自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆のと里山海道は7月末に対面運行 復旧・復興の大動脈に

2024年05月08日 | ⇒ドキュメント回廊

  能登半島地震の被災地ではボランティア活動に「自粛ムード」があるとよく言われる。そのきっかけは、石川県の馳知事が1月10日の記者会見で「個人的なボランティアは2次被害に直結するので控えてほしい」と訴え、これがメディアで広く拡散された。馳知事は被災地へ向かう道路事情が悪く、個人的なボランティアで自家用車で現地に行くと渋滞に巻き込まれ、救急車や消防車の往来にも支障をきたすのでしばらく控えてほしいという意味で述べたのだが、いつの間にか「ボランティアは自粛」の言葉が独り歩きを始めた。

  では、その原因となった道路事情はいまどうなっているのか。金沢と能登をつなぐ主要地方道「のと里山海道」は現在、徳田大津ICから穴水IC区間(27㌔)が金沢方面からの片側一方通行となっている。実際に走行すると、半島の奥に行けば行くほど道路側面のがけ崩れがひどく、道路の盛り土の部分の崩落個所が多くある。乗用車ががけ崩れとともに落ちた現場がいまでもまま残っている=写真・上、5月3日撮影=。

   この里山海道の復旧工事は国の直轄で行われている。大きく崩落した個所は盛り土で造成するのではなく、新たに鉄橋を架ける工事が進められていた=写真・下、同=。

  政府の復旧・復興支援本部の会合(4月23日)で岸田総理は、現状で片側一方通行の里山海道について、7月末までにはほぼ全区間で対面運行できると見通しと述べた(4月23日付・北國新聞夕刊)。

  のと里山海道の対面運行が可能になれば、輪島市や珠洲市など奥能登の被災地と県内各自治体との行き来がスムーズになる。がれき処理の運搬や、冒頭で述べたボランティア活動の往来で支障もなくなるだろう。能登と加賀、そして全国を結ぶ復旧・復興の大動脈となるに違いない。

⇒8日(水)午後・金沢の天気    くもり

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