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英語学習法(92)

2005年08月09日 | 代名詞
EG91の続きです。‘each other’「お互い」は、意外と難敵でしたね。以下、見ましょう。

(1)Tom and Mary love each other. (〇) (トムとメアリーは、お互いにホレてます。)

(2)Tom and John drive carefully、so Mary loves each other. (×)
  (トムとジョンは運転が抜かりないから、メアリーは、お互いにホレてます。)

まず、基本的な確認です。(1)は、OKです。‘Tom and Mary’=‘each other’の解釈が成り立ちます。しかし、一方、(2)は、アウトです。前半の文に、‘Tom and John’を置き、そして、後半の文に、‘each other’を置いても、‘Tom and John’=‘each other’が成り立たず、アウトになっていますが、これは、EG91で立てた、‘each other’に関するルールから、導き出されることです。再度、確認しましょう。

(3)‘each other’は、①・主格を与えられる位置に生じてはならない、
   ②・最も近い主語 (解釈上の主語も含む) を相手に選ぶ、という、
   2つの条件を、同時に満たしていなければならない。

(2)に関しては、ルール(3)の②があるため、アウトになる、ということですね。(2)で、「最も近い主語」は、‘Tom and John’ではなく、‘Mary’「メアリー」ですから、ルール(3)の②によれば、‘Mary’=‘each other’となってしまい、正しく、‘Tom and John’=‘each other’と解釈されず、意味不明な解釈となって、アウトになります。

(4)Tom and John think [ that each other will be popular ]. (×)
  (トムとジョンは、[ お互いが人気者になるだろうと ] 思っている。)

(5)Tom and John think [ that pictures of each other will be popular ]. (〇)
  (トムとジョンは、[ お互いの写真が人気が出るだろうと ] 思っている。)

今度は、アウトである(4)と、OKである(5)の比較ですが、まず、(4)は、ルール(3)の①によって、アウトとなります。‘each other’が、助動詞‘will’の主語位置にあり、「主格」を与えられることになりますからね。しかし、一方、(5)では、助動詞‘will’の主語位置にあるのは、あくまで、‘pictures of each other’「お互いの写真」であり、‘each other’そのものではありません。

そこで、(5)の‘each other’の「格」は、何かと言うと、‘pictures of each other’の中で、前置詞‘of ~’から、「目的格」を与えられている、という見方が正しいので、ルール(3)の①は、クリアしていることになります。それから、「最も近い主語」を探すと、‘Tom and John’があり、ルール(3)の②によって、‘Tom and John’=‘each other’が、成立しますので、結果として、OKになるわけですね。

ここで、‘each other’に、「最も近い主語」は、‘pictures’ではないか、という反論もあるかと思いますが、あくまで、助動詞‘will’の主語は、‘of each other’も含めた‘pictures of each other’全体なので、「最も近い主語」の対象とはしないことになります。今度は、以下を見ましょう。

(6)Tom and John wrote a long letter to criticize each other. (〇)
  (トムとジョンは、お互いを批判し合うために、長い手紙を書いた。)

(6)の場合、OKですが、通常、‘to’不定詞は、主語が表面に表れていなくてもよい動詞表現です。しかし、いわゆる、「一般の人」、とでも解釈されない限りは、どこかに、その動詞の主語を求めなければなりません。そこで、(6)では、‘criticize ~’「~ を批判する」の解釈上の主語は、もちろん、‘Tom and John’であり、そこから、結果的に、「最も近い主語」は、‘Tom and John’となりますので、ルール(3)の②によって、‘Tom and John’=‘each other’が正しく決定されます。 (‘to’不定詞の主語が、「一般の人」と解釈される場合に関しては、EG77、参照。)

(7)Her parents decided to help each other. (〇)
  (彼女の両親は、お互い助け合うことに決めた。)

(8)Mary was glad about her parents' decision to help each other. (〇)
  (メアリーは、両親がお互いを助け合うように決めてくれて、嬉しかった。)

(7)では、やはり、‘to’不定詞の動詞‘help ~’「~ を助ける」が、解釈上、‘her parents’「彼女の両親」を主語として取っていて、結果的に、「最も近い主語」は、‘her parents’ですから、ルール(3)の②によって、‘her parents’=‘each other’と、正しく決定され、OKです。

そこから、発展的に、(8)のような文では、‘her parents' decision to help each other’「彼女の両親の、お互いを助け合うという決定」という、いわゆる、「‘decide’(動詞)→‘decision’(名詞)」の変形 (品詞転換) が起こっています。

この場合でも、所有格になった、‘her parents' ~’「彼女の両親の ~」が、そのまま、‘decision’に対して、「解釈上の主語」としてのステイタスを保っています。そこで、ルール(3)の②で補足されている、「解釈上の主語」は、こういったケースにも、対応していることに注意して下さい。ですので、「最も近い主語」は、‘Mary’ではなく、‘her parents'’が選ばれ、‘her parents’=‘each other’と正しく決定されます。 ((7)のような、「動詞 → 名詞」の変形 (品詞転換) については、EG52、参照)

(9)Tom and John think [ that it is natural [ that pictures of each other will
   be popular ] ]. (〇)
  (トムとジョンは [ [ お互いの写真が人気が出るのは ] 当然だと ] 思っている。)

ここで、ちょっと、ルール(3)の②に関して、注意すべき問題点がありますので、補足しておきたいと思います。(9)はOKですが、その解釈は、‘Tom and John’=‘each other’です。しかし、‘each other’に対して、「最も近い主語」は、何かと言うと、実は、‘Tom and John’ではなく、‘it’なんですね。ですので、ルール(3)は、誤って、‘it’=‘each other’を予測してしまいますので、(9)は、ルール(3)の②に対する反例になります。

しかし、この場合は、‘it’が、「それ」という代名詞の意味ではなく、特に意味内容をもっていない、「形式主語」と呼ばれる‘it’であることからして、無視できる対象として扱ってもよいかと思われます。と言いますのも、大体のケースにおいて、‘be natural’のような構文では、本来的な主語は、‘that’節 (この場合、‘that pictures of each other will be popular’) であり、そのように考えるならば、やはり、「最も近い主語」は、‘Tom and John’になるからです。 (形式主語に関しては、EG84、参照)

今回のポイントは、EG91で定義した、‘each other’に関するルールを、さらに、他の例を加えることで、その確からしさを検証してみたわけです。変則的な例も含めて見ましたが、かなり、幅広い例を説明できるルールなので、‘each other’に関する実用英語を習得する上で、大いに役立つことは、間違いありません。是非、お試し下さい。

●関連: EG52EG77EG84EG91

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