エスペラントな日々

エスペラントを学び始めて27年目である。この言葉をめぐる日常些事、学習や読書、海外旅行や国際交流等々について記す。

ベトナムのランさんと盲人学生

2005-05-17 | エスペラントな今日
 ベトナムにはエスペラントで知りあったたくさんの知人がいるが、そのなかにランという女性が4人もいる。その内の一人がゴク・ランさんである(3月28日の記事参照)。彼女とは1997年に知りあったが、99年の4月頃から文通が始まった。現在は高齢のために第一線からは引いているが、当時はハノイのエスペラント運動の中心的存在だった。
 彼女はその年の8月にハノイで行われるアジアエスペラント大会の準備に忙しい中、盲人学生たちにエスペラントを教え始めた。ちょうどその頃、私もJABE(ヤーベ:日本盲人エスペラント協会=3月23日の記事参照)に加入していた。
 私は、日本とベトナムの盲人エスペランティストの交流が実現できないかと思った。
 ランさんが盲人用の教材が全くない状態で苦労していることを、私はその年の10月に長野県で行われた日本エスペラント大会でのJABE分科会で報告して、援助を求めた。そして、盲人用の入門教材、点字版と音声版を贈ることになった。
 その後、盲人学生の学習が進み、学習者も増えてきて、私は2000年から2001年にかけて個人的に援助を続けた。
 実際にベトナムで盲人学生がエスペラント学習を続けることには様々な困難が伴う。本業の学業はもちろんおろそかに出来ないし、講習会場に通うのもたいへんである。時間もかかるし、挫折する人も少なくない。そんな中で、いま、日本の盲人エスペランティストと何人かが文通出来るまでに成長してきた。
 ランさんは言う「かつてハノイには盲人エスペランティストの団体があったが、いまはもうほとんど残っていない。私は、目の見えない彼らにエスペラントを通して世界を見せてやりたいのです」

   写真はハノイ近郊のブットタップ寺
コメント (2)
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