ちょっと変わった小ネタですが、‘each other’です。以下、見ましょう。
(1)トムとジョンは、お互いに話しかけた。
(1)の日本語は、「お互いに」、という表現を含んでいますね。これを英語にすると、普通、‘each other’という表現が、当てはまります。では、早速、この‘each other’を使って、(1)を英語にしてみましょう。
(2)Tom and John talked each other. (×) (訳同(1))
(3)Tom and John talked to each other. (〇) (訳同(1))
ん?(2)はアウトですね。そのかわりに、(3)ならば、OKにできるということなんですが、どうやら、これは、‘talk’「話す」が、自動詞であることに、注意しなければならないようです。(2)では、‘talk’の直後に、‘each other’が続いて、アウトになっている一方で、(3)では、「自動詞+前置詞」である、‘talk to ~’の直後に、‘each other’が続いて、OKになっています。
ですので、‘each other’は、実は、名詞なんですね。そこで、日本語で覚える際は、「お互いに」、ではなく、「お互い」、と覚えた方が、間違いがないものと思われます。こういった間違いは、よくあることらしく、‘each other’を、あたかも、副詞のようなものとして、「~ に」まで含めて使っているヒトは、結構、多いですね。これは、基本的な注意点です。
(4)Tom and Susan love each other. (トムとスーザンは、お互い愛しあっている。)
(5)They hate each other. (彼らは、お互いを憎みあっている。)
(6)They speak ill of each other. (連中は、お互いを罵りあっている。)
ところで、(4)~(5)の例を見ても、わかる通り、「お互い」という意味から、思い浮かぶのは、‘Tom and Susan’「トムとスーザン」や、‘they’「彼ら、連中」といった、何らかの複数のものが、前もって存在していることを要求する表現だな、ということです。
ですので、‘each other’は、そういった複数のものが、予め存在していて、初めて使えるのではないか、と思われます。そうなると、‘each other’は、見ようによっては、「代名詞」のようなもの、とも言えるでしょうね。
(7)Each other cannot be seen in the fog. (×) (霧の中では、お互いが見えない。)
(8)Tom and John thought [ that each other could not be seen in the fog ]. (×)
(トムとジョンは、[ 霧の中では、お互いが見えない ] と思った。)
(7)は、文中に、‘each other’が指すと思われる表現がなく、アウトであることからは、やはり、‘each other’は、何らかの複数のものが、前もって存在していることを要求する表現だとわかります。しかし、今度は、(8)を見る限り、‘each other’に対して、‘Tom and John’がありますから、例え複数のものが、前もって存在していても、アウトになる場合がある、ということです。これは、どういうことでしょうか。
(9)Tom and John will criticize each other. (〇)
(トムとジョンは、互いを批判しあうだろうね。)
(10)Each other will be criticized by Tom and John. (×)
(トムとジョンに、お互いが批判されるだろうね。)
(11)Tom and John will be criticized by each other. (〇)
(トムとジョンは、お互いから批判されるだろうね。)
そこで、今度は、OKである、能動文(9)から、受身文(10)をつくってみましたが、アウトです。(9)では、‘each other’が、目的語だったのですが、一方、(10)では、主語になっていますね。そして、(11)では、受身文のまま、‘Tom and John’を主語にして、‘each other’を、後に追いやったのですが、 OKになりました。
というわけで、ここから、アウトである、(7)、(8)、(10)を、トータルで考えて言えそうなことは、どうやら、‘each other’は、「主語」自体になれない、ということではないでしょうか。((8)も(10)も、アウトですから、‘Tom and John’と、‘each other’の前後関係、つまり、順序の問題が原因である、とは言えません。)
(12)Susan wants him to help Mary.
(スーザンは、彼にメアリーを助けて欲しいと思っている。)
ところで、(12)のような、「‘want’+A+‘to’不定詞」のような構文では、Aが、カタチの上では、目的格‘him’になっていますので、‘want’の「目的語」なんですが、それと同時に、一方では、解釈上、‘to’不定詞‘to help Mary’の「主語」でもあって、ちょっと、Aが、「カタチ」と「解釈」の関係のはざまで、中途半端なステイタスを与えられているという構文です。 (「彼がメアリーを助ける、ということを、スーザンは望んでいる」、と解釈すれば、わかりやすいと思います。)
(13)Tom and John want each other to help Mary. (〇)
(トムとジョンは、お互いがメアリーを助けて欲しいと思っている。)
そこで、(13)のように、「‘want’+A+‘to’不定詞」の構文のAに、‘each other’を置いてみましたが、OKになります。これは、どうやら、‘each other’が、主語になれない、とは言っても、「‘want’+A+‘to’不定詞」のような構文においては、解釈上ではなく、目的語としての (カタチとしての) ステイタスの方が優先されて、OKになるようなんです。
(14)Susan wants each other to help Tom and John . (×)
(スーザンは、お互いがトムとジョンを助けて欲しいと思っている。)
(15)Susan wants Tom and John to help each other . (〇)
(スーザンは、トムとジョンがお互いを助けあって欲しい、と思っている。)
じゃ、‘each other’が、‘want’の目的語なら、(14)にあるように、‘to’不定詞内にある、‘Tom and John’が指せるのか、というと、これがダメで、アウトになってしまうんですね。これは、ちょっと厄介ですね。
そこで、(14)の ‘each other’と‘Tom and John’の関係を、正しく結び付けられる位置は、(15)にあるように、それぞれ、逆の位置にもっていく、つまり、‘Tom and John’を、‘want’の目的語 (つまり、‘help’にとって解釈上の主語) にして、一方、‘each other’を、‘to’不定詞内にもっていかなくてはなりません。
まあ、ややこしい話なんですが、つまり、‘each other’を正しく使うには、その相手となる表現‘Tom and John’との、相対的な位置関係も考慮しなければならない、ということなんですね。「‘want’+A+‘to’不定詞」のような構文では、‘want’以外に、もう1つ、‘to’不定詞という、動詞が含まれます。そして、動詞は、普通、主語を何らかの方法で求めます。
ですので、まず、‘each other’が、「主語」であってはならない、というよりも、むしろ、①・「主格」を与えられてはならない、という「格」の条件に修正する必要があります。加えて、②・相手となる (イコール (=) 解釈となる) ような名詞表現が、「目的語」ではなく、「最も近い主語」になっているか、という2点が、ポイントとなります。ここで言う、「最も近い主語」とは、カタチの上での主語も、解釈上の主語も、どちらも含んでいます。
(16)Tom and John want the people to help each other.
(17)a. トムとジョンは、その人々がお互いを助けあって欲しい、と思っている。 (〇)
b. その人々に、トムとジョンは、お互いを助けて欲しいと思っている。 (×)
(16)の解釈としては、(17a)のように、‘each other’と‘the people’が結び付く (イコール (=) 解釈となる) ような場合、OKですが、一方、(17b)のように、‘each other’と‘Tom and John’が結び付く場合、アウトになります。ですので、②の、「最も近い主語」という定義が必要となります。
(18)Tom and John want to help each other. (〇)
(トムとジョンは、お互いを助けあいたいと思っている。)
(18)はOKです。この文では、‘Tom and John’が、‘want’の主語であるのは、当然なんですが、同時に、解釈上は、‘help’の主語でもあるわけですから、 (16)のケースにおける、‘the people’のような、別解釈の主語ではないため、結果的に、最も近い主語は、やはり、‘Tom and John’であり、‘each other’とのイコール関係が成立します。
あと、①の、「主格」を与えられていない、という定義ですが、これに関しては、以下のようなケースに対応させる、という意味でも、有効です。
(19)Tom and John saw pictures of each other. (〇)
(トムとジョンは、お互いの写真を見た。)
(20)Tom and John love each other's sisters. (〇)
(トムとジョンは、お互いの妹を愛している。)
(19)は、OKです。そして、その‘each other’は、動詞から目的格を与えられているわけではありませんが、前置詞‘of ~’の目的語なので、やはり、「目的格」を与えられている、ということになり、「主格」ではありません。 ((3)と(6)も、あわせて確認して下さい。) 一方、(20)もOKですが、‘each other's sisters’の、‘each other's’は、もちろん、「所有格」なので、やはり、「主格」ではない、ということになります。では、以下に、‘each other’の要点をまとめてみます。
(21)‘each other’は、独立して使うことができず、同一文中に、
相手となるべき (イコール (=) 解釈となるような) 名詞表現を
必要とする。
(22)‘each other’は、①・主格を与えられる位置に生じてはならない、
②・最も近い主語 (解釈上の主語も含む) を相手に選ぶ、という、
2つの条件を、同時に満たしていなければならない。
以上、‘each other’の使用上の注意点を述べました。今回のポイントは、‘each other’の使用には、実は、文法上の位置制限がある、ということです。‘each other’の使用は、学校の英文法では、精々、代名詞だから注意しなさい、という程度のことしか教わらないため、割と軽視される傾向にあります。
しかし、実用英語においては、よく使われる表現だと思いますし、実際、なかなか上手く使いこなせていない、という印象が強い表現なのです。今回のやり方で、‘each other’の全てを言い尽くしたわけではありませんが、これで、初歩的な使用例としては、十分、実用的な領域に達していると思います。もう少し、詰めて考えなければならない問題もありますが、‘each other’に関する、トピックは、またの機会です。
■注1 :‘each other’は、「代名詞」である、とは言っても、本来の代名詞とは、違った振る舞い方をします。‘Tom and John saw each other.’「トムとジョンは、お互いを見た。」、の場合は、必ず、‘Tom and John’=‘each other’、の解釈でなければなりません。しかし、一方、‘Tom and John saw them.’「トムとジョンは、彼らをみた。」は、‘Tom and John’=‘them’、と解釈することは、不可能で、必ず、別の人を、指さなくてはなりません。また、本来の代名詞は、‘He loves Mary.’「彼は、メアリーが好きなんだよ。」、などが、OKですから、独立して使用することが可能で、同一文中に、イコール (=) 解釈となるような、相手となるべき名詞表現を必要とはしません。
■注2 :「主語」である、ということと、「主格」を与えられている、ということは、本来、別個の問題であり、常に同一視する、というわけにはいきません。その一例として、例えば、‘to’不定詞の「主語」が、「目的格」の姿をしていることについては、‘It is a waste of time for him to study English’「彼が英語の勉強なんて、時間のムダだよ。」、という文からも、明らかです。あわせて、EG43も、参照して下さい。
●関連: EG43
★みんなの英会話奮闘記★ ★元祖ブログランキング★ ★英語・人気blogランキング★
(1)トムとジョンは、お互いに話しかけた。
(1)の日本語は、「お互いに」、という表現を含んでいますね。これを英語にすると、普通、‘each other’という表現が、当てはまります。では、早速、この‘each other’を使って、(1)を英語にしてみましょう。
(2)Tom and John talked each other. (×) (訳同(1))
(3)Tom and John talked to each other. (〇) (訳同(1))
ん?(2)はアウトですね。そのかわりに、(3)ならば、OKにできるということなんですが、どうやら、これは、‘talk’「話す」が、自動詞であることに、注意しなければならないようです。(2)では、‘talk’の直後に、‘each other’が続いて、アウトになっている一方で、(3)では、「自動詞+前置詞」である、‘talk to ~’の直後に、‘each other’が続いて、OKになっています。
ですので、‘each other’は、実は、名詞なんですね。そこで、日本語で覚える際は、「お互いに」、ではなく、「お互い」、と覚えた方が、間違いがないものと思われます。こういった間違いは、よくあることらしく、‘each other’を、あたかも、副詞のようなものとして、「~ に」まで含めて使っているヒトは、結構、多いですね。これは、基本的な注意点です。
(4)Tom and Susan love each other. (トムとスーザンは、お互い愛しあっている。)
(5)They hate each other. (彼らは、お互いを憎みあっている。)
(6)They speak ill of each other. (連中は、お互いを罵りあっている。)
ところで、(4)~(5)の例を見ても、わかる通り、「お互い」という意味から、思い浮かぶのは、‘Tom and Susan’「トムとスーザン」や、‘they’「彼ら、連中」といった、何らかの複数のものが、前もって存在していることを要求する表現だな、ということです。
ですので、‘each other’は、そういった複数のものが、予め存在していて、初めて使えるのではないか、と思われます。そうなると、‘each other’は、見ようによっては、「代名詞」のようなもの、とも言えるでしょうね。
(7)Each other cannot be seen in the fog. (×) (霧の中では、お互いが見えない。)
(8)Tom and John thought [ that each other could not be seen in the fog ]. (×)
(トムとジョンは、[ 霧の中では、お互いが見えない ] と思った。)
(7)は、文中に、‘each other’が指すと思われる表現がなく、アウトであることからは、やはり、‘each other’は、何らかの複数のものが、前もって存在していることを要求する表現だとわかります。しかし、今度は、(8)を見る限り、‘each other’に対して、‘Tom and John’がありますから、例え複数のものが、前もって存在していても、アウトになる場合がある、ということです。これは、どういうことでしょうか。
(9)Tom and John will criticize each other. (〇)
(トムとジョンは、互いを批判しあうだろうね。)
(10)Each other will be criticized by Tom and John. (×)
(トムとジョンに、お互いが批判されるだろうね。)
(11)Tom and John will be criticized by each other. (〇)
(トムとジョンは、お互いから批判されるだろうね。)
そこで、今度は、OKである、能動文(9)から、受身文(10)をつくってみましたが、アウトです。(9)では、‘each other’が、目的語だったのですが、一方、(10)では、主語になっていますね。そして、(11)では、受身文のまま、‘Tom and John’を主語にして、‘each other’を、後に追いやったのですが、 OKになりました。
というわけで、ここから、アウトである、(7)、(8)、(10)を、トータルで考えて言えそうなことは、どうやら、‘each other’は、「主語」自体になれない、ということではないでしょうか。((8)も(10)も、アウトですから、‘Tom and John’と、‘each other’の前後関係、つまり、順序の問題が原因である、とは言えません。)
(12)Susan wants him to help Mary.
(スーザンは、彼にメアリーを助けて欲しいと思っている。)
ところで、(12)のような、「‘want’+A+‘to’不定詞」のような構文では、Aが、カタチの上では、目的格‘him’になっていますので、‘want’の「目的語」なんですが、それと同時に、一方では、解釈上、‘to’不定詞‘to help Mary’の「主語」でもあって、ちょっと、Aが、「カタチ」と「解釈」の関係のはざまで、中途半端なステイタスを与えられているという構文です。 (「彼がメアリーを助ける、ということを、スーザンは望んでいる」、と解釈すれば、わかりやすいと思います。)
(13)Tom and John want each other to help Mary. (〇)
(トムとジョンは、お互いがメアリーを助けて欲しいと思っている。)
そこで、(13)のように、「‘want’+A+‘to’不定詞」の構文のAに、‘each other’を置いてみましたが、OKになります。これは、どうやら、‘each other’が、主語になれない、とは言っても、「‘want’+A+‘to’不定詞」のような構文においては、解釈上ではなく、目的語としての (カタチとしての) ステイタスの方が優先されて、OKになるようなんです。
(14)Susan wants each other to help Tom and John . (×)
(スーザンは、お互いがトムとジョンを助けて欲しいと思っている。)
(15)Susan wants Tom and John to help each other . (〇)
(スーザンは、トムとジョンがお互いを助けあって欲しい、と思っている。)
じゃ、‘each other’が、‘want’の目的語なら、(14)にあるように、‘to’不定詞内にある、‘Tom and John’が指せるのか、というと、これがダメで、アウトになってしまうんですね。これは、ちょっと厄介ですね。
そこで、(14)の ‘each other’と‘Tom and John’の関係を、正しく結び付けられる位置は、(15)にあるように、それぞれ、逆の位置にもっていく、つまり、‘Tom and John’を、‘want’の目的語 (つまり、‘help’にとって解釈上の主語) にして、一方、‘each other’を、‘to’不定詞内にもっていかなくてはなりません。
まあ、ややこしい話なんですが、つまり、‘each other’を正しく使うには、その相手となる表現‘Tom and John’との、相対的な位置関係も考慮しなければならない、ということなんですね。「‘want’+A+‘to’不定詞」のような構文では、‘want’以外に、もう1つ、‘to’不定詞という、動詞が含まれます。そして、動詞は、普通、主語を何らかの方法で求めます。
ですので、まず、‘each other’が、「主語」であってはならない、というよりも、むしろ、①・「主格」を与えられてはならない、という「格」の条件に修正する必要があります。加えて、②・相手となる (イコール (=) 解釈となる) ような名詞表現が、「目的語」ではなく、「最も近い主語」になっているか、という2点が、ポイントとなります。ここで言う、「最も近い主語」とは、カタチの上での主語も、解釈上の主語も、どちらも含んでいます。
(16)Tom and John want the people to help each other.
(17)a. トムとジョンは、その人々がお互いを助けあって欲しい、と思っている。 (〇)
b. その人々に、トムとジョンは、お互いを助けて欲しいと思っている。 (×)
(16)の解釈としては、(17a)のように、‘each other’と‘the people’が結び付く (イコール (=) 解釈となる) ような場合、OKですが、一方、(17b)のように、‘each other’と‘Tom and John’が結び付く場合、アウトになります。ですので、②の、「最も近い主語」という定義が必要となります。
(18)Tom and John want to help each other. (〇)
(トムとジョンは、お互いを助けあいたいと思っている。)
(18)はOKです。この文では、‘Tom and John’が、‘want’の主語であるのは、当然なんですが、同時に、解釈上は、‘help’の主語でもあるわけですから、 (16)のケースにおける、‘the people’のような、別解釈の主語ではないため、結果的に、最も近い主語は、やはり、‘Tom and John’であり、‘each other’とのイコール関係が成立します。
あと、①の、「主格」を与えられていない、という定義ですが、これに関しては、以下のようなケースに対応させる、という意味でも、有効です。
(19)Tom and John saw pictures of each other. (〇)
(トムとジョンは、お互いの写真を見た。)
(20)Tom and John love each other's sisters. (〇)
(トムとジョンは、お互いの妹を愛している。)
(19)は、OKです。そして、その‘each other’は、動詞から目的格を与えられているわけではありませんが、前置詞‘of ~’の目的語なので、やはり、「目的格」を与えられている、ということになり、「主格」ではありません。 ((3)と(6)も、あわせて確認して下さい。) 一方、(20)もOKですが、‘each other's sisters’の、‘each other's’は、もちろん、「所有格」なので、やはり、「主格」ではない、ということになります。では、以下に、‘each other’の要点をまとめてみます。
(21)‘each other’は、独立して使うことができず、同一文中に、
相手となるべき (イコール (=) 解釈となるような) 名詞表現を
必要とする。
(22)‘each other’は、①・主格を与えられる位置に生じてはならない、
②・最も近い主語 (解釈上の主語も含む) を相手に選ぶ、という、
2つの条件を、同時に満たしていなければならない。
以上、‘each other’の使用上の注意点を述べました。今回のポイントは、‘each other’の使用には、実は、文法上の位置制限がある、ということです。‘each other’の使用は、学校の英文法では、精々、代名詞だから注意しなさい、という程度のことしか教わらないため、割と軽視される傾向にあります。
しかし、実用英語においては、よく使われる表現だと思いますし、実際、なかなか上手く使いこなせていない、という印象が強い表現なのです。今回のやり方で、‘each other’の全てを言い尽くしたわけではありませんが、これで、初歩的な使用例としては、十分、実用的な領域に達していると思います。もう少し、詰めて考えなければならない問題もありますが、‘each other’に関する、トピックは、またの機会です。
■注1 :‘each other’は、「代名詞」である、とは言っても、本来の代名詞とは、違った振る舞い方をします。‘Tom and John saw each other.’「トムとジョンは、お互いを見た。」、の場合は、必ず、‘Tom and John’=‘each other’、の解釈でなければなりません。しかし、一方、‘Tom and John saw them.’「トムとジョンは、彼らをみた。」は、‘Tom and John’=‘them’、と解釈することは、不可能で、必ず、別の人を、指さなくてはなりません。また、本来の代名詞は、‘He loves Mary.’「彼は、メアリーが好きなんだよ。」、などが、OKですから、独立して使用することが可能で、同一文中に、イコール (=) 解釈となるような、相手となるべき名詞表現を必要とはしません。
■注2 :「主語」である、ということと、「主格」を与えられている、ということは、本来、別個の問題であり、常に同一視する、というわけにはいきません。その一例として、例えば、‘to’不定詞の「主語」が、「目的格」の姿をしていることについては、‘It is a waste of time for him to study English’「彼が英語の勉強なんて、時間のムダだよ。」、という文からも、明らかです。あわせて、EG43も、参照して下さい。
●関連: EG43
★みんなの英会話奮闘記★ ★元祖ブログランキング★ ★英語・人気blogランキング★
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます