EG107の続きです。比較の構文‘-er than ~’です。以下、見ましょう。
(1)John is more careful than Tom. (ジョンはトムよりも注意深い。)
(1)の文は、‘more’+‘careful’(‘much’→‘more’の変化) の成り立ちになっていますが、文字通り、注意深さという点では、ジョンの方が、トムよりも上であるという関係、つまり、‘John’>‘Tom’の関係を表現しています。
(2)John is less careful than Tom. (ジョンはトムよりも注意深くない。)
今度は(2)ですが、ちょうど、‘more’「より上、より多く」の反対になる表現、‘less’「より下、より少なく」(‘little’→‘less’の変化) を使っています。そこで、(2)の場合、‘less careful’「注意深さが、より下」、と言っているわけですから、注意深さという点では、ジョンは、トムには及ばないという関係、つまり、‘John’<‘Tom’の関係を表現しています。
(3)more than ten girls (女の子10人より上 → 11人以上の女の子)
(4)ten girls or more (= ten or more girls) (10人、または、より上 → 10人以上の女の子)
そこで、(3)と(4)ですが、これらのコントラストから、ハッキリわかることは、(3)のように表現した場合、明らかに、女の子が10人の場合は含まれていない、ということです。‘more than ~’は、正確な日本語訳の場合、「~ 以上」とはならず、「~ より上」なわけですから、結局は、女の子11人以上でなければなりません。
ですので、‘more’を使って、女の子10人を含む、「10人以上」を表現したい場合、(4)のように、予め、別に、‘ten’「10」という数字を出した上で、‘~ or more’「~ または、(それより) 上」と表現しなくてはならないわけですね。このような表現のやり方は、日本語の立場からすると、ちょっと意表を突くものだと言えそうです。今度は、否定文を見ましょう。
(5)John is not more careful than Tom. (ジョンは、トムより注意深くない。)
(6)John is not less careful than Tom. (ジョンは、トムより注意深くないということはない。)
(5)は、(1)の否定文であり、一方、(6)は、(2)の否定文です。単純なことですが、‘not’が含まれることによって、(5)における‘John’と‘Tom’の関係は、注意深さという点では、‘more careful’ではない、つまり、「‘John’>‘Tom’ではない」、ということになりますから、結果的には、‘John’≦‘Tom’である、と言っていることになります。
そして、(6)に関しても、同様に単純なことですが、‘not’が含まれることによって、‘John’と‘Tom’の関係は、注意深さという点では、‘less careful’ではない、つまり、「‘John’<‘Tom’ではない」、ということになりますから、結果的には、‘John’≧‘Tom’である、と言っていることになります。
そこで、‘not’が含まれている(5)と(6)で表現されていることを、客観的に言いかえるならば、(5)の場合、精々、ジョンとトムの注意深さは、同等であるか、または、トムの方が上である、と言っているわけです。一方、(6)の場合、精々、ジョンとトムの注意深さは、同等であるか、または、ジョンの方が上である、と言っているわけです。
このことからもわかるように、比較の構文‘-er than ・・・’や、‘more/less ~ than ・・・’を用いた比較の構文は、「同等 (=)」の解釈が含まれておらず、ある点において、お互いの優劣をハッキリとさせる解釈のみしかないのがわかります。これは、‘-er than ・・・’や、‘more/less ~ than ・・・’の最も基本となる概念なので、必ず押さえておかなければならないものです。あと、ややカタチの上での変則例を紹介しておきます。
(7)John is the more careful of the two. (その2人では、ジョンの方が注意深い。)
(8)Mary is the older of the two sisters. (その2人姉妹では、メアリーの方が年上 (姉) だ。)
(7)や(8)にあるように、‘-er’や‘more ~’の後にくるのは、‘than ・・・’と決まっているわけではありません。‘than ・・・’の場合は、「比較の相手」となる、もう片方のみが表現されますが、一方、‘of ・・・’の場合は、「2つの内で」や、「2人の内で」、というような、自分と相手を足し合わせた、2つから成る、「集合」の表現がきます。この‘of ・・・’の後には、2つから成る表現しかこないので、もちろん、‘of the two (~)’とおぼえてしまえばよいわけですね。
あと、(7)や(8)の構文の特徴として、なぜか、‘the more ~’や、‘the -er’のように、‘the’が付きますが、これは、「~ の中で」というような、ある集合の存在が前提となっている状況で、その集合中、「唯一的」とされるものには、‘the’をつける、という一般法則からくるものです。‘two’「2」という最小の集合の中で比較が行われれば、どちらか一方が排除された時点で、必然的に、残りが唯一のものになりますから、‘the’が必要になる、というわけですね。
(9)You study harder. (より頑張って勉強する。)
(10)You become smarter. (より賢くなる。)
(11)The harder you study _、the smarter you become _.
(勉強すればするほど、賢くなります。)
今度は(11)ですが、「‘the -er ~’ (前半の文)+‘the -er ・・・’ (後半の文)」のカタチで、「~ すれば、その分だけ・・・だ」、の意味になるものです。(9)の‘harder’に‘the’を付けてから、文の先頭に移動させ、一方、同様に、(10)の‘smarter’に‘the’を付けてから、文の先頭に移動させれば、(11)のような文が完成します。
(12)You become (the) smarter、the harder you study _. (訳同(11))
ところが、(12)のように表現しても、(11)と同じ意味を表すことができます。(12)と(11)を比較して明らかなことは、前半の文と後半の文が入れかわって、順序が逆になっているということです。そして、‘the -er’の移動が、(9)に相当する文 (「~ すれば」の側) でしか起こっていないということです。ちなみに、移動がない方の文では、‘the’は、あってもなくても構いません。
このように、‘the -er’が、片方の文では移動するが、一方、もう片方の文では移動しない、というようなことが起こることで、前半の文と後半の文が入れかわって、順序が逆になっているということを示すことができます。もし、これがないと、「賢くなればなるほど、勉強します」、の意味に取られてしまいますからね。
(13)The sooner、the better. (早ければ、早いほど良い。)
(14)The more、the better. (多ければ、多いほど良い。)
あと、(13)や(14)のように、単独の‘the -er’同士をつないで、「‘the -er’+‘the -er’」のカタチにして使うこともよくやります。複雑な(11)や(12)に比べると、随分と単純なので、このような使い方は、とても便利ですね。
今回のポイントは、比較の構文‘-er than ・・・’の基本的な概念を理解することと、そこから生まれた派生的な構文の一部を紹介した、ということです。今回扱ったようなことも、学校で習うようなことと、大きな違いはありませんが、いずれも、なかなか使用する機会は多いと思われるものです。今回扱った内容以外にも、まだまだ扱うべきことがありますので、またの機会です。
●関連: EG107
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(1)John is more careful than Tom. (ジョンはトムよりも注意深い。)
(1)の文は、‘more’+‘careful’(‘much’→‘more’の変化) の成り立ちになっていますが、文字通り、注意深さという点では、ジョンの方が、トムよりも上であるという関係、つまり、‘John’>‘Tom’の関係を表現しています。
(2)John is less careful than Tom. (ジョンはトムよりも注意深くない。)
今度は(2)ですが、ちょうど、‘more’「より上、より多く」の反対になる表現、‘less’「より下、より少なく」(‘little’→‘less’の変化) を使っています。そこで、(2)の場合、‘less careful’「注意深さが、より下」、と言っているわけですから、注意深さという点では、ジョンは、トムには及ばないという関係、つまり、‘John’<‘Tom’の関係を表現しています。
(3)more than ten girls (女の子10人より上 → 11人以上の女の子)
(4)ten girls or more (= ten or more girls) (10人、または、より上 → 10人以上の女の子)
そこで、(3)と(4)ですが、これらのコントラストから、ハッキリわかることは、(3)のように表現した場合、明らかに、女の子が10人の場合は含まれていない、ということです。‘more than ~’は、正確な日本語訳の場合、「~ 以上」とはならず、「~ より上」なわけですから、結局は、女の子11人以上でなければなりません。
ですので、‘more’を使って、女の子10人を含む、「10人以上」を表現したい場合、(4)のように、予め、別に、‘ten’「10」という数字を出した上で、‘~ or more’「~ または、(それより) 上」と表現しなくてはならないわけですね。このような表現のやり方は、日本語の立場からすると、ちょっと意表を突くものだと言えそうです。今度は、否定文を見ましょう。
(5)John is not more careful than Tom. (ジョンは、トムより注意深くない。)
(6)John is not less careful than Tom. (ジョンは、トムより注意深くないということはない。)
(5)は、(1)の否定文であり、一方、(6)は、(2)の否定文です。単純なことですが、‘not’が含まれることによって、(5)における‘John’と‘Tom’の関係は、注意深さという点では、‘more careful’ではない、つまり、「‘John’>‘Tom’ではない」、ということになりますから、結果的には、‘John’≦‘Tom’である、と言っていることになります。
そして、(6)に関しても、同様に単純なことですが、‘not’が含まれることによって、‘John’と‘Tom’の関係は、注意深さという点では、‘less careful’ではない、つまり、「‘John’<‘Tom’ではない」、ということになりますから、結果的には、‘John’≧‘Tom’である、と言っていることになります。
そこで、‘not’が含まれている(5)と(6)で表現されていることを、客観的に言いかえるならば、(5)の場合、精々、ジョンとトムの注意深さは、同等であるか、または、トムの方が上である、と言っているわけです。一方、(6)の場合、精々、ジョンとトムの注意深さは、同等であるか、または、ジョンの方が上である、と言っているわけです。
このことからもわかるように、比較の構文‘-er than ・・・’や、‘more/less ~ than ・・・’を用いた比較の構文は、「同等 (=)」の解釈が含まれておらず、ある点において、お互いの優劣をハッキリとさせる解釈のみしかないのがわかります。これは、‘-er than ・・・’や、‘more/less ~ than ・・・’の最も基本となる概念なので、必ず押さえておかなければならないものです。あと、ややカタチの上での変則例を紹介しておきます。
(7)John is the more careful of the two. (その2人では、ジョンの方が注意深い。)
(8)Mary is the older of the two sisters. (その2人姉妹では、メアリーの方が年上 (姉) だ。)
(7)や(8)にあるように、‘-er’や‘more ~’の後にくるのは、‘than ・・・’と決まっているわけではありません。‘than ・・・’の場合は、「比較の相手」となる、もう片方のみが表現されますが、一方、‘of ・・・’の場合は、「2つの内で」や、「2人の内で」、というような、自分と相手を足し合わせた、2つから成る、「集合」の表現がきます。この‘of ・・・’の後には、2つから成る表現しかこないので、もちろん、‘of the two (~)’とおぼえてしまえばよいわけですね。
あと、(7)や(8)の構文の特徴として、なぜか、‘the more ~’や、‘the -er’のように、‘the’が付きますが、これは、「~ の中で」というような、ある集合の存在が前提となっている状況で、その集合中、「唯一的」とされるものには、‘the’をつける、という一般法則からくるものです。‘two’「2」という最小の集合の中で比較が行われれば、どちらか一方が排除された時点で、必然的に、残りが唯一のものになりますから、‘the’が必要になる、というわけですね。
(9)You study harder. (より頑張って勉強する。)
(10)You become smarter. (より賢くなる。)
(11)The harder you study _、the smarter you become _.
(勉強すればするほど、賢くなります。)
今度は(11)ですが、「‘the -er ~’ (前半の文)+‘the -er ・・・’ (後半の文)」のカタチで、「~ すれば、その分だけ・・・だ」、の意味になるものです。(9)の‘harder’に‘the’を付けてから、文の先頭に移動させ、一方、同様に、(10)の‘smarter’に‘the’を付けてから、文の先頭に移動させれば、(11)のような文が完成します。
(12)You become (the) smarter、the harder you study _. (訳同(11))
ところが、(12)のように表現しても、(11)と同じ意味を表すことができます。(12)と(11)を比較して明らかなことは、前半の文と後半の文が入れかわって、順序が逆になっているということです。そして、‘the -er’の移動が、(9)に相当する文 (「~ すれば」の側) でしか起こっていないということです。ちなみに、移動がない方の文では、‘the’は、あってもなくても構いません。
このように、‘the -er’が、片方の文では移動するが、一方、もう片方の文では移動しない、というようなことが起こることで、前半の文と後半の文が入れかわって、順序が逆になっているということを示すことができます。もし、これがないと、「賢くなればなるほど、勉強します」、の意味に取られてしまいますからね。
(13)The sooner、the better. (早ければ、早いほど良い。)
(14)The more、the better. (多ければ、多いほど良い。)
あと、(13)や(14)のように、単独の‘the -er’同士をつないで、「‘the -er’+‘the -er’」のカタチにして使うこともよくやります。複雑な(11)や(12)に比べると、随分と単純なので、このような使い方は、とても便利ですね。
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