自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★伊勢志摩からヒロシマへ

2016年05月11日 | ⇒メディア時評
  アメリカのオバマ大統領が被爆地、広島を訪れることが決まったと昨夜、テレビのニュース速報が流れた。5月27日の伊勢志摩サミット終了後に、安倍総理とともに広島を訪問する。任期の最終年で今回を逃せば、現職のアメリカ大統領の広島訪問の実現は難しいと、日本とアメリカの両政府は水面下で相当調整を進めてきたようだ。2009年4月、プラハでの演説でオバマ氏は「核兵器なき世界」を提唱し、ノーベル平和賞を受賞した。唯一の戦争被爆地の訪問は7年の歳月を経てようやく実現することになる。

  その予感はあった。GWに伊勢志摩を旅行した折、ガイドしてくれたタクシー運転手が「6機分のヘリポートがすでに設置されている」とサミット会場(志摩観光ホテル)の周囲の様子を話した。そのとき、「なぜ6機分もいるのか」と思ったが、今回のニュースでピンときた。ひょっとしてオバマ大統領だけでなく、他の首脳も同行するのではないか、と。G7なので本来7機分だが、ヘリポートは平場があれば仮設で増やせる。一斉にヒロシマに向けて飛びつ立つヘリの姿は「絵になる」かもしれない。

  それにしても、オバマ氏の決断は急だったのだろう。安倍総理が昨夜(10日)総理官邸で報道各社のインタビューに応じたのは午後9時4分、その直後にニュース速報が一斉に流れた。それまで総理は6時31分から東京・赤坂の料理屋で会食をしていた。8時30分に官邸に戻ってきた。その30分後にインタビューに応じた。

  急だったというのは安倍総理がインタビューしている様子がニュースで流れていたが、総理に向けられたテレビ局のマイクは2本しか映っていなかった。テレビ各社の中でこの慌ただしい動きを察知して総理インタビューに間に合ったのは2社だけだった。その後、ホワイトハウスでアーネスト報道官が記者会見で大統領の広島訪問を発表したのは日本時間で午後9時30分ごろだった。ということは、ホワイトハウス側が日本側にオバマ氏の決断を正式に知らせたのはアメリカ側の会見のわずか30分余り前だったことになる。

⇒11日(水)朝・金沢の天気   風雨

  
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