HRJ 中央突破 の日記?雑記?備忘録?

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【小室被告第3回公判】2

2009年04月25日 | 気になるニュース?
msn産経より



《午前11時42分、審理が再開。証言台は遮へい板で囲まれており、被害男性の表情をうかがい知ることはできない》

 裁判長「では被告人を」

 《続いて小室被告が入廷。証人席の被害男性と目が合ったのだろうか、証言台に向いて頭を下げ、着席した》

 裁判長「あなたには証人として出廷してもらいました。宣誓で読み上げた通り、すべて本当のことを話すように。検察官、弁護士の順番に質問しますので、聞かれたことにだけ答えてください。では、検察官から」

 検察官「まずですね。小室被告が著作権を売ろうと持ちかけた今回の事件で、あなたはなぜそれを買おうと思ったのか。その時の気持ちについて教えてください」

 被害男性「私は投資というものを糧に暮らしてきました。小室被告の著作権はビジネス的に採算がとれるものだと思ったので」

 《続いて被害男性は、事件当時の小室被告の印象について語り出した。その姿は、一世を風靡(ふうび)した「希代のヒットメーカー」とは正反対だったようだ》

 被害男性「小室被告と最初に会ったとき、捨て猫のようにやせておりました。小室被告いわく、芸能界の人たちではなく一般の方に私をプロデュースしてほしいと。芸能界は冷たいんだなと思い、かわいそうで救ってあげたいと思った」

 《小室被告は伏し目がちに証言に耳を傾ける》

 検察官「著作権を手に入れたらどのように使いたいと」

 被害男性「私のライフワークの動物愛護に使いたいと。例えば、『小室哲哉愛護基金』を作って社会貢献したいと思っていた。今ではかなわない夢となりましたが、(小室被告側から)還元された弁済金も社会のために使いたいと思っています」

 検察官「なぜすぐに刑事告訴に踏み切らなかったのですか」

 被害男性「小室さんを救ってあげたい一心でいたので、待とうと思いました。小室さんや、(小室被告が取締役を務めていた)イベント会社トライバルキックスの社長らに電話をしても出てくれず、出ても『おれは関係ない』という状態で、民事訴訟も考えましたが。が、何とか小室さんを助けたいという気持ちで…」

 《突然、被害男性の声が詰まり、嗚咽(おえつ)がもれる。検察官は続けて何かを言おうとしたが裁判長はそれを手で制した。十数秒後、被害男性は「すいません」と言って証言を続けた》

 被害男性「おれが何とか小室さんを復帰させたいと思っていました。小室さんは私に対して詭弁(きべん)を言っていたかもしれないけれど、私は信じていた。口約束ですけれど、人として最も大事で守らなきゃいけないのは約束だと思う。何とか小室さんを助けたい、真人間になって優しさを取り戻してほしい、その気持ちだけです」

 《これまで正面を向いて証言を聞いていた小室被告だったが、うつむき加減になり、目を閉じた》

 被害男性「『このままではだめだよ。すべてをなくしてしまうよ』と伝えたかったのですが、小室さんとは連絡が取れない状態だったので、大分のKEIKOさんのお母さんに電話をかけました。お母さんは涙声で『よく教えてくれた』と非常に感謝してくれました」

 《この後、被害男性は刑事告訴へ踏み切るようになる。その経緯は-》

 被害男性「しかし、小室さんは債務不存在の裁判を起こし、自分たちさえ良ければいいと、母親にうその証言をさせて自分たちを守ろうとしました。人間として大事な優しさを失って悪い方向に行ってしまう。法の裁きを受けて再出発してもらうしかない、私の手には負えないと」

 検察官「その後、和解が成立したが合意せず、刑事告訴になりましたね」

 被害男性「支払期限にお金が入っていなかった。民事裁判でも、小室さんは出席しなければいけない時にKEIKOさんとロンドンにいて、数百万円を使い、お金が足りなくなると振り込むよう催促してきたと、スタッフに聞いていました。本当にこの人は、優しさを失っていると感じていました」

 《詐欺事件に関連し、被害男性は二次被害を受けたという。検察官がその影響について質問する》

 検察官「事件の被害者となったことで、あなたにどのような影響がありましたか」

 被害男性「今回の件がマスコミに知れ渡り、(小室被告の妻の実家がある)大分まで取り立てに行ったという偽りの報道がなされました。インターネットの掲示板でも『こいつが悪い』『加害者だ』と書き立てられました」

 被害男性「エイベックス・グループ・ホールディングスの関連会社の取締役がブログで私のことを『あやしい人物』であると書き、(イベント企画会社監査役の)木村隆被告(詐欺罪で起訴、分離)と私が共謀して小室をはめたという誹謗(ひぼう)中傷も、ネットで起きました。(取締役が関係している)動画投稿サイトには、私が小室被告をはめたかのような内容の『報道されない小室事件の闇』というアニメーション動画がアップされ、(再生回数の)ランキングで1位になりました。私はエイベックスに削除願いを申し入れましたが放置されている状態。これでは反省ではなく反撃ですよ」

 《被害男性は、批判の矛先をエイベックスの松浦氏にも向けた》

 被害男性「前の公判で松浦社長は『小室被告を教育していきたい』と言ったが、この人に任せていて大丈夫なのかと感じます」

 検察官「被告に対してどのような刑を望みますか」

 被害男性「申し上げた通り、反省ではなく反撃だと私は感じています。ちぐはぐな対応です。私は法律の専門家ではないので分からないが、多くの人を悲しませ、日本の大切な財産である知的所有権の信頼を著しくおとしめたことを考えると、小室さんの真人間としての復帰を第一に考え、厳正な判決をしてくれれば幸いです」

 《一瞬表情をこわばらせる小室被告。続いて弁護人による質問が始まった》

 弁護人「今おっしゃられた話は、ほとんどネット上や雑誌でのことではないですか」

 被害男性「(証言した誹謗中傷の内容は)投稿されたものですが、小室さんの生活態度については違います。朝までどんちゃん騒ぎをしていたり…」

 弁護人「それは雑誌とか2ちゃんねるで知った内容ですか」

 被害男性「雑誌です」

 《弁護人による被害男性への証人尋問が続く》

 弁護人「エイベックスの関連会社がやっているサイトでの攻撃とは」

 被害男性「千葉副社長、松浦社長が一緒になって小室さんを支えていくということを表明している。小室同情論というものがネット上のキャンペーンで起こっており、その一環ではないかと疑っている」

 弁護人「松浦、千葉両氏の指示と疑っているのか」 被害男性「松浦さんがサイト関係者のことを友達だと言っているのを聞いた。疑われても仕方ないだろう」

 弁護士「裁判ではいつも問題になるが、ネットの掲示板の投稿は無責任なものだが」

 被害男性「信用性はないが、信用する人はたくさんいる。1日何億というアクセスがあり、一種のモンスターメディア。エイベックスの2人はそれを支配、管理する立場にいる。あまりにも無責任だ」

 弁護士「被告人が金を返さなかったとき、(何人かに)電話をしているが」

 被害男性「小室さんから『この人たちが助けてくれる、お金を払ってくれる』と聞いた人に電話した。音楽関係会社の方とプロダクション関連会社の社長」

 弁護人「KEIKOさんのお父さんが亡くなったのはご存じか」

 被害男性「電話した1カ月後に知った」

 弁護人「大分県の知事にも電話したか」

 被害男性「このままでは行政にも大変迷惑がかかる、どうか小室さんを説得してくださいと言った」

 弁護人「家族などにも電話したか」

 被害男性「(KEIKOさんの)お母さんにした。『頑張ってください』といわれた。吉本興業の(当時の)副社長にも電話した」

 弁護人「電話は何回も掛けていたのか」

 被害男性「お母さんは2回。涙ぐんで大変感謝された」

 弁護人「木村隆さんから1億5000万円の慰謝料を支払われたと聞いたが、本当か」

 被害男性「その通りです」

 弁護人「小室さんの処遇について、裁判所の判断に任せるということか」

 被害男性「厳正な処分を下してほしいということです」

 《続いて裁判官からの質問になるのだが、裁判長は小室被告に対し、被害男性と直接、言葉を交わすよう促した》

 裁判長「せっかく(被害男性が)お忙しいなか来てくれているのだから、何か話したいことはありますか」

 《そのまま立ち上がり、話しかける小室被告だったが…》

 小室被告「大変長い間…」

 裁判長「謝罪ですか?謝罪だったらきちんと前へ出てきて直接話しなさい」

 《裁判長の指摘を受け、遮蔽(しゃへい)板の中に入った小室被告。どのような表情で被害男性と向き合っているのか、傍聴席からは分からない》

 小室被告「ごぶさたしています。長い間ご迷惑をかけて申し訳ございませんでした。お気持ちも察せず、思いやる気持ちもなく、大変ご迷惑をかけたことでつらい思いをさせてしまい申し訳ありません。真人間ということを事件からもう1回、改めて考えて、(被害男性の)お気持ちが少しでも和らげられる人間になりたいと心から思います。わざわざ来ていただきありがとうございました」

 《小室被告の言葉を受け、被害男性も「本当に久しぶりなので私の方からも話させてください」と話し始めた》

 被害男性「事件が起こり不思議と憎しみの感情がない。(犯行当時は)人としての優しさとか、私は友情を感じていましたが、今は裏切られて悲しい気持ちが大きい。保釈後の対応も感心できたものではない。優しさが精いっぱい感じられません。反省して刑を全うして真人間に戻ってください。それから音楽をつくっていただきたい。最後のチャンスだと思っていつの日かみんなに愛される、みんなを幸せにしてくれて社会貢献してほしい」

 裁判長「謝罪の気持ちは受け止めましたか」

 被害男性「おわびしてくれる気持ちは受け止めます」

 裁判長「(被害男性が)おっしゃったことが分かりましたか」

 小室被告「はい、わかりました」

 裁判長「では戻ってください」

 《遮蔽板から弁護側の席へ戻る小室被告。被害男性が退廷するときも、席から立って「ありがとうございました」と声をかけ、何度も礼をしていた》

 《証拠調べが終了し、検察側の論告が始まった。小室被告にとっては厳しい言葉が並ぶ内容だが、小室被告はじっと検察官を見据えたまま朗読に聞き入った》 検察官「本件犯行の経緯および動機に酌量の余地はない。被告人は平成8年から9年ころ、自己が作曲した音楽著作権などにより10億円程度の年収を得て、不動産・高級車購入およびその他多額の遊興費に金銭を費やしていた」

 《巨額の財産を築いた小室被告。検察官は論告で、小室被告が人気がなくなった後、香港の事業で失敗し、前妻との離婚によって慰謝料を支払わねばならず、多額の借金を抱えていたことを描写した》

 検察官「再婚した妻やその家族への見栄などから、またヒット曲を出せば収入も増えるなどと甘い見通しで、生活態度を改めるどころか、さらに浪費を重ねた結果、平成17年には約17億8000万円もの債務を負うに至った。被告人が自己の経済状態の悪化を十分認識しながら、無計画にも多額の借金を重ねながら浪費を続けた結果、それを犯罪で補おうとした経緯、犯行動機には誠に身勝手極まりないというほかない」

 《犯行の動機や態様の悪質さを主張する検察官。さらに-》

 検察官「あたかも今後の音楽活動のために著作権を処分しようとしているかのようなファクスを被害男性に送付。さらに面談では、著名人との幅広い交友関係を被害者に告げるなどした上、『806曲の作品の著作権はすべて僕にありますから、この僕のすべての著作権を10億円で買っていただきたい』『バラバラではなくて僕の過去の作品806曲がフルセットになっていることに意味があるし、価値が出るんですよ』などとうそを申し向けた」

 《検察官は、小室被告が被害男性にオリジナル曲を作ってプレゼントしたことなど、完全に被害男性を信用させた経緯を述べた。求刑が近づくにつれて法廷の中は緊迫感が増す》

 検察官「著名な音楽家という被告人ならではの地位を最大限に利用し、巧妙な文言を申し向け、自己の能力を悪用して、被告人への尊敬の念まで被害者に抱かせ、まんまと被害者を欺罔(ぎもう)した」

 《検察官は小室被告の犯行を「非常に狡猾(こうかつ)、巧妙である」と指弾した》

 検察官「経済的被害結果は誠に重大。被害者は約2年半もの間、高額な被害を弁済してもらえないのではないかという不安定な状態に置かれたにとどまらず、債務不存在確認訴訟まで起こされている。さらに、著名人である被告人を告訴したことから、大変な世間の注目にさらされ、インターネット上で批判的な記載をされるまでに至っており、経済的被害とともに、精神的被害もまた非常に重大というべきである」

 《「十分な厳罰が必要」という主張を裏付けるための検察官の論告は、最終場面を迎える》

 検察官「被告人の金銭感覚が常識とかけ離れていることは顕著である。相当な社会的制裁がなされたといえる上、被害弁償など金銭的責任も果たしているが、結局、被告人自身の努力によるものではなく、松浦社長の全面的援助があって実現できたというものである。いまだ反省悔悟を促すだけの機会が与えられたとは言い難く、被告人に本件刑事責任の重大性を十分認識させるためにも厳罰を与える必要がある」

 《ここで検察官は一呼吸置き、求刑を述べた》

 「以上、諸般の事情を考慮し、相当法条を適用の上、被告人を懲役5年に処すべきと思料する」

 《求刑を受け、報道関係者が慌ただしく法廷を飛び出したが、しかし小室被告の表情は変わらなかった。最後に弁護側の最終弁論に移る》

 弁護人「公訴事実は争うものではありません。本件は、経済的に行き詰まった被告人が、異常な高利により借り入れた借金の返済のために、被害者に対し、譲渡済みである著作権を自らが有すると虚偽の事実を申し述べ、被害者から著作権の売買代金名下に5億円の金員の交付を受け、これを共犯者も含む債権者への弁済にあてた事案である。被告人の罪責は重く、自身の犯行を猛省すべきものである。しかしながら、被告人については斟酌(しんしゃく)すべき事情もあるので、その量刑を決定するにあたり、ご勘案いただきたい」

 《弁護人は小室被告が3歳ころから音楽に親しみ、TMネットワークでの活動、globe、trf、安室奈美恵さんらをプロデュースして、数多くのヒット曲を送り出した業績を説明。「音楽の分野における他に例を見ない業績を上げた」と評価した》

 《弁護側は、犯行に至る経緯として、小室被告が当時置かれていた厳しい経済的環境を説明する》

 弁護人「平成11年以降、被告人とは直接関係のない歌手が台頭したり、被告人の楽曲が飽和しすぎたことなどのためヒット曲に恵まれなくなり、一時は数億円から十数億円あった所得が、急速に減少するに至った。そのうえ、創業した事業が優れずにプロデューサー印税を失い、離婚した前妻に多額の慰謝料の支払いを約束したり、レコード会社から前受けしていた18億円に及ぶプロデューサー報酬を返還するべく、多額の借り入れをするなどしたため、被告人は経済的に極めて厳しい状況におかれることとなった」

 《その上で弁護人は、民事訴訟での和解金額が被害男性に弁済されていることを強調。「加害者としてなすべきことを尽くした」と評価するよう求めた》

 弁護人「被告人は保釈後、弁済に努めることが最大のつとめであると認識し、履行のための努力を試みた。しかし、著作権収入の大部分を差し押さえられ、保釈中で新たな音楽活動を行うことができない被告人にとって、高額な弁済をすることは相当な困難だった。しかし松浦証人から支援を受け、債務を全部履行したものである」

 《続いて、小室被告が真摯(しんし)に反省していると主張する弁護人。隣に座る小室被告は静かに聞き入っている》

 「被告人は当時を振り返り『被害者の方をだました私自身が一番悪いことくらいよく分かっておりました』としており、責任を自覚していた。逮捕、勾留後は、一切弁解することなく素直に検察官の取り調べに応じ、進んで自白している。また勾留中には『2本のレール』と題する書面を作成し、『私は車輪が狂ったように、もう1本のレールをたどりだしてしまった』『最後はとうとう皆様に急ブレーキをかけて頂き、虚構の列車はやっと止まりました』と述べている」

 《弁護側は、小室被告の将来について「エイベックス・グループの支援により再犯の恐れはない」と主張する》

弁護人「本件は、被告人が多額の負債の支払いや自らの生活費の確保のため資金繰りに窮し、金員を詐取した事案。しかし、今後はエイベックス・グループの支援のもと楽曲の制作などを行う予定で、生活費や負債の返済原資を安定的に入手できることは明らかである」

 《社会的制裁が大きいこと、音楽分野での業績など、小室被告に有利な事情を続ける弁護人》

 弁護人「阪神大震災の被災地に楽曲の著作権を寄付したり、国連薬物撲滅計画に貢献した。入院中の筋ジストロフィー患者らを訪問し、患者らが結成したバンドとセッションを行うなどして、患者らを励ましたこともあった」

 弁護人「筋ジストロフィー患者らの減刑嘆願書のほか、友人、知人をはじめ、音楽ファンらから多くの減刑の嘆願が行われている。また、音楽業界に関係する著名な人物らは、被告人の音楽業界などに対する貢献をかんがみ、その才能が生きる機会が失われることを惜しみ、寛大な処分を求めている」

 《最終弁論の締めくくりとして、弁護人は裁判所に対し執行猶予付きの刑を求めた》

 弁護人「以上に述べたとおり、被告人に有利な事情も総合的に考慮いただき、今回に限り被告人を、執行猶予を付した刑を賜りたく、弁護人の意見を述べるものである」

 《弁護人が着席。最後に裁判長が小室被告を証言台に促す》

 裁判長「最後に言いたいことはありますか」

 小室被告「本日は被害者にも来ていただき、直接おわびの言葉も述べました。心から迷惑をかけた。心から反省しています。培ってきたものはすべて失った。残ったすばらしい仲間と音楽を糧に、もう一度、一から立ち直りたいと心から思っています」

 《こう意見を述べ、深々と頭を下げた小室被告。裁判長は判決公判の日時を「5月11日午前9時45分から」と告げ、午後1時、閉廷した》

 =完


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