キリスト者の慰め

無宗教主義の著者が、人生の苦しみに直面し、キリストによって慰めをえる記録

聖書を読む動機

2012-01-29 17:45:23 | 聖書原典研究(ヘブル書・黙示録)
同じように,妻たちよ,自分の夫に従いなさい。 夫が御言葉を信じない人であっても, 妻の無言の行いによって信仰に導かれるようになるためです。 (ペテロ書Ⅰ3-1/新共同訳) 「妻の無言の行い」と訳されている「無言の」とは, 原語では「言葉なしに(ανευ λογου)」であって, この「言葉」とは単数形である。 単数形の「言葉」とは,この著者にとって福音を意味しているのであれば, 「無 . . . 本文を読む

宗教の終わり

2011-12-25 17:39:14 | 聖書原典研究(ヘブル書・黙示録)
なぜなら,キリストは唯一の献げ物によって, 聖なる者とされた人たちを永遠に完全な者となさったからです。 (ヘブル書10-14/新共同訳) 「聖なる者とされた」と訳されている箇所は,まるで過去形のような印象を与えるが, 原文は現在分詞であって,「聖なる者とされている」と訳すべきである。 また,「完全な者となさった」と訳されている箇所は, 時制は正しい(現在完了)のだが,意味自体を訂正すべ . . . 本文を読む

ヘブル書著者の時間観念~永遠の今~

2011-12-04 18:48:56 | 聖書原典研究(ヘブル書・黙示録)
あなた方のうち誰一人,罪に惑わされて頑なにならないように, 「今日」という日のうちに,日々励まし合いなさい。 (ヘブル書3-13/新共同訳) 四福音書の総合的研究と共に,ヘブル書を11章まで読了する。 その中で,気づいたことを一つ。 ヘブル書を読んでいて,この著者の時間観念に非常な違和感を感じる。 例えば,以下の文言。 神はその長子をこの世界に送るとき, 「神の天使たちは皆,彼を . . . 本文を読む

ヘブル書雑感

2011-11-20 19:05:50 | 聖書原典研究(ヘブル書・黙示録)
ヘブル書を8章まで読了する。 その中で気づいたことを少し。 ヘブル書は一般的に「新約のレビ記」と言われていて, ユダヤ教に代わるキリスト教の礼拝形式を語ったものとして解釈されることが多い。 だが,レビ記に則った礼拝的記述が多いからといって, 果たして,それをもってヘブル書著者がレビ記を範としたかというと, それは安直に過ぎる解釈であると思う。 人は,目の前にある現実に抗議する時に . . . 本文を読む

大祭司としてのイエス

2011-11-13 16:18:22 | 聖書原典研究(ヘブル書・黙示録)
神の恵みによって,すべての人のために死んでくださったのです。 (ヘブライ書2-9/新共同訳) 「神の恵みによって」と訳されている箇所の原文は, 「カリス テオウ(χαρισ θεου)」である。 ネストレ新版もこの訳を採用しているが,この箇所の異文に, 「コーリス テオウ(χωρισ θεου)」というものがある。 訳すと,「神から離れて」である。 聖書を伝えたキリスト教会は,自身 . . . 本文を読む