昨晩のことです。いつものように仕事を終えていつものように駅のバスセンターで帰りのバスが到着するのを待っていました。バスは1時間に一本しかありません。そのバスを到着を列に並んで待っていました。
と、そこに現れたのは中国人と思われるおじさんです。手に何か持って私に中国語で猛抗議を始めました。
「えええ!?私、何も悪いことをした覚えはないんですけど・・・」
とか思いながら、おじさんの手先をよく見るとそれは、英語で書かれた旅行パンフレットでした。
おじさんの指先にはローマ字で書かれた太宰府天満宮の表記と写真がありました。
どうやらおじさんは私に抗議しているのではなくて、太宰府天満宮に行くバスに乗りたいらしいということが分かりました。テレビのバラエティ番組の吹き替えだと・・・
「ちょっと言いかね、ここに行きたいんだがどこからバスに乗ったら良いのか教えてくれないか?」
とか、それくらいのノリなんだろうと思います。
中国語はイントネーションがとても複雑なので大きな声で話さないと相手に言葉がよく伝わらないということを聞いたことがあります。抗議ではなくて単純に声が大きいだけだったようです。
というわけで「はてさてどうしたものか?」と少し悩んでしまいました。太宰府行きのバスに乗りたいらしいのですが、私はバスがどこから出ているのかよく分からないのです。しかもバスの発車まではあと2分ほどしかありません。
「ごめんなさい。分かりません」と言いたいのですが、私は中国語はさっぱり話せないのです。(ニイハオ、シェイシェイくらいしか知りません)
と、思っているところでバスが到着しました。悩んでいる暇はありません。あわててバスセンターの切符売り場までおじさんを誘導しました。すぐにでもバスセンターの人に引き継ぎしたかったのですが、あいにくと受付には少し列ができていました。
「ちょ、ちょっと待ってください。」と日本語とジャスチャーで何とかして・・・と思いながら振り向いたらおじさんがいません。「ん!?」と思って周りを見ると近くにいた警備員の方に同じ質問をしているのが見えました。警備員の方は「太宰府ライナーバス旅人」のパンフレットおじさんに見せて説明をし始めました。
「とてもとても親切な警備員の方、そのおじさんをよろしくお願いします」
と心の中で大声で叫びながら、私は走りました。脱兎のごとくです。バスの発車時刻なのです。
「もう絶対だめ~、だめ~」とか心の中で叫びながら、たどり着くとちょうどバスが発車する直前でした。
間に合ったのです。良かったです。すごいです。
私はエルエルの法則に打ち勝つことができたのです。ちょっとした達成感を味わいながらバスに乗ることができたのでした。
というわけで最近は外国の方から声をかけられることが続きました。私には声をかけやすい雰囲気があるのでしょうか?
そんなどうでもいいことが気になる最近の日常なのです。