比較の構文です。今回、基本的なことですが、‘-er than ~’「~ よりも」というカタチについてです。以下、見ましょう。
(1)John is tall. (ジョンは背が高い。)
(2)John is taller than Tom. (ジョンはトムよりも背が高い。)
(1)の‘tall’「背が高い」の語尾に、(2)では、‘-er’というカタチが加わっています。さらに、その後で、‘than Tom’という表現が続いています。この‘-er than ~’のカタチを使って、(2)のように表現することで、「~ よりも」という、英語では、最も一般的に使われる比較の文を表現することができます。ちなみに、‘taller’は、「形容詞+‘-er’」ですが、「副詞+‘-er’」も可能です。
(3)John runs fast. (ジョンは速く走る)
(4)John runs faster than Tom. (ジョンはトムよりも速く走る)
(3)の‘fast’「速く」は、意味的に、動詞‘run’「走る」にかかっています。さらに、‘run’「走る」は、自動詞としての扱いを受けますので、目的語を取らないとされます。ですので、(3)の‘fast’は、もちろん、目的語ではなく、動詞にかかる副詞として使われています。 (EG39、EG40、参照)
そこで、(4)では、「‘fast’+‘-er’→‘faster’」となることに加えて、‘than Tom’を後に続けることで、「トムよりも速く」という表現が可能になります。これだけで、「~ よりも」という、比較の構文が完成するわけですから、かなり簡単な部類に入りますね。ただし、カタチとしては、形容詞や副詞の語尾に‘-er’がつくのではなく、単語の前に‘more’を置いて、‘-er’のかわりにする場合もあるので、この点、注意が必要です。
(5)Mary is more beutiful than Susan. (メアリーはスーザンよりも美しい。)
(6)John drives more carefully than Tom. (ジョンは、トムよりも注意深く運転する。)
ところで、この‘more’ですが、形容詞や副詞の前に置かれるだけでなく、単独で使われる場合もあります。実は、‘more’は、単語しては、原形ではなく、活用形のカタチであり、そのもととなる単語が2つあって、それは、‘many’である場合と、‘much’である場合があります。
(7)John has many books. (ジョンは本をたくさんもっている。)
(8)John has more books than Tom. (ジョンは、トムよりも本を多くもっている。)
(9)John loves baseball very much. (ジョンは、野球をとても愛している。)
(10)John loves baseball more than soccer. (ジョンは、サッカーよりも野球を愛している。)
(7)の‘many books’をもとに、(8)では、‘more books’と変化しています。一方、(9)の‘much’は、(10)では、‘more’と変化しています。あと、注意点ですが、比較の構文‘more’の変化によって、この‘more’の強調をしたい場合、‘very’が使えなくなる、という約束事があります。そこで、「‘many’→‘more’」の変化、「‘much’→‘more’」の変化に対応して、それぞれ、‘many’と‘much’が、‘very’の代わりとなる強調表現にシフトします。
(11)John has very more books than Tom. (×)
(ジョンは、トムよりも、はるかに本を多くもっている。)
(12)John has many more books than Tom. (○) (訳同上)
(13)John loves baseball very more than soccer. (×)
(ジョンは、サッカーよりも、はるかに野球を愛している。)
(14)John loves baseball much more than soccer. (○) (訳同上)
(11)では、‘very more ~’がアウトになっていますが、数えられる名詞の複数形‘books’につく‘more’には、その原形である‘many’が、強調表現としてシフトし、(12)にあるように、‘very’の代わりを果たします。一方、(13)でも、‘very more ~’がアウトになっていますが、‘love’「愛する」にかかる‘more’には、その原形である‘much’が、強調表現としてシフトし、(14)にあるように、‘very’の代わりを果たします。
次に、英語の単語が語形変化する際の特徴です。こういった単語の活用には、よくありがちなことですが、比較の構文‘-er’にも、やはり、あの厄介な、いわゆる、不規則変化というものがあります。この場合も、一般的な傾向として言えることですが、よく使われる単語ほど、不規則変化の対象となっています。もちろん、暗記する以外に方法はありませんが、数は、ほんのわずかです。
(15) good (良い) → better (より良い)、 well (よく) → better (よりよく)、
bad (悪い) → worse (より悪い)、ill (病気の) → worse (より病気の)、
little (少し)→ less (より少し)、その他
そして、これもよく解説されることですが、語形変化が、比較の意味に応じて、カタチが2種類に分かれることがあります。1つの例として、‘late’「遅い、遅く」は、意味的に、「時間」が遅い場合と、「順序」が遅い場合がありますが、それぞれの意味に応じて、カタチが異なる変化をします。
(16)three years later (その時から見て、3年遅い時期に → それから3年後に)
(17)the latter half of the game (ゲームの順序で後の半分 → ゲームの後半)
(16)では、「‘late’→‘later’」の変化であり、一方、(17)では、「‘late’→‘latter’」の変化となっています。ちなみに、(16)の‘later’の前についている、‘three years’「3年」は、程度の副詞表現であり、‘later’「より遅く」が、どの程度なのかというと、3年という程度で、という意味になります。 (EG40、参照)
今回のポイントは、比較の構文‘-er than ~’「~ よりも」の、最も基本的な理解です。語形変化に重点を置きましたが、概ね、学校などで教わるとおりの理解で、基本的な表現は問題なく使えるようになります。また、続きは次回にやりたいと思います。
■注 :語尾に‘-er’をつけるか、それとも、前に‘more’を置くかは、概ね、音節を目安にするのが、一般的です。3音節以上の単語には、‘more’がつきますが、2音節の単語だと、‘-er’と‘more’の、どちらもあり得るケースが少なくありませんし、これらの選択基準は、個人差もあります。こういった基準を、あえて、感覚的に言うならば、「単語の発音上の長さ」、ということになりますね。
●関連: EG39、EG40
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(1)John is tall. (ジョンは背が高い。)
(2)John is taller than Tom. (ジョンはトムよりも背が高い。)
(1)の‘tall’「背が高い」の語尾に、(2)では、‘-er’というカタチが加わっています。さらに、その後で、‘than Tom’という表現が続いています。この‘-er than ~’のカタチを使って、(2)のように表現することで、「~ よりも」という、英語では、最も一般的に使われる比較の文を表現することができます。ちなみに、‘taller’は、「形容詞+‘-er’」ですが、「副詞+‘-er’」も可能です。
(3)John runs fast. (ジョンは速く走る)
(4)John runs faster than Tom. (ジョンはトムよりも速く走る)
(3)の‘fast’「速く」は、意味的に、動詞‘run’「走る」にかかっています。さらに、‘run’「走る」は、自動詞としての扱いを受けますので、目的語を取らないとされます。ですので、(3)の‘fast’は、もちろん、目的語ではなく、動詞にかかる副詞として使われています。 (EG39、EG40、参照)
そこで、(4)では、「‘fast’+‘-er’→‘faster’」となることに加えて、‘than Tom’を後に続けることで、「トムよりも速く」という表現が可能になります。これだけで、「~ よりも」という、比較の構文が完成するわけですから、かなり簡単な部類に入りますね。ただし、カタチとしては、形容詞や副詞の語尾に‘-er’がつくのではなく、単語の前に‘more’を置いて、‘-er’のかわりにする場合もあるので、この点、注意が必要です。
(5)Mary is more beutiful than Susan. (メアリーはスーザンよりも美しい。)
(6)John drives more carefully than Tom. (ジョンは、トムよりも注意深く運転する。)
ところで、この‘more’ですが、形容詞や副詞の前に置かれるだけでなく、単独で使われる場合もあります。実は、‘more’は、単語しては、原形ではなく、活用形のカタチであり、そのもととなる単語が2つあって、それは、‘many’である場合と、‘much’である場合があります。
(7)John has many books. (ジョンは本をたくさんもっている。)
(8)John has more books than Tom. (ジョンは、トムよりも本を多くもっている。)
(9)John loves baseball very much. (ジョンは、野球をとても愛している。)
(10)John loves baseball more than soccer. (ジョンは、サッカーよりも野球を愛している。)
(7)の‘many books’をもとに、(8)では、‘more books’と変化しています。一方、(9)の‘much’は、(10)では、‘more’と変化しています。あと、注意点ですが、比較の構文‘more’の変化によって、この‘more’の強調をしたい場合、‘very’が使えなくなる、という約束事があります。そこで、「‘many’→‘more’」の変化、「‘much’→‘more’」の変化に対応して、それぞれ、‘many’と‘much’が、‘very’の代わりとなる強調表現にシフトします。
(11)John has very more books than Tom. (×)
(ジョンは、トムよりも、はるかに本を多くもっている。)
(12)John has many more books than Tom. (○) (訳同上)
(13)John loves baseball very more than soccer. (×)
(ジョンは、サッカーよりも、はるかに野球を愛している。)
(14)John loves baseball much more than soccer. (○) (訳同上)
(11)では、‘very more ~’がアウトになっていますが、数えられる名詞の複数形‘books’につく‘more’には、その原形である‘many’が、強調表現としてシフトし、(12)にあるように、‘very’の代わりを果たします。一方、(13)でも、‘very more ~’がアウトになっていますが、‘love’「愛する」にかかる‘more’には、その原形である‘much’が、強調表現としてシフトし、(14)にあるように、‘very’の代わりを果たします。
次に、英語の単語が語形変化する際の特徴です。こういった単語の活用には、よくありがちなことですが、比較の構文‘-er’にも、やはり、あの厄介な、いわゆる、不規則変化というものがあります。この場合も、一般的な傾向として言えることですが、よく使われる単語ほど、不規則変化の対象となっています。もちろん、暗記する以外に方法はありませんが、数は、ほんのわずかです。
(15) good (良い) → better (より良い)、 well (よく) → better (よりよく)、
bad (悪い) → worse (より悪い)、ill (病気の) → worse (より病気の)、
little (少し)→ less (より少し)、その他
そして、これもよく解説されることですが、語形変化が、比較の意味に応じて、カタチが2種類に分かれることがあります。1つの例として、‘late’「遅い、遅く」は、意味的に、「時間」が遅い場合と、「順序」が遅い場合がありますが、それぞれの意味に応じて、カタチが異なる変化をします。
(16)three years later (その時から見て、3年遅い時期に → それから3年後に)
(17)the latter half of the game (ゲームの順序で後の半分 → ゲームの後半)
(16)では、「‘late’→‘later’」の変化であり、一方、(17)では、「‘late’→‘latter’」の変化となっています。ちなみに、(16)の‘later’の前についている、‘three years’「3年」は、程度の副詞表現であり、‘later’「より遅く」が、どの程度なのかというと、3年という程度で、という意味になります。 (EG40、参照)
今回のポイントは、比較の構文‘-er than ~’「~ よりも」の、最も基本的な理解です。語形変化に重点を置きましたが、概ね、学校などで教わるとおりの理解で、基本的な表現は問題なく使えるようになります。また、続きは次回にやりたいと思います。
■注 :語尾に‘-er’をつけるか、それとも、前に‘more’を置くかは、概ね、音節を目安にするのが、一般的です。3音節以上の単語には、‘more’がつきますが、2音節の単語だと、‘-er’と‘more’の、どちらもあり得るケースが少なくありませんし、これらの選択基準は、個人差もあります。こういった基準を、あえて、感覚的に言うならば、「単語の発音上の長さ」、ということになりますね。
●関連: EG39、EG40
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