くことを理想にした指揮者だった。それは「黄金のフィラデルフィア・サウンド」と称えれた所以からも頷ける。チャイコフスキーの特に後期交響曲は彼の得意のレパートリーでもありSPレコード時代からレコーディングに取り組んでいた。
写真の「第5番」モノラルLPレコードは2回目のものでに昨日の「幻想交響曲」と同じ1950年にレコーディングされた。ちなみに彼が51歳のときの録音で演奏にも若さがみなぎっている。そしてこの国内初出盤ジャケット・デザインもなかなか洒落たもので大変気に入っている。(日本コロムビア/WL5028)

オーマンディ&フィラデルフィア管 「コロムビア・マスターワークスLP」からー(1)

2012-02-19 12:20:06 | 交響曲

 レコード棚の奥を整理したらユージン・オーマンディ&フィラデルフィア管の懐かしい1950年代録音のモノラルLPが数枚でてきたのでこの機会に順次ふれてみたいと思う。この時代のジャケット・デザインは現在とは違ってなかなか味のあるものが多かった。今日紹介するベルリオーズ「幻想交響曲」(写真)もそのひとつだろう。
 オーマンディは「フィラデルフィア管弦楽団」の音楽監督時代に同楽団とベルリオーズのこの作品を3回レコーディングしている。写真のLPはその最初のもので1950年録音のモノラル盤である。レコード番号は日本コロムビアーWL5081でいわゆるLP最初期WL5000番台ー「コロムビア・マスターワークス・シリーズ」の1枚である。この後彼は同楽団とこの作品をステレオで2回1960年(米CBS)、1976年(米RCA)に録音し直している。いずれもこのオーケストラの特色が出たきらびやかなサウンドの「幻想」だったが日本での評価はイマイチだった。今日なん年かぶりにこのモノラル盤の「幻想」に針をおろしてみるとこれといったクセもなくオーソドックスな演奏にむしろ改めて時代を感じさせられた。また半世紀以上も前の録音だが音質は良好である。

ヘルビッヒのメンデルスゾーン「真夏の夜の夢」

2012-02-16 18:06:25 | 管弦楽曲

 メンデルスゾーンがシェークスピアの同名の劇付随音楽として書いた名曲「真夏の夜の夢(Ein Sommernachtstraum)」の名盤にはアンドレ・プレヴィン&ウィーン・フィル盤(1985年録音)をはじめ数々あるがこのギュンター・ヘルビッヒ&ベルリン・シュターツカペレほかによる演奏(1976年録音)はちょっと渋みも感じる筆者好みの1枚だ。
 写真は昨年廉価盤CDとして国内初出LP(1977年)のオリジナル・ジャケット・デザインで再発売されたものである。(KING/KICC3620)ところで指揮者ギュンター・ヘルビッヒのレコードについては以前に1960年代録音のベルリン交響楽団とのニールセン「交響曲第5番」を取り上げたことがあったと思うが彼は60年代、70年代当時、東側を中心に活躍していたため西側諸国では知名度が薄かった。初来日はドレスデン・フィル首席指揮者時代1976年の同フィルとの来日公演だったと記憶している。その後80年代には「読売日響」にも客演している。また彼のこのほかの名盤に同フィルとの「ハイドン交響曲第93番~104番」(1974年録音)-いわゆる「ロンドン・セット」を思い起こす。
 尚、このCDの余白にはクルト・マズア/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団による序曲「フィンガルの洞窟」(1974年録音)が収録されている。

リヒテルのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」

2012-02-14 22:57:26 | 協奏曲

 今回も懐かしいLPから1枚、スヴィヤトスラフ・リヒテルが「ドイツ・グラモフォン」に1962年にレコーディングしたベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37」(写真/国内盤SLGM1160)を取り上げてみたい。リヒテルのベートーヴェンのピアノ協奏曲の録音については以前にもふれたことがあるかと思うが彼はこの「第3番」のほかによく「第1番」もよく演奏しそれぞれライヴも含め何種類かの録音を遺している。中でもとりわけよく知られているのが「第1番」では1960年RCA録音のミュンシュ&ボストン響、「第3番」がこのクルト・ザンデルリンク&ウィーン響のものであろう。いずれもオリジナル・ステレオ録音で半世紀余りを経た現在も不滅の名盤として輝いている。
 リヒテル、筆者がまだ学生時代(1960年代)の頃はリフテルとも表記され日本ではまだ「幻のピアニスト」と云われており彼の演奏はレコードでしか聴くことができずその実像はベールに包まれていた。彼の初来日がようやく実現した年は日本で初の「国際博覧会ーEXPO’70」が開催された1970年だったことも懐かしい。このグラモフォン録音の国内盤が発売されたのが確か1963年のことでこの年の初めにはリヒテルがカラヤン&ウィーン響と録音した名盤チャイコフスキーの「第1番」がグラモフォンの輸入盤で発売されている。
 尚、この「第3番」のレコード第1面の頭にはベートーヴェンが協奏曲「第2番」の「第3楽章」に意図されたと云われる「ピアノと管弦楽のためのロンド」が収録されている。