アクセサリー&イラスト作家・悦のブログ

水と空気のきれいな神奈川県秦野から発信!銀・真鍮アクセサリー&イラスト作家『etsuspoon 』です。

インクが版画になるなんて

2021年05月24日 | 版画
最近1番の衝撃的出会いは
キモプレート版画

キモプレート版画をやることで
アルミ版のリトグラフの良さも見えてきたし
「こうやらなくちゃいけない」って言うのもないんだってわかったし
逆に
「版の良さを生かすことが作品のクオリティに繋がる」って言うのもわかってきた(遅!)

キモプレート版画で学んだことは
アクリルのものに油性インクはくっついちゃうんだよ!
ということ

私はホルベインアクリリックインクを使っているけれど
アクリル絵の具やアクリル系のものならなんでもインクがくっつくんだってこと

すごいよなあ。大好き理科!

そして、

改めて、版と向き合う「時間」が大切だなと感じている

頭の中でできたイメージを
向き合うこと
時間で培うものが
広がりを与えてくれます

「描く」と言う行為は
手を動かすと言うことにつながる

物質的に「描こう」とすることはすごく狭い

そこにいろんな見えないものが加わることで広がっていく

物質的な追求と
時間の作った見えない部分が
ぐるりと混ざったものが
乳化するようにいい感じになってくる

今ちょうど
ボールの中に油と酢を投入したばかりの感覚

まだまだ乳化は程遠い





ああ、なんで長い時間やらなかったんだろう・・・
もう過去のことは選択できないけど
これからのことは選択できるもんね

どんどん作ろう!

例えお金にならなくても!!!
(だいたいやりたいことって実験でさ。ここがしんどいって時もあるけどね)





5月27日から版画展

2021年05月10日 | 版画
神奈川県秦野市の「ギャラリーme」さんにて
版画展を予定しています。

その名も
『のびねこ展』
最初、内容を考えていた頃は
伸び猫を描くのにハマっていたんです。

でも、時は流れて・・・・

ぜっんぜん違ったものを刷っています。

お友達のAチャンが
葉書大の版画が刷れるプチ刷り機を貸してくれてから
ポチリポチリと小さな作品を作っていました。

頑張ったところで幅が15センチのローラーなので
そのサイズまでしか刷れませんから
「小さいものの良さ」探しをしているような感じです。

リトグラフの伸び伸びした感じが好きなので
ちょっと小さいのはわたしには難しいなあ、と感じながら・・・

とうとう刷り機の幅いっぱいの絵になってきてしまいました。

余白ない



小さい版画、ズレまくってる。

版画は楽しいなあ。

展覧会情報です。

ギャラリーme「のびねこ展」
神奈川県秦野市曲松1−7−9
5月27日から31日までの5日間開催です
11時から17時まで

28日は和綴製本のワークショップ開催します。


簡単な糸綴じ製本を一緒に楽しむ時間です。
可愛いご当地和紙をご用意しています。
参加費1500円

コロナ禍ですが
体調を整えて
無理せずきていただけたら幸いです。

お問い合わせはetsu_spoon@yahoo.co.jp
もしくはFacebookでどうぞ。






10✖️10版画展

2021年03月22日 | 版画
忙しくて久しぶりのブログ更新です。

3月25日から銀座中央ギャラリーにて版画展に参加します。

昨年は、初日と同時に緊急事態宣言のため
自分も行けませんでした。
今年こそは!のリベンジです。

作品は3点は新作、1点は過去作品です。

最近、新らしい版種にトライしています。
その名もキモプレート。
↑この名前見たら「気持ち悪いの?」とか「キモ!」とかみんな言うね。
キモプレートはきもとさんが作ったものらしいですよ。



キモプレートはリトグラフ版画です。
版面を薬品で油性と水性に分けて
インクの付くところとつかないところを作って刷ります。

↑わからないよね(-.-;)だいたいリトグラフ自体がマイナーな版画。

オフセット印刷の元祖って言えばわかる人もいるのかな?

キモプレートは今、実験段階なので
まとまったら冊子にしようと思っています。
不確かな部分がまだあるので研究中です。

でも、基本的に簡単な版画なので
版画や印刷好きな人には体験してもらいたいなあって思っています。

さてキモプレートの説明はまた今度にして展覧会のご案内です。

なんとかできた実験中の作品を展示します。
銀座中央ギャラリーは銀座1丁目奥野ビル4階にあります。
是非、体調管理の上お越しくださいませ。
他の作家さんのクオリティーが素晴らしくて
私も行くのが楽しみです。(行けるかな?)



こんな感じの作品がキモプレートのリトグラフです。

アルミ板のリトグラフと紙ドライポイントも出します。

よろしくお願いいたします。




版画企画始めました

2020年11月24日 | 版画
365日版画に向き合ってみたい

頼まれたら休めないもんね

そんな単純な理由で始めました






そしたら

食いしん坊さんは
湧き出るようにおいしいものの話をしてくれて
楽しいこと楽しいこと

知らない食べ物
調べないとわからないもの
時代が古くて資料送ってもらうもの
わんさか出てきました

登場人物が限定で特殊だと
自分の中のイメージとなんとかつなぎ合わせて
よっしゃって形にする
勇気もいるわー

でもすっごく楽しい

美味しいものってマイナスがない
ハッピーなんだよね

始めてよかったなあ

会ったことある人優先ですが
我こそは!っていう人もお声かけください




空摺って知ってた?

2020年08月12日 | 版画
版画をやりたいのか
版画でなくてもいいのか
ちょっと方向性を考えたくて
1年ぶりくらいに作品の整理をしてみました

ほとんどの版画の作品は
A4サイズの入る茶封筒に
エディション順に入れてあるのですが
ちょっとしたところから
試摺りとか
イメージスケッチとかが出てくる

しばらくみていないと
客観的に見れる気がする

感想は
「結構頑張ってたな、私」

ああ、この頃は半の重ねにハマっていたな、とか
形の面白さだけを色に任せて刷っていたな、とか
ペンでどこまで線が引けるか墨の具合に命をかけていたな、とか
楽しんでいるのがよくわかる

うまいとか下手とか以前の大切な気持ちがいっぱい入ってる

結婚式の時の席次表もプレス機を使って仕上げました

それがこれ↓


わー、影入っちゃった

中側がこんな感じ



こういう、形だけを版で刷るのを「空摺(からずり)」というのだそうです。

当時はそんなの知りませんけど
「エンボス加工」っていっていましたよね。
版画業界でなく印刷業界ですと多分エンボス加工の言い方が優勢

空摺のやり方はいろいろあるようですけれど
木版ではもう江戸時代にも使われていた技法のようです

掘ったところに紙を当てて
硬いバレンや木などでグリグリして
形を写しとったようです

私のこのポットと茶筅は
厚紙で形を切り抜いて
それをもう一枚の大きな厚紙に貼り
エッチングプレス機で刷ったものです

厚紙エンボスの良いところは
強すぎてもあてた紙が破れないこと
紙を濡らさなくても
カラーのケント紙が破れずに
よく形が出ました

写真のものはもう16年ぐらい昔のものなんですけどね
少し形が緩んだ気もするけど
それでも凸凹しているのって楽しい

また作ろうかな・・・