エバーグリーン (いつまでもあほい)

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名前と同じで気(木)が多い

今更だけど
人間到る処青山有り  

じんかん 今村省吾

2024-04-23 18:00:16 | Weblog

塞翁の盾で2022年直木賞を受賞した

今村翔吾の新刊

「じんかん」を今読んでいる

じんかんとは

人間という漢字の別の読み方

しかし意味は同じではなかろう

「人間(じんかん)至る所に青山あり」はオイラの好きな言葉

なのでこの本を読んでみる気になった

織田信長が好んで唄い舞った謡曲敦盛

人間(じんかん)五十年 下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり。一度(ひとたび)生を得て滅せぬ者のあるべきか、と候て、螺(ほら)ふけ、具足よこせと仰せられ、御物具(おんもののぐ)召され、たちながら御食(みけ)をまいり、御甲(おんかぶと)めし候ひて御出陣なさる。

がこの本のヒントになったのであろうが

この書ではニンゲンは個人を表し

ジンカンは人の世を表すと言っている

「人間至る所に青山あり」にも通ずると感じている

この意味を解説しておくと

(死んだ時 何処にでも墓を作るための場所はある 

故郷にこだわらず世に出てゆけと云う程の意味だ)

ヒューマンの意味の人間ではなく

「人と人の間」と云う漢字の人間(ジンカン)を

考えさせているのではと思う

曲解かな?

この「じんかん」と云う作品は

人を人とも思わない殺人鬼織田信長の心境と

主家を乗っ取り将軍の暗殺者の汚名を受け入れて

ただこの世を生きようともがき続けた男

松永弾正久秀を描いた作品だ感じる

二人に共通するのは「人に非る人」という事だと思うが・・・

時代小説のかたちをしているが歴史を描いているわけではない

人の心の内を書こうとしているのだと思う

この署は歴史的事実など必要とはしていないのだろう

 

 

 

コメント
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